かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

映画、キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン感想。実在した天才詐欺師に見てるこっちがヒヤヒヤ。

 

映画概要

Catch me if you can:できるもんなら、捕まえてみろ。


天才的詐欺師の人生を追うストーリー。ちなみに創作や脚色が強いようですが、それでも衝撃的。

主人公のフランク・アバグネイルJrはいまだ存命!
現在はセキュリティコンサルタントのようです。

フランク・アバグネイル - Wikipedia

映画は2002年とちょっと古いですが、名作ということで視聴してみました!

 

www.youtube.com

 

英語版ですけど、日本語版の予告編ダメダメだったので。

ありとあらゆる職業に、実績もないのにだましちゃう!手に汗握る嘘のストーリー。

 

 

 

 

家族構成と詐欺の萌芽

フランクの少年時代は順風満帆ではありませんでした。
父親の自営業は不振で税務署に差し押さえられます。

 

父親は銀行から金を借りるため、息子を使って精一杯ウソをつきます。
息子を良いスーツで着飾り、運転手としてドアを開けさせる。偉そうにして…。

しかしながら失敗。この後どんどん落ちていきますが、最後まで現状を認めない。
「きっとよくなる」とか「大丈夫だ」とか。ある意味この人もウソに救われない

 

母親は不倫。その後再婚して子供をもうけます。が、浮気を息子に見られてお金で黙らせようとします。ここらへんは性格が歪みますね…。

 

父親の自営業不振のせいで、転校。だがプライドの高いフランクは以前の制服を脱ごうとしません。
同級生から代わりの先生か?とからかわれ、本当に代わりの先生になってしまった

 

ある意味不幸です。自分のプライドのためにウソを貫き通してしまった
ただそれができてしまうのは、本当に彼が才能に溢れているんでしょう…。

 

 

人は制服しか見ない、良心的勘違い

離婚がきっかけで家を飛び出した後、小切手の偽装に取り組みまうが信用がなく失敗。

その時、通りで見かけたパイロットが子供の信用、憧れを勝ち取っている。

社会信用力の悪用だ。


人々は良心的に勘違いしてしまう!よくあること、習慣に当てはめてしまう。
自分たちの中で怪しい人というフィルターさえなければ、簡単にスルーしてしまう。
相手の警戒心さえなければ騙せる。

 

もし刑事だといって制服を着てあなたの家に来たら開けてしまうだろうか?
あなたのもとに配達員が来たとき、正しい人物か判断するには…?
制服で判断しますか?顔で判断しますか…?

これが非常に恐ろしいところだ。慣習的に簡単に行動してしまうのを突いている。
これこそ本当に社会の信用を逆手に取った方法だろう。

 

しかしクソ度胸である。本当に。見てるこっちがもたない。
パイロットの制服を手に入れるとき、緊張してる?と問いかけられて心が凍った。
嘘は体に良くないなと感じるシーン。汗をかいたり瞳孔が開く。


生体反応をおさえるなんて、ほとんどできないだろう。どうなのかな?
ここらへんはLie to me が詳しいのかもしれない。

video.foxjapan.com

 

 

落としたでしょ?と忍び寄る好意の怖さ

これ落としましたか?といって近寄る詐欺は現実でもあったなと思った。

数年前にも流行った詐欺がある。おそろしい。

jin115.com

 

 

なぜビデオで本物の"フリ"を学習するのか?

主人公フランクは権威ある人物の”フリ”のためにビデオを使用する。なぜか。

劇中では007,医者,検事のフリをする。
007はボンドカー、スーツ。医者と検事はおそらくドラマだろう。

 

なぜなのか。

 

それは一般大衆や周囲が実にありそうだ!と錯覚するのが"演技"だからだ

つまるところドラマや映画は観客をよくだましているのだ*1

そう考えるとビデオから学ぶのは、だまし方を学ぶ上で最上なのかもしれない。

 

 

収集癖の謎

なぜか主人公のフランクは財布などにビンやワインのラベルを収集している。

これはもしかすると、”ラベル”という権威のブランドを剥いでいるのか。

なんとも皮肉らしく、詐欺師らしい収集癖である。

刑事がラベルが剥がれたワインを見て、奴がいる!と確信するシーンは素晴らしい。

 

 

話し相手のいない、真実を信じてもらえないフランク

クリスマスにフランクは刑事に電話する。それを聞いて刑事は笑う。

お前には話し相手がいないんだと笑う。

 

それは自分の正体を知ってる人がだれもいないからだろう。片時も安心できない。
劇中でフランクは身分詐称のまま結婚しようとするが、彼女の父親に全てを話す。

 

自分はパイロットでも法律家でも医師でもない。何の価値もない男です、と。
しかし彼女の父はそれを信じない!バカ言うんじゃない、卑下するなよと。

 

もはや本当のことを言っても信じてはもらえない。
嘘をつきすぎて信用されなくなった、寓話のような話である。

 

 

犯罪者の暴露願望?名前にフランクがよく入る

彼は刑事に二度目の電話の時、フランク・コナーズはもう使ってないという。
しかし刑事はウソがばれないよう、使い続けてるよと看破する。

 

だんだん犯罪者は自分がつくウソに苦しめられていく。
こういった点がよく描写されていると思う。犯罪者の暴露願望なのだろうか。

 

 

ウソは人をぬか喜びさせるだけ…だがウソのスケールがデカイ

とはいえそのスケールがめちゃくちゃデカイ。
ここまで詐欺師か人をぬかよろこびさせたことがあっただろうか?

彼は完全な経歴の詐欺で結婚しようとし、FBIから逃れるため採用試験まで行った!

ここまでウソついてしまうと戻れないのかもしれないが…。

 

 

感想まとめ

ということでCatch me if you can でした。邦画だと・が多くて変ですね。

ウソについてすごく深く考えさせられました。華麗にだますテクニック。

最近だと別な映画でスリのテクニックをやったフォーカスがありますね。

wwws.warnerbros.co.jp

 

www.youtube.com

 

こういった人の認識を痛快にだまされるものは、自分の身を守るためにもなるかも?

ちなみに上の動画のアドバイザーのTEDプレゼンは驚異的です。

www.ted.com

 

ということで気になっていた映画を一本消化できました。ふうー。満足!

もっと人間の認知や思考について学んでいきたいと思います!

*1:メタいけどこの映画だって我々をだましていると思うと面白すぎる