かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

無子高齢化という単語の衝撃。

 

無子高齢化という衝撃的単語

gendai.ismedia.jp

たまたまはてなブックマークを見ているととんでもない単語を見かけた。「無子高齢化」である。これほど強烈な単語が生まれるまでになっていたのか。だが実態はもっともっと悪い。言うならば「無子・超高齢」である。

 

本文にはおそろしい事実がこれでもかと積み上げられている。もうすでに2017年で日本人の4人に1人は高齢者なのだ。これでも少ないと言えるだろうか。だが、2020年には日本人女性の半数が50歳以上になるという。そして結婚して生まれる子供は一人だとすると…両親から一人の子どもが生まれるわけである。しかも全員が結婚できるわけではない。

 

明らかに人口は減り続ける。しかも例えベビーブームが来ようが断じて人口は減り続けるという。それはすでに女性の数が減っているからだ。だから出生率が2や3になろうが結局のところ日本の人口はこれまで以上に20年~30年は減り続けるのだ。どれだけ絶望的だろう?

 

高齢者の高齢化

さらに絶望を叩きつけてもらえるのが高齢者の高齢化という恐ろしいワードである。50、60代の高齢者がさらに70、80代まで高齢化する。この高齢者内での超高齢な割合が増えるというのだ。これによって医療費や認知症患者の増加による社会混乱が目に見えて増えるという…。

 

こうした高齢者の中の超高齢者を介護する人口も減る。で、子供の数も減る。結婚している人も減る。無縁仏は大量にできるし、いったいだれが医療費を負担できるのだろうか。もちろん病院の空きもないし更に言えば火葬場もないという。とんでもない社会だ。

 

これを著者は皮肉気に「死んでも死にきれない社会」という。…死んだところで引き取り手もいないし、埋葬する場所もない。更に地方自治体の税収も減るのでそういったサービスをしようもないし、職員も…。

 

つまりはどうしようもないほどの日本全体の絶対的な人口減を説いている。どこかから集めようとか移民でどうにかしようという話でもなんでもなく「日本人」という種族絶滅の危機、国家存続の危機である。まさしく非常事態宣言まったなしとWebでは書かれていたけど、ホントに誇大な表現でもなんでもない…。…本当に絶望的である。

 

解決策がない

これ以上絶望させないでくれといいたいのだが、なにより悲しいのは解決策なんてまったくないことである。なぜなら今後必ず起きてしまうことを書いているだけだからだ。これから先数十年に起こることは既に過去の施策により決定づけられているからだ。人口は動かない。ただ自然と時を経て問題は顕在化していくだけである…。

 

Amazonなんかのレビューだとかにはちゃんとした解決策になってない、理想論の解決策でしかない…。そんな風に書かれているが、あえていうならそれぐらい絶望的だということだろう。どうしようもないと匙を投げてしまっているのかもしれない。著者は冒頭で述べているけど、もう日本は縮小することが決まっているのだからそれに見合った対策をするしかない。

 

もはや日本は撤退戦に入らなければならないのかもしれない。いや、もう…。ともかくひたすらに絶望させてくれる本であった。自分がいかに甘っちょろく人生計画を立てていたかを思い知らされた。自分の人生の収入だとか夢だとかそういう前に国家が沈みそうである。自分のこれから先、人生を生きていく基盤となる環境が崩壊する。それをまざまざと指摘された。

 

おわりに

kayanomi.hatenablog.com

以前にメダルコーナーやゲームセンターに高齢者が増えたなんて書いたけれど笑えない事態だったようだ。そもそも4人に1人が高齢者なのだから…。目に入る4人に1人が高齢者な世界なのである、日本は。そのことをまったく認識していなかった。

 

過分に心配して生きるのも非常に疲れるし、これが全部正しいというわけでもなく希望の芽もちゃんとあるかもしれない。とはいえ自分の人生の見通しが甘かったことは素直に反省しなければ…という気持ちだ。これから先自分がどのように生きるのか、生計を立てるのか。そこには国全体の経済状況や自分を取り巻く広い意味での環境なども入れ込んでおかないといけなかった。

 

暗い話ではあるけれど、それでも自分自身の今後を考えるうえでもう少し真剣にならないとなあと思えるような本に巡り合えたのは幸いだったと思う。