かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

空井戸は掘らない

 

スイッチという本を買った

honeshabri.hatenablog.com

早川書房のセール時に紹介されていた「スイッチ」という本を読んだ。
いわゆる自己啓発本なわけだが、読み通してみて結構面白かった。

購入の決め手になったのは人は大きい器に料理を盛られるだけで食べる量が増えるというもの。つまりダイエットしたいなら小さい器にすればよいという話。

 

これは自分のような怠惰で物事を替えられない人間にとっては朗報だろう。
この本では努力でなんとかするよりも人間の習性を使ったほうがいいと説くのだ。

で、スイッチという本なのだが中身はごった煮。一つの方法を述べているのではなく、あれやこれや使ってみたら、便利だからという本である。

各種の方法についてエピソードを交えて「こんなにも実用性あるよ!」という紹介をする。まとまりがないといえばないので、ちょっと読むのは大変である。

 

空井戸は掘らない

その中で面白かったのは「空井戸は掘らない」である。

本の中身をかいつまむと、むかし石油関連企業が油田を掘り当てる確率は2/3だったという。だが、残りの1/3をなんとかしたいということで「空井戸は掘らない」という方針をトップダウンで宣言した。

つまり一切のハズレを許さん、という強いメッセージだった。これには強い現場の反発があったそうだが、一方で確実なムダの排除につながったという。

実はハズレの1/3の一部にはおえらいさん、ベテランが「俺の勘があってるに決まってる」と強行していたりしたらしい。だが会社のトップの「空井戸は掘らない」という宣言が、そういった上位の人々のワガママを打ち消すことに成功したというわけだ。

 

自分に当てはめる

で、自分にもその仕組みは使えないだろうかと考えたわけである。

今の自分の悩みはVRChat向け3Dモデリングによる家の制作がうまくいかないこと。
その原因は、想定よりも手戻りが多いということだと考えた。

自分の中では図面を書く必要はないと考えていた。というのも実際に作ってしまったほうが早いわけである。要は図面を考えず、まず真っ先に模型を作ってしまえ、というわけだ。

 

実際に模型のように作るのはコストが掛からず、非常に容易い。
おまけに色塗りも簡易的にできてしまい、さくっとVR空間に持ち込んでテストできる。

なので図面を引く必要を感じなかった。寸法とかを気にするよりも、実際にVR空間で見て調整してしまえというわけだ。

スクラップビルドを高速で回せば、実際に即した空間をあっという間に作ることができる、そう信じて作りながら考えていた。

 

ところが実際に作ってみると、意外と完成せず、なおかつ非常に疲れる。なぜなのか。
それはそういえばアレも必要だった、こっちにもないとおかしい、色塗りを忘れていた、装飾が足りないのではないか、この空間広げないと狭い。

いろんな要望が作っているうちにでてきて、直して、付け足して…
すると作業量を見積もれなくなる。なんか「え、まだやるの?」とずっと自分に言い続けているようだ。

つまるところ、作業とクリエイティブさは両立してはいけないのだと思う。相性が悪い。作業ならば無心でなにも考えず手順を組み上げて、そのとおりやったほうがやる気を削がずに済む。

 

寸法を学ぶ

なので、作って壊して…を繰り返す前にきちんとプランを考えようと思った。
そこで「空井戸は掘らない」つまり、手戻りをゼロにしようと考えたわけである。

こうなると意識を改めないといけない。作って壊して直して、ではなく、しっかり検討する。考える。そのためにはやはり図面がいる。寸法を考える必要がある。

ここに至ってようやく建築的に標準的な図面、寸法の大事さに気づいたわけである。
人体が通れる通路幅はどれくらいか。天井高の基準はどれくらいか。道路、車の幅などなども。

 

3Dモデリングで考える負担を減らそうというわけだ。そりゃ確かにプラモデルをいちから作るとき、必要な部品がわからないまま進めていって、あ、足りないとわかってからお店にいちいち買いに行ったり、いちいち作って足部分すら完成しなかったらやる気を無くすわけである。

そうじゃなくて必要な部品を洗い出し、手順を組み上げ、道具を全部揃えれば進捗管理も可能になる。手戻りもなくなるわけで、やる気の管理も必要なくなるはずだ。

 

なんてことを考えて、今は間取りについて勉強中である。
他にも有用なこの考えが応用できないか探しているところだ。