かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

プロという言葉の意味を少し考えてみた


プロってなんだろう 

最近プロってなんだろうかということを考えていた。プロという言葉は身近にあふれていて、平たく言えば専門家であるということだろう。もっとあいまいな言葉の意味でとらえるならばプロ=プロ意識=”なんかすごい”みたいな感じだろうか。プロとプロフェッショナルの意味は少し違うように思ったりする。そこらへんは日本語独自の意味を備えているように思う。

 

プロ意識とはなんだろうか。お偉い人がプロ意識を持て、なんていうとあまりいい意味には思えなくなる。いわゆる経営者目線で~みたいな意味であって要はもっと努力してほしいという曖昧な要求に他ならない。それをプロ意識という便利な言葉で誤魔化しているように思う。プロ意識とは持てと言われて持つものではないのだろうか。

 

だんだんプロという言葉がゲシュタルト崩壊しかけてきたのでいったんプロという言葉はお休みにしておいて、じゃあ専門家意識、専門家のプライドみたいなものってなんだろうと考える。専門家であることって何がいいのだろうか。どういったメリットがあるんだろうか。

 

思うに専門家であるということは信用だとかそういったものを一定くらい与えてくれるものなのだろう。それが他人から見たあの人は”プロ”みたいな扱いなのだろう。もちろん職業としての専門家だとかスポーツをやってる人を指すこともある。ここらでWikipediaを調べてみたら面白いことが書いてあった。

プロフェッショナル (:Professional)、略して「プロ」は、本来の意味は「職業上の」で、その分野で生計を立てていることを言い、「公言する、標榜する」が語源である。対義語はアマチュア (英:Amateur)。類義語にエキスパート (熟練していること 英:Expert、対義語は 英:Inexpert )、スペシャリスト(特化していること 英:Specialist、対義語は 英:Generalist )がある。

しかし、日本語としての「プロ」という言葉には、派生として以下の意味が含まれる。

  1. 「認定プロ」のこと。統括する団体が認定した人。プロゴルファープロボクサーなど。多くの団体では賞金支給の対象になる。
  2. 専門家のこと。ある分野について、専門的知識・技術を有しているひと。
  3. そのことに対して厳しい姿勢で臨み、かつ、第三者がそれを認める行為を実行している人。
  4. 複数のグレードがある場合、高機能、高耐久性として上位バージョンや装飾を廃した下位バージョンとしてつけられる。

プロフェッショナル - Wikipedia

言葉の意味として本来正しい範囲は「職業上その分野で生計を立ててる人」ということらしい。けれど日本語にはさらに4つの意味が付与されている。1については正しい範囲に入るだろう。4についてはプロが使うもの、みたいな感じの商業的なラベル付けということだろう。

 

職人的なプロ

じゃあ2,3はいったいなんなのだろう。ただの専門家はプロとは呼ばれないのだろうか。2と3を同時に満たしてこそプロと呼ばれる資格があるということなのだろうか。なかなか日本人らしい厳しい基準である。

 

3にのっとってプロとは何かを考えると第三者に認められない限りはプロになれないということである。それでご飯を食べていようともプロではないと扱われるわけだ。そこには高貴な精神性だとかを求められるのだろう。なんだか中世の貴族的なものか…と思ったけど、要するに日本の”職人”信仰の表れなのかもしれない。

 

大学的に考えるとどこまでいけばプロなのだろうか?プロフェッサーになればプロなのだろうか?だが、プロという頭文字が同じだけで特にこの言葉の定義からはずれている。大学を出てその分野でご飯を食べている人はみなプロであるのだろうか。もちろん本来の言葉の意味からは間違いなくプロであることに違いはない。けれど日本社会的には第三者に認められなければプロではないのだ。

 

ここまでいろいろ考えてみたが、要は日本国内ではプロ=職人意識を持った専門家、みたいなものだと思う。そう考えるとプロという考えは日本国内だけのものなんじゃないだろうか。諸外国がどういう考えなのかはわからないけれど、もしも日本伝統の職人的な生き方に憧れないのであれば、無理して日本の言葉の定義の”プロ”を目指す必要は必ずしもないと思う。

 

自分に対して厳しい姿勢でいるかはさておいて、きっと自分が自分で正しいと思ったことやプライドを持ったうえで内心でプロであると言えるならきっとプロでもいいんじゃないだろうか。プロの仕事、なんていうと素晴らしい扱いもされることは多いけど、意外とそうでなくても十分な仕事もいっぱいある。そしてそれらの仕事に引け目を感じることはなくて、きっとそれは職人仕事と普通の仕事の違いなのだ。

 

おわりに

プロの仕事って何だろうか、プロって大変だなあ、プロとして認められるって相当難しそう。そんな風に考えていろいろ悩んでいたのだけれど、最近少しずつまとまってきたので記事にしてみた。絵描きさんなんかは仕事の依頼が大きくなればなるほどプロとしての実感なんかがどんどん湧いてくるのかもしれない。

 

小説家さんなどはデビューが決まったらその瞬間プロ、みたいな感じでなんだか成人式というかそういう類な気がする。そこからプロ意識とは…みたいなことを考えつつ生きていくのだろう。 しかしまあ、日本人のプロ、そしてプロ意識というのは厳しいものだなあともしみじみ感じられた。