かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

ゲームセンターのUFOキャッチャーとメダルゲームの進化について!

 

子供だった頃はゲームセンターというのは不良のたまり場でカツアゲの温床だと思っていた。煙草を吸っている学ランを着たリーゼントサングラスの人々がいるものだと思っていたけれど、現在そんな印象は消え去ったのではなかろうか。ゲームセンターで大流行していた格闘ゲームのブームが去ってしまった結果かもしれない。

現在のゲームセンターの印象といえば、実を言うと老人の方々の憩いのスポットとしてニュースになってしまったくらい平和なものだ。ゲームセンターは若者だけでなく老人もターゲットにして生き残りをかけているのかもしれない。

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現在のゲームセンター内で興味があったのはUFOキャッチャーとメダルゲームだ。それぞれを少しだけ書いてみようと思う。

 

UFOキャッチャーの景品クオリティの圧倒的向上

UFOキャッチャーは景品が年々豪華になっている。アニメのフィギュアなんかは非常に精巧にできていて素晴らしい。ただ、どうみても高額にしか見えないフィギュアだったり時計だったりが置いてあって、法律的にはどうなんだろう?と考えてしまう。調べてみたら風営法的にグレーっぽくやっているらしい。とりあえず一発ではとれないように対策はなされているだろう。原価は800円ほどらしいが、Amazonでの価格をみたり小売店を見てみると1000円くらいはザラにある。

風営法の取得が必要な店舗においては賞品は小売価格800円以内のものに限定
風営法が不要な店舗では賞品に関する制限はない
・賞品の価格はアミューズメント団体が自主規制して制定したものを許可を得ていたが、2001年に風営法として小売価格800円以内と制定
・しかし現状は風営法が適用されるゲーセンでも小売価格800円以上と思われる賞品も多く、法の解釈の抜け道がありそう

 

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ちなみにTwitterのアイコンにもしている「ハイスクールフリート(はいふり)」の岬明乃ちゃんもタイトー限定フィギュアとして出ているのだけれど、Amazonでは通常販売されている他フィギュアよりもダントツにクオリティが高いという評価がされている。

もちろん自分もゲットして飾っているのだけれど、本当にクオリティが高すぎて困る。ありがとう、タイトー。ゲーセンの景品だからと言ってクオリティが低い時代はもう終わったのかもしれない。

艦これのフィギュアの出来も素晴らしいのだけど、人気が高いからかどうみても苦労しそうなので挑戦はしていない。UFOキャッチャーの難しいところは自分がいくらかけてとれるのか、買ったほうが安いかを見極めるところか。自分でやったほうが楽しいし、嬉しさもひとしおなのだけれど。

 

とはいえ入手難易度も飛躍的に上がっていてとっても嫌らしい。見てて本当に愕然としたのがCリングという設定だ。カップルや子供連れのお母さん方が何千円もかけて棒が上下に揺れるだけの姿を見てると、この世の地獄を見ている気分になった。見ててホントつらい。やっても全然とれる気がしなくてツライ。

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パッと見て絶対とれるだろ!と思わせておいて何故かとれないという人類のエグさを凝縮させたような設定だと思う。UFOキャッチャーは魅力的だけれど、うっかりハマると抜け出せなくなる。こういう今までかけてきた費用があるからやめられないという心理を埋没費用効果という…気がする。

ともかくギャンブル性が高くなっていて、転売屋もいたりしてちょっとした地獄と化している自分もチャレンジしてみたけど、もはや初見で立ち向かうのは自殺行為だ。あらかじめ予習して攻略法を見つけないとお金が溶ける。友人達と取れないことをネタにして盛り上がるとか前任者が力尽きた後を狙うなどがよろしいのかもしれない。

 

素敵なおばさまが指先の黒ずんだ手袋をして優雅にメダルゲームしてる姿

メダルゲームコーナーは家族連れが楽しくプレイしていたり、競馬ゲームで男性客が煙草をふかして熱中していたりする。ただびっくりするのが、おばさまが優雅にメダルゲームに熱中している姿を拝見できることだ。手袋をして飲み物も完備しメダルを送る手つきは鮮やか極まりない。投入口が二つあるタイプでは巧みに両手を展開して、ドル箱を正面から保持しつつプレイする姿はさながら女王の風格である。

マナーが悪い客もいて二台掛け持ちをしているのだけど、片方の台の上にはなんと車のキーが置いてあった。それで所有権を主張しているつもりなんだろうか…。ちょっと自分の理解が追い付かない異常な世界を見た気がした。

 

まあともかくゲーム機の進化も目覚ましい。メダルゲームは見たところコナミ製が非常に支配的だと思う。これはミリオネットの影響が強いのではないかと考えている。ミリオネットはコナミアーケードゲームで使われるe-amusement passと呼ばれるカード情報と連携する。この顧客情報とメダルの保存枚数をリンクさせることでゲーム中にわざわざ中座して引き出すことなく、メダル枚数をゲーム画面で管理できるいわばメダルのデジタル化だ。

Venus Fountainというゲームではもはやメダルを実物で出すか、それともデジタルの数値で出力するかを選べてしまう。こうなれば手袋でメダルの汚れから保護する必要もなくなって非常にエコロジーだ。ゲーム機側のメリットも大きい。実メダルの払い出しの枚数が少なくなるので、いちいち店員がメダル補充をする手間が省ける。貨幣経済のちょっとした縮図を見ているような気分になる。

ゲームの演出面もコナミプロジェクションマッピングに力を入れてるらしく、高い技術がふんだんに使われている。コナミはゲームセンターの電子マネーであるパセリを導入したりと、ゲームの内容よりもその周辺のスマートさが際立っているように思う

 

それに対してセガの度肝を抜くメダルゲームは、バベルのメダルタワーだ。

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見た目からわくわくをそそる筐体になっていて、このメダルの山を手に入れたい、崩したいという原初的な気持ちを起こさせてくれる。動画では崩れるシーンが見れて迫力がある。このバベルの塔、下からにょきにょきと生えてくる仕組みでなかなか面白い。しかしネーミングセンスの塊だ。バベルの塔は崩される運命なんだろうか。

 

メダルゲームというのはスロットやパチンコと違って換金ができないけれど、手軽に”なんかいっぱい稼げてる”感が得られるのだと思う。設定はそういったカジノのような遊びと違って、緩めなので誰でも手軽に大当たりをひけるチャンスがある。メダル大量保持は一種の自己満足にすぎない。ただ、メダルがキラキラしていてじゃりじゃりと音を立ててゲットできる瞬間というのは誰しも金銭欲求をちょこっと満たされるような気もする。財宝を手に入れた海賊のような気分だろうか。わりとエコにそういった欲求を満たせるのならば、確かにご年配の方が刺激を求めて集まるのもわかる気がする。

 

おわりに

ゲームセンターは今や100円、200円を費やして良い刺激が得られて時間をつぶせるスポットに変わったのかもしれない。UFOキャッチャーとメダルゲームの面積がアーケードゲームの面積よりも広いことのほうが多いような気がする。

UFOキャッチャーの配置の進化はまるでいたちごっこのようで、転売屋が攻略法を見つけるのを避ける目的のほうが強いのかもしれない。とはいえ一般の人がチャレンジしてもエンターテイメントとしてはとても楽しくできて…いる…かも…うーん…まあイライラしないうちにやめたほうがいいだろう。

景品をゲット出来たら大喜びして、溶けたお金のことはまったく考えないほうが精神的な健康に良いだろうなと思う。ひょっとすると最近の人の課金に対する意識からすればずいぶん安いのかもしれない。

 

メダルゲームはやっている人々の層が変わっていてちょっと高齢化の波が訪れているのかもしれない。とはいえ操作的にはメダルを入れるだけなので誰でも簡単に家族みんなで楽しめるパーティーゲームの様相を成しているのかもしれない。現在はマリオのメダルゲームもあるからこの考えは妥当か。

ともあれ見ないうちにゲームセンターも様変わりしていた。店内も明るいところが増えたし店員さんも親切で順次見回りをしているところも多い。UFOキャッチャーで苦戦していると親切にアドバイスをくれたりお助けしてくれることもある。

今後ゲームセンターがどういう発展をするのか楽しみにしていたい。あと、とーぶんUFOキャッチャーはやらない。絶対。