かやのみ日記帳

読書の感想や思想を毎日書いています!

廃墟の良さと百年の愚行。廃墟ゲーをもっとやりたいな。

 

廃墟は人の気配がなくなってゆくからいい

廃墟が好きだ。完膚なきまでに人気がない姿が好きだ。そこにいた人々に思いを馳せるのが好きだ。人工物が自然に侵食されてゆく光景が好きだ。自分のデスクトップの背景はいつも廃墟の写真である。それくらい好きだ。

 

どうして廃墟が好きなのかといえば、人間がいないということに尽きる。人という動物の無力さを思い出させてくれる。この地球上で人工物がとんでもなく多く作られているけれども、いつか人類が滅んだ時ちゃんと自然へと戻るのかが少し心配なのだ。

 

そんなときアニメやゲームなどで人類が滅んだあと、無邪気に動物たちが生活していたりするとなごむのだ。人類の罪というのは大げさなのかもしれないけど、人類がもしも終焉を迎えたなら文化もきれいに幕を引けるといいなと思う。

 

最近プレイしたHorizon Zero Dawnは思ったよりも廃墟ゲーとしての側面を持っていた。舞台は自然豊かで、雪山や砂漠のようになっているところもあれば、近未来の工場も出てくる。それでも人類の栄枯盛衰がテーマの作品だから、ちらちらと廃墟が見える。かつての文化の残骸がそこらじゅうにあるから、どことなく退廃的な雰囲気がでていて久々に自分の廃墟ゲー欲が満たされた。おまけに写真モードも充実していたので、とてもいい思い出ができた。

 

百年の愚行から受けた衝撃

百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY [普及版]

百年の愚行 ONE HUNDRED YEARS OF IDIOCY [普及版]

 

どうしてここまで廃墟や文明の終わりに思いを馳せているのかといえば、百年の愚行という本が自分にとって衝撃だったからかもしれない。百年の愚行という本は、写真集といってもいい。人類史の中で衝撃的だった出来事の写真を集めた本だ。この本は…人類に見たくはない現実をまざまざと見せつけてくる。自分たちの文化の裏側にあった、今までに犯してしまった100年間の愚かな過ちたちを、一枚一枚の素晴らしく、美しく切り取られた残酷な写真で表現している。それは一瞬目にするだけで、心の中にぐさりと突き刺さる強烈なメッセージを含んでいた。

 

もちろん人の死体や飢餓にあえぐ子供の姿もある。そうした写真はとても目にするのがつらいが、それだけではない。中にはビンラディン殺害を見守るアメリカ軍の司令部の写真もある。そこには狭い部屋で緊迫した面持ちの煌びやかな軍服を着た人々がモニターを、人の死を見守る姿が切り取られている。こうした戦争やテロに対する憎しみの連鎖は現在も続いている。今日もどこかでモニター越しに真剣に人の死を見守る人々がどこかにいるのかもしれない。

 

人類は森林を焼いたりごみを捨てたり、人工物をどんどん作り出し生態系を破壊することだってある。誰もが環境について真剣に考えて守らなければならないと分かっているはずなのに、現在の便利さを捨てられず結局なるべく見ないように過ごしている。もしくは問題を未来に棚上げして現在を享受している。そう思うと、今現在栄えている文明への後ろめたさを少し感じてしまうのだ。

 

そうした想いを持っていると、廃墟を見たとき少し心が安らぐ。もし人類が愚かに戦争などや破滅的な疫病などに対処できなくて滅んだ時、残ったいびつな人工物たちはきちんと自然へと還れるだろうか。人類が歪めてしまった自然環境は元に戻るのだろうか。そうした気持ちに、たった数十年ほどだろうと思うが廃墟となった空間を見てみると自然が人工物をゆっくりと取り込もうと活動しているのが見て取れる。コンクリートのひび割れに植物が入り込み、動物たちが新しく巣を作ったりする。

 

きっと長い時間がかかってしまうのだと思うけれど、それでも自然へと堅牢に創られた人工物でも壊れて消えてなくなるんだということを信じていたいのだ。だって永遠に残る人類の罪の証なんてあったらおちおち死んでられない。人類が絶滅した時、そこに人類が犯してしまった傷跡がなければ少しだけ許された気持ちになるはずだ。

 

おわりに

諸行無常、栄枯必衰。それでもいいと思う。永遠に続くことというのは永遠に残ってしまうのと同じではないか。素晴らしい功績や繁栄の裏側に愚かな罪があるのかもしれない。人類が成し遂げたこと、そして犯してしまったことも丸ごと全て終わるときはきれいに清算されればいいのになと思う。これはきっと楽観的な見方なんだろう。

葉っぱのフレディについて小学校で読んだけれど、今も葉っぱのフレディの生き方に憧れているのかもしれない。葉っぱは地面に落ちて、ゆっくり土に融けてまた木の栄養となって役に立つ。葉っぱは必死に抗うこともなく、何も残さず自然に還っていく。そんな風に人類もなれるといいね、なんて思ったりする。