かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

子どもの頃、同じことを繰り返しても飽きなかったのはなぜだろう

 

繰り返しても飽きない子供

子どもの頃は同じ漫画やゲーム、アニメを繰り返し、繰り返し見てもまったく飽きることがなかった。漫画本の場合では数十巻ものを何度も何度も一巻から読み返した。もちろん好きだったという理由もあるけれども、なんとなく読んでいると落ち着く気持ちになれること、その世界にずっと浸っているような気持ちになれること、自分の記憶が確かであることに安心することが目的だったのかもしれない。あとは暗記の訓練になっていたのかも。

 

とはいえ親から心配される子供だった。まったく同じ漫画本を一年以上ずっと何度も繰り返し読んでいる姿を見て「この子は我が家の経済事情に配慮してるのでは?」と思ったらしい。だが自分としてはまったくそういうことはなかった。本当に繰り返すのが好きだっただけだ。新しいものに果敢に挑戦するほどの意欲がなかったというのもあるが、何度も読み返してもほんの少し新しい発見があったのも大きい。

 

数十巻続く漫画の場合初期の画風からどんどんと変わっていく作品が多い。最初期の頃はとても下手でも最終巻ではとんでもないほど緻密に描かれた作品もある。だから画風の変遷をじっくりじっくり味わうという楽しみ方もあった。また背景をよーく見てみてどれぐらい書き込まれているのか、背景にはどんなものが映っているのかをじっくり見ることもあった。

 

漫画をじっくりと毎日繰り返し見ていると、自分の中に漫画の世界が息づいている気がした。というか実際に学校に行っている際にも頭の中ですぐに漫画の世界に逃避できた。あの漫画はこのようなストーリーで進んだけれど、もしあの場面でこうだったら…そんなことを考えていたりして、どっぷりと空想の世界に入れ込んでしまっていた。

 

だから自分ひとりで閉じこもることが楽しいと思えたのは漫画のおかげかもしれないし、もともとそういった素質があったように思う。でなければ誰でもずっと同じ漫画を一年間以上読み続けるということはないと思う。

conobie.jp

けれども、思い返してみると小学校なんかはわりと”繰り返し好き”の子どもが多かった気がする。

子どもは繰り返しが好きな生物

子どもは“繰り返し”が大好きな生き物です。

赤ちゃんに「いない、いない、ばあ」をして1回で飽きてしまうことはありません。何度も何度も喜びます。次にどんな顔が出てくるかわかっていて笑う準備までしています。

伝い歩きをする0歳児、転んでも転んでも何度も果敢に挑戦します。「もう転ぶから嫌になった。立つ練習はもう止めよう」となってしまう赤ちゃんはいませんね。

こうやって様々なことを習得していくのです。もし、この本能にも近い習性である“繰り返し好き”でなければ子どもは成長することができないのではないでしょうか。

 ということで子供はもともと同じことを繰り返すのが好きなのかもしれない。それに意味のないあん肝わりと好きな子がいると思う。例えば地図帳に載っている国旗全てを暗記している子供もいた。全てだったかは確かめようがないのだけれども、ずっと地図を見るのが好きな子だった。他にも電車の時刻表をずっと見るのが好きだったり。何か取りつかれたように一つの物事に熱中して覚えて、繰り返し繰り返しやっても飽きないという子供は案外多いと思う。

 

しかしいつのまにか中学校、高校になるにつれて自然と消滅していった。なんでだろう?と思っていたのだけれど上記のサイトの説明がちょっと納得させてくれた。

大人は繰り返しが嫌いな生物

これに対して大人は真逆です。

“試験問題に出るから”“調べものをするために必要に迫られて”などよほどの理由がない限り、一度読んだ本を何度も読み返すことはまずありません。私も本はよく読みますが繰り返し読む本は皆無です。本棚にしまってそのまんま再び開かれることはまずありません。

大人になるにつれて、何かをずっと繰り返す能力というのは徐々に失われていくのかもしれないな…と思った。そうして齢を重ねるにつれ、繰り返しどころか新しいことへのチャレンジ精神も失っていくのかもしれない。

 

おわりに

昔のゲームや漫画、アニメを懐かしむ気持ちは強くあるのだけれども、忙しいとかやる気がないとかで先送りしてしまっている。けれどもいざやってみると次第に飽き始めてしまったりする。体力がないのか…と思っていたけれども、子供の頃の繰り返し好きの心が失われてしまった結果なのかもな…と感じた。

それに子供が何かを繰り返すのが好きというのは、練習が好きになればなるほど生き残れる確率とか成長へのきっかけにつながるからというのは納得できる。子供の特権なのかもしれない。もちろん大人にもできることはできるけど、子供はもっとパワフルに元気よく好奇心いっぱいで繰り返す。そのピュアさをずっと持っててほしいものだ。