かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

Gang Beastsはゲームの面白さを再発見させてくれる。

 

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Gang Beastsをご存じだろうか?Steamで配信されているゲームなのだが、これが実況者の動画を見てみるとあまりにも面白い。システム的にはスマブラの簡略化版のようなものだ。体力などはなく、むにむにのキャラクターたちがぽこぽこ殴り合い、ひっぱりあったり、なにかものにつかまって必死に抵抗したりするカオスなゲームだ。

 

キャラクタデザインはとてもむにむにしていてかわいい。たぶんぺったん人形のアイディアから来ているのかもしれない。

〔ペッタン人形〕 ペタペタマン(5入)

〔ペッタン人形〕 ペタペタマン(5入)

 

このゲーム、きっと初心者も楽しめるシステムになっている。初心者同士の場合、そもそもうまく操作できないことが笑いにつながる。コミカルなキャラクターが必死になってぺちぺちやってる姿はもどかしい。ステージのギミックが激しい場合はそもそも生き残ることすら難しいので、自滅を笑ったり足を引っ張っていっしょに飛び降りなんて姿もあり、シュールな笑いをさそう。

 

スマブラと比較するとパーセンテージもないし、アイテムも存在しない。格闘ができるとはいえ、なんだか手を前に出して押し出す、ぺちぺちしててホントにダメージが存在するの?というくらいふにゃふにゃだ。このゲームの肝は”掴む”に集約されていることだ。オブジェクトを”掴む”ことで、落ちないようにもがいて耐える、相手の足場をはずすといったアクションにつながる。相手を”掴む”ことで投げ飛ばし、もしくは道連れといったアクションになる。こうなると画面に表示するUIが必要ないのがスゴイ。ただ画面にキャラクターが居て、ただ必死にぺちぺちやるだけのシンプルさだ。

 

スマブラを超えるゲームはそうそう存在しないと思っていた。スマブラのゲームシステムというのは従来の格闘ゲームを超えたアイディアが革命的だった。HPゲージの廃止、落下によるゲームオーバーというマリオのようなゲーム性の組み合わせとパーセンテージによるダメージ蓄積からのふっとびアクションの変化。格闘ゲームの難しいコマンド入力を省いたシンプルさ。どれをとっても一級品だ。こうした優れたアイディアがうまく調和されているからこそビッグタイトルになったに違いない。以来スマブラ風のゲームが出てもそこまでヒットしたような記憶がない。それだけ別なアイディアを導入して調和をとることが難しかったのだろう。だからこそ、スマブラ風の斬新な新しいゲームというのは絶望視していた。

 

ところがGang Beastsを初めて見たときは腹がよじれるほど笑ってしまった。そうか、そうきたかという感じである。まるで低予算の出来の悪いバグ満載のゲームをむしろ強調してきたかのような感じである。Goat Simulatorのバグという要素をまさかの面白さという武器に変えてしまったような感じである。

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ふにゃふにゃのキャラクターにすればモデリングの手間は省けるし、むしろ痛そうに見えないから暴力性が薄れて子供でも楽しめる。そのくせタイトルにGangと入れてむしろ子供っぽい児戯のような乱闘を楽しむ感じがいい。さらにステージギミックの味を大きくすることで運の要素も増やしている。こうなれば強キャラもクソもないだろう。

 

GoatSimulatorをやっている人間にまさかラスボスを倒そうだとかそういう気持ちになることはないだろう。大半の人はGoat Simulatorの挙動や、ヤギって…なんだ?というどうしようもないシュールな事実に笑うことが目的なのだ。そうするとGang Beastsも友人たちといっしょにわいわい楽しくやるのに非常に向いている。勝ち負けにこだわりすぎなくてもいい。というかGangって…え?

 

ただ、ガチでやることもできるのがこのゲームの可能性だ。本気でこのゲームを極めてしまうとあっというまに格闘ゲームに化ける。キャラクターはシュールなのにどこか別なゲームにしか見えない。上記4人のはちゃめちゃに笑っている動画もいいのだが、上級者同士の真剣なバトルはもはやスローでしかわからないぐらいに難しい。

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これもまたスマブラのようにエンジョイしてアイテムを使いまくりたい人や楽しくしたい人と、ガチでやりたい人の棲み分けのようにできる。ここらへんもまたスマブラのような要素を感じてならない。まったく新しい、スマブラよりも手間がかかっていないはずなのに、どこか素晴らしいアイディアを凝縮したようなゲームだ。

疲れたときに見ると本当に笑えるいいゲームだと思う。