かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

教授からよく指摘されることをまとめて、対策を書いてみた。

 

私が卒論で指導教員に言われて「ウッ」となったり、他の人が指導を受けて「アッ」となっていたのをまとめてみました。この記事は教授の言葉をある程度肯定的にとらえて、そして対策を行うためのものです。教授から暴言のような指摘を受けるとは思いますが、その被害を最小限に食い止め、互いによい研究を進めるためのアドバイスです。 

 

私がよく教授に指摘されたものとその対策

進捗発表で言い訳をする

猛獣にエサをやってるのと同じです。もう殴ってくださいと言ってます。言い訳が必要な時の精神というのは酷く消耗しているはずです。そんなときに指導教員から追加攻撃を食らうとノックアウトされます。言い訳は大目に見て!という気持ちかもしれませんが、毅然とした対応のほうがどちらにとってもいいことが多いです。

 

対策としてはスケジュールについてきちんと話すこと、再発防止や今後の相談の時間を設けること。というか発表の時にいうのはやめておきましょう…。一瞬で進捗発表の場が説教部屋へと進化することになります。いったん教授に一言詫びを入れることで少しガス抜きが可能かと思います。「嫌だ!怒られたくない!」とか「行きたくない!恥ずかしい!面倒!」とか言ってると大爆発されます。発表二日前とか三日前とかに余裕があれば話してみたいものです。逆に次回は少し進捗が遅れそうですなんていう前置きで安全を確保するのもありかもしれません。

 

教授は学生がきちんとペースを守っているか、スケジュールを持っているかを心配しているものです。そしてそれが妥当かどうかをきちんと相談してほしい。そういう願いがあるものと推察されます。予測された遅れだったとわかればちょっと安心です

 

時間がないので適当に作った資料で発表

最悪です。もちろんギリギリまで結果出なかった~とかあると思いますが、発表の時間と指摘、指導の時間を軽視しすぎです。私も最初の頃はコレでした。ですが、雑な発表というのは理解に時間がかかりますし、うんざりします。自分だけがわかってればいいや、とか口頭で補足説明しようなんていうのは相手に負担を強いることです。自分の不手際で迷惑をかけるのと同義です。

 

発表は余裕をもって挑みましょう。またきちんと何を伝えるかの台本を軽く用意しておくと話し忘れ、報告し忘れが防げます。要点だけでもいいのできちんと用意しましょう。スライドに書いてあることしゃべればいいや…とかやってるとまどろっこしい発表になったり、あれ?これなんだっけ…とかになりがちです。そうやってると教授に「こんなもんみたくない!」とキレられることになります。

 

こういったその場しのぎでなんとかしようという意識には報告をやらされてるという気持ちもあると思います。やりたくないんだけど、しょうがないから。結果が出ないから。そのツライ気持ちを押し込めつつ、進捗発表と指導の時間を大切にしてください。数えてみるとそこまで回数は多くありません。気が付くと冬の寒い時期が…。

 

なんでも伝えようとしてまとまってない

たくさん結果を出して、進捗があって嬉しいと思います。また相談したいことに溢れているのかもしれません。溺れ気味の時もこういった発表になりがちです。そしてたくさん結果を出して肝心の考えてもらう部分、今後どうするかといったところを教授に丸投げしちゃおうかなという気持ちもあると思います。私もそうでした。

 

対策としては何が大事かをきちんと自分でつかむことです。取捨選択する編集の能力。これは研究のメインテーマと発表する進捗がどの程度関連があるのかを自分で把握できることです。研究の主目標と進捗発表の距離感を把握すること。その視点から見て極端に離れていた場合は控えめに、もしくは質問されたときに追加資料として提示すると良いと思います。進捗発表で追加資料を提示しちゃいけない決まりはありません。発表としてまとめて、追加となる部分は別に添付するなどでもいいと思います。

 

また発表する前に聴衆の皆さんに本日の流れ、アウトライン、アブストラクトを提示するとより効果的です。今日の発表は最後まで聞かないとわかりません!というのはダメです。みんなにちゃんと聞いてほしいから引き伸ばします!というのではなく、聴衆に奉仕するように発表しましょう。極力脳みそを使う手間を省いて本題にリソースを割いてもらいましょう。

 

また軽くでもいいので研究背景をスパッと述べられるとより効果的かもしれません。ある程度初めてでもついてこれるように述べる。こうすると前回、前々回…の記憶や研究の出発点を改めて確認し、そしてその延長線上の今現在どこに到達しているのかを認識できるからです。たまに前回->現在->今後だけだとわからないこともあります。そんなときは研究の大目標->前回までの進捗->現在と今後の方向性->結論という最終段階の発表を見据えて話すと効果的です。

 

逆に伝えきれず、ちゃんとやってないことになる

控えめにしすぎたり、前回多すぎとかまとまってないと言われてコンパクトにした結果伝わらないという悲しい結果かもしれません。発表が終了して教授のボルテージが上がり説教モードで口を挟めなくなり、一通り終わった後「あの…実はこんなことも試したのですが…」とか言って「じゃあなんでそれを言わなかった!」と怒られとても落ち込むこともあります。

 

これは教授の伝えてほしいこと、研究にとって大事なことの認識がずれてしまっている状態だと思います。研究のメインテーマと進捗の距離を確認しましょう。メインテーマの人に対する理解が足りてない可能性もあります。ちょっとした研究の向かう先の間違いにつながっていることも多いです。自分が思っている到達点と教授の到達点のズレが発表の際のズレにつながっているとも考えられます。軽く受け止めず、このような指摘が多い場合は本質的な部分が間違っている可能性があります。きちんと話し合うことが早急に必要かもしれません。

 

とにかくダメといわれて完全拒絶

これは重症です。あまりにも辛い。とはいえ改善策はあります。それは教授の求める最低限度の発表の体裁を整える必要があると解釈されます。要は門前払いを食らっただけです。指導を受けるだけの基礎部分がなってない、研究以前の問題が多すぎて教授自身がわざわざ指摘するのに疲れるということです。

 

スライドの体裁やフォントサイズが小さすぎる、文字が密集しすぎて読む気をなくす(この文章が例である)、台本のようになってて読めばわかるのにいちいち話すからダルイ、図がめちゃくちゃ、横軸縦軸のラベルがついてない、そもそも研究室の基準フォーマットを守ってない、こちらを見て喋っていない、どこについて喋ってるのかわからない、自分の世界に入ってしまい聴衆が完全に置いてけぼりになる、発表時間が長すぎ、短すぎ、そもそも研究の中身がなく薄めてるのが丸わかり、あまりにもメインテーマから逸脱したことを勝手にやってる、前回と同じようにしか見えない、前回なにをやったか書いてない、前回指摘したはずなのに全く直ってない他人事だと思ったのか他の人に指導したことを守ってない、次回やることが書いてない、何を目的としてやったのか書いてないし主義主張もなく作業をしただけ…など。

 

もう挙げればきりがないですが、上にあるのはすべて基本中の基本です。これらを全て一度に指摘しようとするとツッコミどころがありすぎて大変にエネルギーを消費します。そして教授にとっては毎年のことなのです。そうなると教授もイライラしてしまうでしょう。

 

対策としては先輩方の発表をちゃんと見て学ぶこと、卒論、修論の時期に配属される研究室の進捗発表を見ること、研究室でのマナー、資産としてきちんと進捗発表の良い悪いを共有すること。先輩から指摘されて辛かった部分を聞いたり、一度見てもらってプレ指摘されるといいと思います。

 

こういった発表で注意したいことはnext49さんの発声練習にもまとまっています。またいいプレゼン発表の仕方についても参考になるものは多いです。ネットでよい発表の方法を調べるのは、いつでもとても有用です。

www.slideshare.net

 

研究の発表はカラフルじゃだめだ!とか文字だけが大事!とかわかりゃいいんだよ!とか言いたくなる気持ちもわかりますが、聴衆にきちんと理解されようとする努力をしましょう。ここまでカラフルにしなきゃいけないというわけではなく、上記のわかりやすくするテクニックからいくつか拝借することで飛躍的に読みやすい、わかりやすい進捗発表にすることも可能です。おそらくいくつかのNGパターンに当てはまるところがあるのではないでしょうか。

 

特にグルーピングのテクニックなどは卒論発表のスライドを作成するときも有効です。一ページに無理やり圧縮して台本を覚えられないから、自分で読むためにスライドに書き込むなんてのは最悪です。また図も入れないと分からないからといって圧縮するのはダメです。なるべく見やすく作る努力をしましょう。

 

また堂々とした話し方や聴衆を意識した話し方、プレゼンなどはTEDを見るといいでしょう。あそこまで身振り手振りをする必要はありませんが、少なくともいい発表に見えるコツはつかめます。

www.youtube.com

これは一種のジョークですが、実際のところかなりハイレベルな内容を話しています。

rlee1984.hatenablog.com

・主張→具体例→再主張→主張根拠→主張目的→再主張、という黄金パターンの構成。
・注目させて共感させてから、スピーチを始める。ラポール大事。
・速度と音量と音程。場面に合わせて幅広く変える。飽きさせないの大事。
・スピーチにアクションにスライド。場面に合わせてコミュニケーションチャンネルを変える。飽きさせないの大事。
・自虐、客イジリ、あるある、あたりまえ、パロディ。場面に合わせてジョーク種類を変える。飽きさせないの大事。

自虐やパロディは研究室の発表では滑るとまずいのでやめましょう。ですが、速度や間、音程だけであたかも説得力を醸し出せるのは素晴らしい技術に見えませんか?私は何もインチキをやれというのではなく、これだけでも伝わりやすさが断然違うのです!

 

あなたがもしも良い進捗発表をわかりやすくしたいと願うならば、こういったテクニックが役に立つと言いたいのです。ただ朴訥とのっぺりと素晴らしい研究成果を話して聴衆からよくわからなかったと言われるのは酷く寂しいものです。ぜひバカにせずに、話し方を少しだけでもいいので取り入れてみてください。焦ったり興奮して自分の世界に入らないよう、少し間をおいて聴衆を見て話すだけでもずいぶん違うものです。

 

すべてに効くオススメ:細かく進捗報告を自主的にする

ここまで書いていてなんですが、すべてにだいたい効果があるアドバイス細かく進捗発表することです。

 

簡潔にまとめる能力が身につくことができ、なおかつ細かく報告するため抜け漏れが少なくなります。そして自分のやってる研究がきちんと前回から繋がっている、出発点から直近の報告まで道筋がわかっているというのが大きいです。

 

また日々の簡潔な報告の際にグラフや図を描いて見せると更に効果的です。なぜなら細かい指摘をするだけのエネルギーが残っているからです。軽い報告の際は教授も気軽に指摘することができます。そしてこういったものが卒論のときに使う図となったりしてお互い手間が減るし、進捗発表の際の細かい指摘も減ります。ラフスケッチで描いてもかまわないでしょう。

 

発表間近で目につく細かい指摘を繰り返すと、肝心の論理展開や核となる部分にとりかかる気力を失ってしまいます。こうしたお互いのタイムロスや教授のHPを温存するために細かい点を早めにつぶしましょう。上手くいくと自分の中にミニ教授が誕生しやすくなります。事前にあ~これ言われそうだな直そうという気持ちになれます。

 

また自主的に進捗報告を細かくする意識をつけると時間がなくても日々の記録をつなげれば、それだけで発表になる程度にできます。

 

そして何より細かく報告をすると自分の進む道の方向修正がしやすくなり、教授との雑談チックに研究の論理展開を話すことができます。 この結果からこういう結論を導き出せそうですね、とか次にやることをどのように卒論に盛り込むか。

 

そうすると卒論の時もそんな感じの展開でいけそうですね、と日ごろから材料をちょっとずつ集めることができる。少しずつ論文のための文章構成を作ることができる。日々の進捗を論文の最小単位へと変換できる。

 

さいごに

大量に書きました。一気にすべてをできるようになるのではなく、少しずつ自分で取り入れてみるといいと思います。ちょっと教授から前回よりもわかりやすくなったとか言われると小躍りできます。またそういった褒め言葉をもらったときは研究室に展開しましょう。そうするとみんなでハッピーになれます。そして未来の後輩のためにちょっといい発表をするための資料を作るとよりいいかもしれません。