かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

HSP(Highly Sensitive Person)・敏感すぎる人 の注意点。内向的人間の時代との比較。

 

自分探しの際に見つけたが…

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最近HSP、敏感すぎる人という言葉がはてなブックマークで注目されていた。自分も昔、いったい自分がどういう性格なのか?どうしてこんなに生きづらいのか?どうやって生きていったらいいのか?自分の人生を助けてほしいという気持ちで、いろんな本を買いあさったことがある。

 

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫)

 

そんな時にふと目についたのは「ささいなことにもすぐに『動揺』してしまうあなたへ」という本だった。内向的な人、人見知りな人、傷つきやすい人に向けた本だということは帯にも書いてあった。たまたま見つけたのだけれど、この本の英語名はThe Highly Sensitive Person。そのままHSPということで、おそらく本家ということだろう。だいたい400ページもある文庫本だから確かに信頼できることが書いてありそうだと思ったので購入したのだった。

 

この本を読む前に自分はスーザンケインの内向的人間の時代を読んでいたのだけれど、より具体的な人生への対処法が知りたいと思っていた。もっと詳しく自分の体の反応について知りたい、同じように苦労している人たちはどのようにして対処しているのだろうか?そういったことを期待していた。

 

内向的人間の時代との比較

kayanomi.hatenablog.com

いくらか期待できる記述内容もあったけれど、基本的には「内向的人間の時代」で自分にとっては十分だったかなと思う。自分の体の成り立ちというか、判別方法なんかは内向的人間の時代のほうが詳しいように思う。内向的人間の時代がある程度、学術的に内向的人間の身体的反応について書かれているならば、このHSPについての本はカウンセラーやセラピスト、医者や就職支援員みたいな人種がどのような患者と接して症状を改善していったか、もしくは読者に対してこのような生活をオススメするといった健康本のような役割のように思える。

 

ところでHSPの本がアメリカチックだなーと思ったのは第9章の魂とスピリットである。要は宗教とか心のよりどころについてだ。日本人は怪しい宗教とか新興宗教を毛嫌いしていて、こういった話を見ると拒絶反応が出る。自分もその通りでこの本に対していくらかうさん臭さを感じてしまったのだけれど、よくよく読み通してみると案外そこまで悪いことは書いていない。むしろアメリカン精神としてはやはり宗教を心のよりどころにすることは非常に正しいことなのだとちょっと面白く読める。

 

思うにこの本はいくらかアドバイスや症例、人生訓みたいなのが含まれているけれど一番は自分だけじゃないということ、400ページ読むことで安心することが大きいと思う。自分自身の悲しい気持ちに対して400ページほど励ましてもらえるというのは実はとってもいいことのように思える。苦しんでつらい気持ちの時には自分の人生にポジティブな意味合いを持たせてくれる本をじっくり読むと心が穏やかになれるはずだ。

 

お値段は780円と文庫本としてはまあ普通くらいのお値段だ。400ページあるのでゆっくりと毎日読んで心の励みにするといいと思う。ただ医療現場などではおそらく認知されていなかったりポピュラーでもなく、まして普通の人々は存在すら知らないはずなので相談してもしょうがないところがある。基本的に本の意見を飲み込んで、自分自身がその考えに従って、自分の心を支えるしかない。ある程度気休めと割り切って読むことが必要かもしれない。

 

おわりに

この本の中で自分が少し気落ちした部分は…「第八章 傷ついた心を癒す」だ。自分の身体や精神を受け入れるには著者の考えを受け入れるだけじゃ足りないのだ。過去に親から否定されたり、理解されなかった悲しみや周囲の人の無理解、教師からの罵声などを思い出して、そのうえで自分自身の傷を受け入れるプロセスが必要だと説いている。

 

今の自分自身の苦しさや悲しさから逃れるために、本を読み漁っていることがばれてしまっているようだった。一番つらい部分から目をそらしたがるが、結局そこに目を向けなければどうしても解決できないのだと説いている。それはその通りなんだろう。

 

この本を手に取って読もうとした理由は何だろうか?現在の自分が嫌だったのか。だが本質的に変化したいのなら過去をきちんと受け入れなければならない。

 

つまりこの本はスタートラインなのだ。ここからしっかりと自分の人生に向かい合わねばならない。この本で救われようとしてはいけない。むしろこの本をきっかけとして自分自身で解決しようと一歩踏み出さなければいけないのだ。過酷なことかもしれないが、いったんこの本で気休めとして元気を受け取った後は自分の人生の問題に向かい合う覚悟が必要なのだと思う。

 

…と書いている自分でもあまり上手くできていない。時々悲しくなるし、失敗した時に自分自身をとことん責めてしまうことが多い。まだまだ自分の過去について整理できてない証拠だ。それでも機会があるたび振り返って、少しずつ自分の心の整理を進めている。今日のこの記事もそうだ。この記事をきっかけに少しまた目を背けていた自分の問題に向き合おうと思う。