かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

戦術・戦略が頭に入ってこないのをゲームで疑似体験して血肉にする

 

現代において1000~2000人を率いて戦闘行動をとったことのある人はほとんどいないでしょう。まあ運動会とか催し物やイベント会場の誘導などで人を率いることはしたかもしれません。ですが、本質的な戦闘行動の時の心理などは経験がないと思います。

 

戦略は高校の古典から

自分は戦術についての本を何冊か買って読んでみたことがあります。そのきっかけは三十六計逃げるに如かず、からです。古典の授業で漢文はとっても大好きでした。読みやすいしなんとなく意味が分からんでもない。そしてなんとなく知的でエッセンスが凝縮された寡黙な感じの文体。必要最低限をしっかりと伝える硬派な感じに酔いしれたくてちょっとかじってみた時期がありました。そして孫子の兵法です。ぶっちゃけ「ふふん、三十六計の意味知ってる?」なんていう感じで友達にドヤ顔したい気持ちが8割で読み出しました。

 

で、まあなんとなく格言チックですし、エピソードも交えて非常に面白い。そういえば呉越同舟なんてのもありましたが、これも孫子が由来。現代ではWikipediaにそれぞれすべての計略が詳しくリンクされています!すごい!

兵法三十六計 - Wikipedia

ちなみに有名な三十六計目を引用すると

走為上(そういじょう)は兵法三十六計の最後の計。「走(に)ぐるを上(じょう)と為(な)す」、逃げるのが最善の策である、という意味。 

 おお、全然読めない。「そういじょう」…すごいですね。

 

まあともかく歴史エピソードをチョイスしてまとめてあるので読み物としてとっても面白い。ですが、面白いんですけど細かい陣形や戦術レベルではないように思います。なんとなく歴史小説などででる鶴翼の陣形とかはいったいどういう意味なのか。そして軍団はどのように統率されるべきか。注意点とは何か。そういったことを知りたくなるものです。

 

そんなわけでいくつか書籍を買ってみたわけですが、一つ一つ読み込むと納得します。あーそういうことねと。例えば片翼が瓦解すると弱くなる陣形とか、相手のどの部分を破ればいいとか。それぞれの陣形の特色や配置について、地形の効果など。

 

確かに面白くなるほどふむふむとなれるのです。なんですけど…気が付くと日常生活で活かせていない。というかなんとなく忘れてしまっている。自分の中に血肉として定着していないのです。酷く寂しい。

 

これは自分が好戦的ではないからか、それとも将棋や囲碁についての素養がないからかもしれないとずっと思っていました。じゃあそもそも戦略、戦術に向いてないじゃんという話ですね。それもあると思います。

 

たまたま出会った転機

そうして本棚の肥やしを一つ増やしてしまった自分ですが、非常に暇な時期があり無料で遊べるフリーゲームを探していました。そんなときに出会ったのがMount & Bladeです。

www21.atwiki.jp

www.nicovideo.jp

こちらの体験版が非常に面白く今までの視点を変えてくれるということで興味を持ってプレイしました。当時見た感想は「騎兵がこんなに恐ろしいなんて思わなかった」「騎兵に立ち向かっちゃダメ絶対」「騎兵で歩兵蹂躙するの楽しすぎワロタ」「城攻めが圧倒的地獄過ぎる」「いや攻められるほうもすごい地獄」など、なんていうか自分たちの恐怖体験を書いていたのが印象的でした。

 

例えば三国無双といったシリーズでは「呂布が強い」とか「特定の武器が手に入らない」とか「赤壁ヤバイ難しい」「劉備無念」など特定個人やゲームのアイテム、シナリオについての感想が多いと思います。

 

ところが先述のMount & Bladeの感想ではあたかも自分が騎兵と対峙したという経験や歩兵と戦ったというようなものが多かった。リアリティが高いとでもいえばいいのか。戦場での最小単位である個人間の戦闘をうまく描画できているゲームなのではないかと思ったのです。そして最小単位のリアリティが高ければ高いほど、戦術の有効性もより理解が深まります。PCのスペックが許せばその細かい戦闘を大量に描画することで一個人が戦場の中で軍団vs軍団の一部として働くことを理解できるのです。

 

実際にやってみてうけた衝撃

では自分が実際にプレイしてみて何がびっくりしたか。三国無双では馬なんてただの乗り物です。高速移動用。雑魚がめんどくさいので放置したいときのためのもの。逆に敵将が乗ってたら弓で落としたり、ちょっとたたけば落ちてくるだけの雑魚です。鴨です。

 

Mount & Blade では馬は現代における車と同じです。ぶっちゃけ人間vs車に乗った人間って戦おうと思わないでしょ?ぜったい負けますもん。それと同じことです。馬に乗った人間を落とそうと思っても、相手が15Km/hとか30km/hで突っ込んできて、棒を振り回してたら普通当たんないです。というか逃げます。防御したくなります。

 

ところが馬に乗ってスピードが出ているとダメージが倍加します。防御も弾き飛ばされたあげく馬に弾き飛ばされてあっという間に死にます。勝てっこないです。非情すぎる。逆の立場の場合、馬に乗っていることの最大のメリット、スピードを殺さずに戦うのがいかに難しいか。

 

そこで学習して地形効果や林の中、城や弓兵、もしく盾を持った味方の後ろでがんばってと応援して十分スピードが落ちたところをたたきに行くとかします。そう、戦術が生まれるわけです。騎兵30人vs個人とかだったらもう100%生存不可です。ですが地形や弓兵などを用いた騎兵30人 vs 歩兵10人ならどうにかできないこともない、というのが面白いのです。

 

こうして実際に戦場というものを疑似的にでも体験して苦労すると本を読んだときに「あ~そういえば囲まれたときの絶望感ったらなかったわ~」と思って次にそうなったらどうしようかなと考えだすことになります。一気に自分の身近に感じることができるようになるのです。

 

おわりに

最近はPSVRもありますし、歩兵の視点でやるFPSも流行っています。例えばBattle field 1が有名ですが、これでも第一世界大戦の銃器ドンパチです。戦車まででちゃいますので歴史小説などの戦術に参考になるか?というと微妙です。

 

こういったFPSのストーリーモードは正直決められた道を軍団の一兵士として遂行するので戦術を意識するというよりはいかに生きるかという自身の生存性に意識が向くのだと思います。つまるところ個人のサバイブスキルですね。

 

逆にCivilizationとかまでいくと戦略級になってしまいます。なかなかちょうどいい感じに戦術を意識するゲームというのは少なく感じます。オンラインで協力するタイプのFPSなどもあるでしょうが、軍団として統率を意識できるか?というと正直微妙かもしれません。

 

もしも戦術の勉強になるようなゲームがありましたら教えてください。よろしくお願いします。