かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

続編が欲しくてたまらない神ゲー、太閤立志伝について…。クラウドファンディングやらないかなあ。

 

歴史系シミュレーションゲームの隠れた名作

コーエーテクモ the Best 太閤立志伝V

コーエーテクモ the Best 太閤立志伝V

 

 歴史シミュレーションゲームの金字塔と言ったら信長の野望シリーズを挙げる人は多いと思う。信長の野望は一体何作あるのか数えきれないし、with パワーアップキットやらで荒稼ぎしているイメージがある。だが、信長の野望シリーズは敷居が高い…。こまごまとした戦略を練るのが嫌な人もいるだろう。シムシティシヴィライゼーションといったゲームの細々とした指示出しをめんどくさがる人も多いはずだ。

こういった箱庭系のゲームをもっとライトにしたイメージが三国無双Empiresシリーズだろう。Empiresもいいのだが、ちょっと単調だったり、結局無双するのが楽しいゲームである。ある程度プレイヤーが強くなってしまえばどんな無茶でも通ってしまう。簡単なのはいいのだけれど、もう少し箱庭性を楽しみたい…。

信長の野望よりは難しくなく、それでいて手軽に箱庭系ゲームを楽しめる…そういった神ゲーがあるのをご存じだろうか…。そう、太閤立志伝Vである…。

 

太閤立志伝のいいところは、難しくないってこと

太閤立志伝の良さが一番伝わる文章はおそらくアンサイクロペディアの記事に違いない。概要の最初の部分を引用してみる。

このゲームが発売された2004年には既に多くのネトゲが出回っており、隆盛を極めていた。コーエーでも信長の野望Onlineなどが発売されている(信長の野望Internetのことは忘れてあげてください)。しかし「ネトゲは怖い」「手を出すと取り返しのつかないほどネトゲ廃人になる」「汚いなさすが忍者きたない」とネトゲの持つ魅力の恐ろしさも知られつつあり、また新規に参入しようにも廃人が徹夜でレベルアップとレアドロップに励んでいる世界にはなかなか参入できず、素人や怖がりの廃人候補生にはなかなか手を出し難いものであった。またネトゲ上での人間関係に悩む廃人も増え、気楽に出来るネトゲ風のゲームが望まれつつあった。

一方、コーエーリコエイションゲームシリーズとして戦国時代をダラダラすごす太閤立志伝シリーズ大航海時代をダラダラ過ごす大航海時代シリーズをリリースしていた。そして豊臣秀吉や有名無名その他戦国武将で遊べる太閤立志伝において誰でも一人で気楽に遊べるネトゲ風のゲーム、すなわち世間に望まれている「一人ネトゲ」とすべく改良を施し、発売に至ったのである。

ということで、オンラインゲームを引き合いに出して戦国時代をだらだら過ごす気軽なゲームという紹介をしているのが実に素晴らしい。実際その通りだからだ。オンラインゲームはトップの人たちが尋常ではないほどの時間をかけてプレイしていて上位の人たちにはとても追いつけないし、みんなレベルアップやよいアイテム回収に殺伐としていたりする。

それと比較して太閤立志伝の特徴は以下のように書かれている。

プレイヤーは工夫次第で簡単に劣勢を覆し「俺Tueeeeeee!」する事が可能である。またプレイヤー武将はかなりの範囲で主人公キャラを強化する事が可能なので一条兼定のようなクズ武将でも時間をかければ超A級の人物に育て上げられる事がこの傾向に拍車をかけている。つまり総じて難易度は低い。

このぬるぬる具合が太閤立志伝ファンや新規ユーザーのみならず、ネトゲで身も心もズタボロになったネトゲ廃人や同じコーエー信長の野望・革新で肥大化上杉武田にレイプされた歴史ゲームファンのをガッチリつかみ、その奔放なまでの自由さをもつこのゲームの虜にしていったのである。

一人で気軽にちびちびやってても自然と強くなっていくキャラクター。どんなへっぽこ武将でも自分が気に入れば一騎当千の武将でさえあっというまにボコボコにしてしまえる簡単な難易度。敵武将たちはあまりやる気がなかったり、ちょっとおしおきすればすぐに降伏してくれる圧倒的な低ストレス性。そして時間の流れもゆっくりで本当にだらだら過ごせる中毒性。新武将を作って自分でカスタマイズしてのんびり過ごすことも可能な親切さ。本当に”戦国時代をだらだら過ごしたい人に最適”なゲームなのだ。

 

だらだらお気楽ぐうたらプレイ

このゲーム本当に中毒性が高く、戦略性が高いゲームなどをやった後の癒しに最適だ。例えば歴史にいっさい関わらず道場を作って各地に自分のオリジナル新流派を布教したり、道場破りしたり。はたまた忍者の里に弟子入りして飽きて出奔して忍者に追われ続ける立場になっちゃったり。気が付くと鍛冶師になってひたすら+20の武器を目指して作り続けていたらいつのまにか天皇に献上してゲームクリア…なんてことも。とにかくその時思いつくままに最強・無双になって気が付くとゲームクリアして、さあ二週目という具合である。

ちなみにこのゲームに歴史的イベントを過剰に期待してはいけない。武将たちが基本的にやる気がないので放っておくと織田家は滅亡しちゃうし、木下藤吉郎はずっと浪人だったりする。本能寺の変を逆に起こすほうがよほど至難の業だし、とにかく歴史イベントを起こすのはプレイヤーのひたすらの努力が必要なのだからちょっと笑えてくる。基本的にこのゲーム、設定と難易度がぬるすぎるのだ。だが、それがいい

このへんの掛け合いもアンサイクロペディアの冒頭に書かれていて、ほんとアンサイクロペディアらしからぬ優秀さだ。

「なんで岡山城に本拠地移転するんですか!?本能寺起きないじゃないですか!」
〜 信長の安土城移転 について、羽柴秀吉
「起こされてたまるか!」
〜 本能寺イベント について、織田信長

攻略サイトのトリビアがいちいちおもしろすぎる

ここからはちょっと本題とは離れてしまうのかもしれないけれど、攻略サイトの用語集がいちいちおもしろいので紹介したい。どれも実際に試してみたくなるものや、あるあると笑えるものだ。

例えば字面がおもしろすぎるものとして「茶室監禁」がある。

○茶室監禁

 自室に茶室を作って他の武将を誘うと、誘いに応じた武将は主人公の茶室に向かうため
 主人公が茶室に入り、茶会を行うまでずっとその武将の自宅は不在状態になる。
 ちなみに主人公が茶会のことを忘れて数年立っていたとしても、
 その武将はずっと茶室で待っているため、延々と不在状態が続く。
 これは一部で茶室拉致だとか茶室監禁などと呼ばれ、
 ベテランユーザー間ではこれを利用したテクニックなども編み出している模様。
 例えば、史実嫁がいる武将を茶室監禁した状態でその武将の自宅に行くと
 普段は顔を出さない史実嫁が応対してくれるのを狙った間男プレイとか・・・。

またこのゲームは妙な仕様だったりするのか、それともリアル性を追求したのかわからないものもある。魅力的な点の一つとしてお嫁さんとの関係がある。お嫁さんをとると自宅で実行できるコマンドが増え、お話をしたりすることができるのだ。

このお話コマンドは非常に凝っていて季節の話をしてくれたり親密度があって、仲がいいとマッサージしてくれたり料理を作って体力回復をさせてくれたりもする。逆に恐ろしいところは家に帰って何も話さずに寝ている日々を続けると急激に関係が冷えてしまい、たまたま話しかけてみるとめちゃくちゃ冷たかったり、しまいには毒入り飯をくらう始末である。そうした嫁システムの闇の一端がそこらじゅうにあるのも不思議な魅力だ。

○プレゼントしたはずなのに

 嫁にプレゼントしたはずのものがなぜか行商人の下に流れたり、
 財宝発掘の対象となって地面に埋まっていることがある。
 行商人に流れるのはまだしも、なぜ嫁にプレゼントしたものが
 遠地の地面に埋まっているのかは永遠の謎。

 

おわりに

もう一度やりたいなと思えるゲームや、すごい愛着があるゲームというのは、とても細かいところまで作りこんでいる。またそこら中ににやりとさせるものがあると思い出に残りやすいのではないか。太閤立志伝はそんな思い出にあふれている。きっとまだまだ見たことのない場面やメッセージがたくさんあるはずだ。だから何回やっても期待とワクワクが減らない。

ただ、本当に悲しいのは開発チームが事実上の解散になってしまい続編が絶望的なことだ。ああ、こんなにいいゲームなのに。もし続編がでたら絶対に買うのになあと思っても作ってくれる人がいなければ…。

www.gamespark.jp

そうした中でクラウドファンディングで続編が制作された例がある。有名な悪魔城ドラキュラシリーズだ。このようにもしかしたらあのゲームの続編が欲しい!という人々が集まって出資すれば作ってもらえる…のかもしれない。

太閤立志伝VIが出るならば、一万円くらいは出してもいい。それくらいどーしても買いたいのに買えなくて悲しい思いをしているファンもいる。どうしてもほかのものでは満足できない難民のようなものだ。以前書いた首都高バトルもそうだ。湾岸ミッドナイトじゃ満足できないのだ。だから今後もっとクラウドファンディングによる続編制作決定が一般化すればいいのにな、と思う。