フリーゲームの楽しさ
先日666laboratoryをやってフリーゲームって面白いなあとしみじみ実感した。自分にとってフリーゲームはお金の出費が厳しいとき、なんとなく欲しいゲームがないときにやる感じだ。とはいえ良いフリーゲームに出会ってしまうと二、三週間くらいは余裕で潰れてしまうこともある。中には寝ずにプレイしてしまうことすらある…。
フリーゲームの魅力はやはりその創造性、ゲームの本質をくすぐるところなのかもしれない。良いゲームというのはプレイヤーが本質的に喜ぶところを的確にくすぐってくれるものだ。それはゲームの長さにはまったく関連しないと思う。
近年ストーリが短いとか長いとか、ダンジョンだけやたら複雑とか単調とか…。けれどたとえ15分で終わるゲームでも何十回とやりこみたくなるゲームだってある。そんな純粋なゲームの楽しさを荒削りのまま楽しめるような、新鮮さがあるところがフリーゲームの良さなのかなと自分では思っている。
そこでなんとなく思い出した、以前なんともいえない魅力でずっとやり続けてしまった不思議な魅力のフリーゲームを紹介したい…。ええ、黒髪ロングJKサバイバルシミュレーションゲーム(β)です。名前でドン引かないでほしい。このゲーム、あんまり黒髪ロングJK要素が…ない。あるのかもしれないが…いやわからない。うん。
名前からなんともいえなさがただよう何故かハマるゲーム
もう名前からぶっ飛んでいる気がするのは自分だけだろうか。まず…うん。黒髪ロングJKってそれ、タイトルにいるかなあ。いるんだろうな、アイデンティティだもんね、主人公だもんね…。でもそれ属性みたいなものでは…。いいのか。そして(β)、ベータ版ですか…いや、いいんですけど…。それ外すタイミングわりと逃しちゃいますよね…。
ともかくやけに面白い。というのもその黒髪ロングJKがやたらアグレッシブ&肉体派なのが妙にシュールで笑えるのだ。それはゲームシステム上、当然なんだけどそれがシュールさを引き立ててこのゲームをより面白くさせている。
どういうことかというと、終盤になるとこの黒髪ロングJK、素手で熊だろうとなんだろうと一撃で屠っていくのだ。強すぎる。まあ経験値によってレベルアップするのでシステム的に正しいんだけど、タイトルの黒髪ロングJKがみょ~に頭から離れないのだ。だんだんと自分たちがやっているゲームがよくわからなくなっていくシュールさがいい。
このPixivのファンアートが実に…実に素晴らしくゲーム性を描けている。投稿者のコメントもいやー実にいい。
勢いだけで描いてみた黒髪ロングJKサバイバルシミュレーションゲームの説明。
説明は間違ってはいないけど間違っているような気がする・・・。
自分もこの記事を書いてて、うーん間違ってるような、このゲームってホントなんなんだろうかというシュールさを思い出してちょっと笑いながら書いている。
ある意味これはプレイヤーが描いているゲームの範疇をゲームシステムが逸脱していくのだ。プレイヤーがいやー熊って強いよね、武器とか作らなきゃ…と思っていたらいつの間にか黒髪ロングJK、素手で倒してるやん…?と言う風になる。えっ…そういうゲームでしたっけ?みたいな。自分の中の常識をわりと揺さぶられるような、というかあーそういう逸脱具合、ゲームシステムとして許容されちゃうんだーみたいな。
ちなみにやっていないけれどAndroid/iOSで黒髪ロングJKサバイバルシミュレーション セカンドシーズンがDLできるらしい…。しかも軒並み高評価。さすがですね…(?)
ホントにこの黒髪ロングJK、タイトルとかちょっとした場面とかエンディングくらいでしか画像がなく、それでハマる人いるのか…?と思うけれど、なんだか妙に軽快に進む戦闘と材料集めと探索に夢中になってしまう。中毒性が高いところがきっと高評価なのだろう。
画面がこんな感じ。で、一つ一つがコマンドになっていて、ボタンをかちかちやるとノートの切れ端の部分に「きいちごを手に入れた!」とかテキストが流れるだけ。あとはHPと水分量と睡眠度などを見てぽちぽちするだけ。ホントにそれだけ。一昔前なシステムである。
戦闘もあっけなく「熊が現れた!」「えいっ」「500ダメージを与えた!」みたいな感じ。いや…熊…えいっで殺せるんかい…。みたいなシュールさ。でも軽快にボタンポチポチするだけで済むのでだんだんやってると感覚が非常にマヒしてきて、それがまた面白いシュールさにつながってて参ってしまう。
これはもうタイトルでもうだいぶ得しているというか…。まあ単純に面白い。ホントに。Goat Simulatorのような「誰が何と言おうとヤギのゲーム」と同じように「誰が何と言おうと黒髪ロングJKのゲーム」なんだろうな。うん。間違いなくサバイバルする黒髪ロングJKのゲームです。そして面白い。そういう…ゲームです。うん、間違ってない。
おわりに
ということで思い出深い(?)フリーゲームの感想を書きました。自分の攻略した方法ではネタバレになってしまうのだけれど、この黒髪ロングJKはわりと楽しかったといってわざわざ脱出したのにもう一回無人島に行くのだ。それでいいのか。というか腕力値がヤバいことになっているのでメガマッチョ…。でもエンディングのCGでは細腕なので…いやー凄腕の暗殺者か何かか。という感じでやっぱり最後まで楽しかった。
このゲームの良さというのは無駄を省いているところとレスポンスがいいところだと思う。もしもっと遅延があったならだれもがストレスを感じて面倒になっていたはず。だが、テキストベースで処理することで非常に高速でしかもすぐに結果がわかって楽しい。ガンガンレベルも上がるし、いろいろ物を作ったり探索する楽しさもある。
だから必要なゲームのシステム、レベリングの楽しさ、アイテム収集…そういったものをかなり低コストに作りながらも受け手を非常に満足させているのは稀有なんじゃないかと思う。その処理部分を低コストしたことで受け手のストレスも減らせているし、他の部分に開発の手を回すこともできているはずだ。例えば料理メニューを増やしたり、制作物を増やしたり。受け手もゲームを楽しめているからそれでいい。
面白いのはたぶん、黒髪ロングJKだからやったのに!と文句を言う人はそれほどでないだろうなあということ。なんだか釣られているような気もするんだけど。ゲームを始めるきっかけは黒髪ロングJKというワードに惹かれてかもしれないが、やり始めるとゲームシステムに熱中する作りというのは素晴らしいと思う。
ある意味かわいい女の子のゲームと思いきや実は中身がバリバリ硬派でクリアするのが難しすぎるゲームなんていうのは妙に燃えてくるモノ。例として挙げるのが正しいのかいまいちわからないけどCaveの作品、虫姫さまとか怒首領蜂のパッケージに惹かれて買ったとか…。いや、そんな人はいないに違いない…?
ともかくいいゲームとはそのゲームの本質にのめりこんでしまうものだと思う。そのゲームが受け手に対してどのような感覚を与えるのか。そういった身体感覚というか、人間という精神の報酬系にうまく働きかけるようなモノ、人間の根源的な欲求をくすぐってくるようなゲームこそいいゲームだなと思う。