かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

マストドンの流行を見て思い出したイーロンマスクの言葉。たかがコミュニケーションツールなのだろうか。

 

コミュニケーションツールの価値とは

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最近マストドンの勢いがスゴイ。Pixivが運営しているPawoo.netのアカウント数は既に世界一になってしまった。今もなお大勢が注目している。まだ始まって一週間も経っていないのに。

こんな状況の中思い出したのはイーロンマスクの言葉だったりする。イーロンマスクはテスラモーターズを経営していて、ついに時価総額GMを抜いてアメリカ首位に躍り出た。Amazonのジェフベゾスの過激な言動や行動は話題になっているが、イーロン・マスクのそれは一歩間違えると狂人のレベルに達しているように見えてしまう。Appleのスティーブジョブズの果断で苛烈な判断こそが成功へと導いたと信じられているのか、後からどんどんとその思想の後継者が表れているように思える。より過激に。

かつて莫大な資産をITによって築いたビルゲイツのように、巨額を稼ぎ出すIT企業のトップたちは世界をリードする力を持っているのかもしれない。それを自分に与えられた使命だと感じて、狂ったほどの情熱を燃やして理想に向かっているのがイーロンマスクだ。

 

自意識過剰か、使命に燃える男か

イーロン・マスク 未来を創る男

イーロン・マスク 未来を創る男

 

昔、上記を立ち読みしたのだけれど、よくぞここまで自意識過剰+自信満々にしてるものだと思った。だが素晴らしく高い理想を掲げているからこそ、そういったエネルギーが必要になるんだろう。 まるでノブレスオブリージュがあるかのように、自分が人類の未来に貢献して見せると豪語している。天才か、狂人なのか、はたまた自分を巧みに演出しているのかわからない男だ。その価値はやはり今後を見守ってその功績で測るしかないのだが、時価総額やテスラの成長を見るとこの男の自信を裏付けているのかもしれない。

ともあれ、この男が言ったような気がする名言がある。実はあまり覚えていないのだけれど、挑戦的な言葉だったからたぶん合ってるだろう。だいたいこんな感じだ。

 

「俺は21世紀には車が空を飛んでいるのを想像していた。ところがどうだ、まだ車はガソリンで走っていて電気にさえ変わっちゃいない。それに世間で持て囃されてるのと言ったら、たかが140文字のやりとりをするツールなんだ。だから俺が未来を創らなくちゃいけないって思ったんだ、周りには全然期待できないってわかったからね」

 

ということで空を飛ぶ、宇宙へ旅行するという情熱を持った男だからこそ電気自動車のバッテリー改善やSpaceXといったプロジェクトを主導しているのだろう。ここで揶揄されていたのは間違いなくTwitter。けれども、この140文字のツールが世界を揺るがしたのは紛れもない歴史的な事実だ。

Twitterを利用してISといったテロ組織がプロパガンダに利用し、挙句の果てにISの兵士が自撮りして位置情報をくっつける。それを見た米軍が即座にその地点を爆撃する…。日本だって同じだ。どこかの企業に内定をもらったと喜ぶ人間の過去を漁って未成年飲酒を暴露して取り消し…。一番大きな変革はやはりアラブの春だろう。大規模な反政府デモによる民主化が成し遂げられたのはSNSの力が大きい。このあたりの解説はNHKの真・映像の世紀がとても良い映像にまとめている。たかが140文字、されど140文字だ。

イーロンマスクが成し遂げたことよりも、現在は大きなことを成し遂げたのはTwitterだろう。経済効果も非常に大きいと予測される。メディアの在り方を変えたからだ。NHKでの番組内ではこれを無数のカメラ、視点を得た市民が自由にそれを伝達する力を得たと表現している。もはや偏った放送は違ったカメラ・視点によって容易に指摘されることになった。この力の変化はやはり社会的な影響力が大きい。

 

Twitterが成しえた変革

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Twitterが成し遂げた功績はあまりにも大きいが、現状は厳しいことになっている。とてつもない赤字を垂れ流し、黒字化の目途はたっていない。そして2016年から売却先を探しているが、どこも買い手がつかない。挙句の果てにはユーザが手を挙げ始めてしまった。

こうした動きを見るとマストドンはTwitter社が経営破綻やサービス取りやめになった場合、もしくは買収した企業による悪質な統治を避ける意味でも作られたのだと思う。それはユーザ自身が手を挙げて自由なSNS、コミュニケーションを守ろうとする動きだ。Twitterが変化させた我々のコミュニケーションを守ろうとする動きなのかもしれない。

イーロンマスクはたかが140文字のコミュニケーションが未来となった今現在において流行っていることを失望していたが、ユーザたちはそう思ってはいないということだ。今もなおTwitterが達成した自由なコミュニケーション手段を守ろうと活発に動いている。これからもなお注目され、活用され続けるだろう。