かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

バーン・ノーティスから学ぶ友達作成術とドラマの魅力について

 

バーンノーティスから学ぶ友達作成術

Huluがせっかく見れるようになったのでオススメしたいドラマを紹介する。

それはバーンノーティスである。残念ながらNetflixでは放送していない名作。これを見るためにHuluを見るのも悪くはないかもしれない。U-nextでも視聴は可能かも。全7シーズン。

 

 

バーン・ノーティス 元スパイの逆襲 (Burn Notice)は 2007~2013年にFOXで放送されていた海外ドラマ。タイトルのBurn Noiceはいわゆる解雇通知。主人公は優秀なスパイだったのだが、ある日任務中に突如としてクビに。銀行口座はもちろん職歴もなくなってしまい、無職一文無しに。しょうがないので実家に帰って昔の友達から仕事を請け負って、元スパイ流にトラブルを解決して復職しようとがんばる一話完結式ドラマ。

 

24やプリズンブレイクなどと違う点はドラマ仕立てがスマートなのにコメディチックなところ。まず主人公がすでに解雇されている事実上無職で母親に頭が上がらず、いいように使われてしまったりとかなり情けない。そのうえ007のように豪華なスパイ道具もなく、基本的に現場調達でなるべく安価に仕事をこなす。この妙に情けない貧乏チックなところと、スパイ技術による人の裏をかいたアッと言わせる戦術がとても魅力的なのだ。

例えば冒頭のバーン・ノーティスbotの”友達作り”は非常に面白い。ある地域に蔓延る迷惑なマフィアを撃退するために内部に入り込んで瓦解させようとする時に、側近たちと急速に仲良くなる方法が”トラブル”を解決することなのだ。側近の車にミエミエの発信機を自分でしかけた挙句「FBIにツケられてたんだ…ほら発信機があった。危なかったな…」とか声をかけてあげると「コイツ親切じゃん」と思ったりしてくれるわけだ。 

 

このバーンノーティスbotに書かれている内容は主人公がナレーションするセリフ。ちょっと皮肉げなテイストで、スパイのスマートさにあふれていてドラマの性質をよく表していると思う。主人公はもうルパンの声優でもおなじみ栗田貫一。が、おもしろいのはものすごーく疲れ切ってやる気のない背中が荒んだ中年ルパン的な演じ方をしているところ。基本的に不幸に見舞われているので気力がないんだけど、ある程度イタズラ好きな根が善良なヒーローなのだ。

 

24のシリアスでしかも超人的な体力とアクションで頑張るヤツやプリズンブレイクみたいに大変な目にばかりあうものでハラハラしたりするのが疲れた時、バーンノーティスはわりとコメディに楽しめるからオススメだ。スパイ豆知識を毎回見て感心するのはある意味よくできたミステリー小説のトリックを探偵に丁寧に教えてもらうときの快感に似ている。

 

シーズン6あたりまではわりと安定して面白いのだけれども最終シーズンはかなり暗いので途中まででいいかなーと思わないでもない。物語の締めにはどうしてもシリアスにするしかなかったという制作陣の苦悩がちょっと見て取れる気もする。

 

ちょっとお茶目に、それでいて貧乏臭く何故か不遇な目にばっかり合う可愛そうだけど困ったときとっても頼りになるスパイを見たいなら、バーンノーティスがぜひオススメです。

 

おわりに

この友達の作り方、世間一般じゃなかなか出てこない解答なのは間違いないだろう。ある意味ストーカーのテクニックだ。まあスパイとストーカーの違いと言えば国への忠義があるかないか、なんてドラマ中でも解説されていたような気がする。

 

とはいえ人付き合いだとか友人づきあいなんてものを少しひっくり返してくれるような痛快なアイディアだ。深刻に悩んでいる人は怒り出すかもしれないけど、ある意味そういったことできずなが深まるのは間違いない。人間とはある部分ではすごく単純な心を持っている、それを利用するのが近道なのだろう。だから限定的に有効な戦法だとは思う。

 

真面目に考えすぎてすごくつらくなったり悲しくなったりすることはよくあるけど、こういったお茶目な、裏技的な考え方もあると知っておくと自分の中でとりうる選択肢が増えたりちょっと気が楽になる部分もあるはずだ。ドラマを見て少し気休めするのもたまには悪くないと思う。