- 超能力は一貫して"病気"という扱い
- ZHIENDは能力を使ってズルをしたんだろうか?
- ループを乗り越える強さ、病の誘惑に負けない高潔な心
- 奪った能力はどうなったのか?
- 新しく始める強さ、すがすがしさ、それは変わらないという信頼
自分なりにシャーロットの気になった点、お気に入りな点などを挙げていきます。
ばっちりネタバレがめちゃくちゃありますので、本編視聴後にどうぞ。
簡単に言うと…最高のアニメだってことだ!センスいいぜ!
超能力は一貫して"病気"という扱い
シャロットは能力のことをずっと病気だといい続けてるのがスゴイ。
13話でもカタコトで明言してから能力を奪っていきます。この画像、パワーあるな。
普通高校生が異能力に目覚めたら乱用するし、誇りにすら思う。だけど作品では何回も病気であることを言い続ける。
同じ病気を共にした仲間なんですから、と12話で高杉が言う。
別な話では能力は不幸なだけであるとも諭すシーンがある。
この発言はおそらく治癒能力の少女にも当てはまるだろう。便利な人を癒す能力でさえ政治利用や悪の利用、果ては科学者の拷問だってあり得るだろう。そういった意味で善行を行っていても不幸になることは容易に考えられる。
12話で友利は能力を略奪された後、まっとうな人間に戻れますと感謝する。それは病気が治ったからか。それもあるが友利は女子グループから暴力を受けていた過去もあってだろう。能力が不幸になる。自分の兄を破滅させたのも、母も。そんな能力の因果からの解放なんだろう。
ZHIENDは能力を使ってズルをしたんだろうか?
個人的にはZHIENDのズルは…どうなんでしょうか。年齢的にありえるんですかね?
シャーロット彗星が降り注いだ年代と合致するのでしょうか。
元能力者OBも数多く存在するということでありえないわけではなさそうです。
ひきかえに視力を失った…とあるのでタイムリープした?と推察されますが…
本編にはやはり関わりないですし、弟誘拐事件時の負傷の可能性もあります。
この部分には能力を使ってしまった先輩としての忠告という可能性とズルをしてしまった人間としての忠告の可能性が、重なり合ってるとも言えるんじゃないでしょうか。ある意味シュレーディンガー的な?世界線的な?
とにかく解釈が自由だし、決定付けなくてもよい、要は入力と出力を知っていれば中身はブラックボックスでいいという考えです。能力者の先輩というほうがロマンチックであるとは思いますが。
ループを乗り越える強さ、病の誘惑に負けない高潔な心
ループ能力を回復させる絶好の機会が13話で訪れます。
が、人の理に反すると拒絶します。強い!
そして"そんなこと"のために能力を奪ったんじゃないとも言います。
一貫して"病気の治療、根絶"ともいえる行為なのでしょう。悪用ではないと思いますが、能力の私用にNoを突き付けたのは非常に高潔であると思います。
これは友利との"約束"の影響もあると思います。今ループしたら、友利との"約束"は果たされないのです。なぜなら約束した友利は、今現在にしか存在しないのだから…
友利との"約束"を汚さないため、とまで言うのは言い過ぎでしょうか?
奪った能力はどうなったのか?
本編終盤で少女を救うために能力を使いますが、これは念動力です。なぜ念動力だったのでしょう。バリアでもよかったはずです。そして弾き返すことだってできたでしょう。
それはやはり体力的な限界を迎えていたんだろう、とも推察されますが。
おかしくないですか。治癒能力、不眠能力まですべて備えてテレポートまでできるのになぜ?
おそらく有宇はもう能力を行使することがほとんどできないのでは?友利の言うように何千・何万の能力を持っていたら、どれを使ったらいいかわかりません。
オンラインゲームで数十万のスキルの管理なんて悪夢のようです…やりたくないですよね。しかもとっさにやろうとなると、押し間違えたら…*1
それにそもそも"病気"なのです。異なる病原体的なものを貯め込んでるわけですし。
治せと言われても、もう治し方すらわからないのではないのでしょうか。*2
新しく始める強さ、すがすがしさ、それは変わらないという信頼
11話では、兄と妹が新しく家族になる良いシーンがあります。
このシーン、シャーロットの人々のループに対する"強さ"の表れだと思います。
兄はもう何度もループし、失明すらしています。そして何度も何度も長い年月を過ごした相手から忘れられてしまう。耐えきれないほどの悲しさがそこにあるように思えます。
しかし、そうではない。なぜなら兄であることは変わらないから。そして妹であることも変わらない。性格も考え方だって変わらない。だから、もう一度新しく、関係を結ぶことだってできる。それは楽しい未来を作れるという確信なのかもしれないと思いました。
12話の約束の際、友利は責任の取り方だったのだろうと客観視します。これってすごくないですか。だって自分ならこう動くだろうというのを見事に当てています。
そしてこの発言の前には今のあなたは信用できます、とも言っています。有宇に対して評価が変わってるんですね。
これはお互いがお互いのことをどういう人間なのか、わかってるんじゃないでしょうか。たとえループをしても、過去に戻っても、変わらないんだよと。
互いの人間性を信じてるんじゃないでしょうか。
だからこそ、最終話でこれからは楽しい未来が待ってると。たとえ忘れてしまったとしても有宇は有宇なんだよと。だから新しい関係として、恋人として始めましょうって言えるんだと思います。これがお互いの想いの強さだと思います。
有宇は自分の未来ではおそらく全て忘れてしまうことを覚悟していた。でも友利との約束は、きっと果たせるだろうと自分を信じた。たとえすべて忘れても、約束を。そして帰ろうとしたんでしょう。
だから、これからが楽しみだ。楽しんでいいんだと思います。
全ての過去を忘れても、約束は果たした。
記憶、能力がなくても宇有は変わらない。
さあ新しい、楽しい人生を恋人とスタートしていこう。
シャーロットは、本当にいい物語でした…。すばらしかった…。
ありがとう!