かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

心理テストは何回か幅をもって受けてみるといいかも。バーナム効果で自分の性格を決めつけない。

 

がっかりな職業適性テスト

小学校や中学校でも職業適性検査を何度も受けたことがあるのだけれど、毎回結果にがっかりしていた。自分にあった職業はなんだろうってワクワクしていたけれど、毎回あなたは芸術家タイプです、とか研究職が適しているでしょうと出る。そんなに簡単に芸術家にはなれないし、研究職なんてポストは空いていない。もう少し現実的かつ自分にあった職業を当ててほしかったけれど、大人になるにつれ心理テストが困ったときに出す結果が芸術枠なんだなあと思い至った。とりあえず定職に着けなさそうな人は芸術枠。そんな感じなんだろう。

もっと個人に寄り添った結果が欲しいと思っているけれども、問題の数もそれほど多くなく、さらに文章の解釈も自由だ。こうなると大多数に当てはまるアドバイスしか書けないのだろう。誰にでも当てはまるような文章で人を納得させるテクニックをバーナム効果と呼ぶ。

 

よく当てはまってると感じてしまうバーナム効果

バーナム効果は「あなたは快活に振舞っていても心の中で不安を抱えている事があります」といった文章を自分にすごく当てはまると感じてしまうことだ。さらに”自分だけの診断結果”といった特定個人だけのものと感じるとさらに当てはまっていると感じやすい。だれでも元気なふりして落ち込んでいることだってあるということだ。

このバーナム効果がよく使われている例として挙げられるのは血液型診断が有名だ。A型人間の説明書なんて本が流行ったけれど、別な血液型を見ても当てはまっていると感じることが多い。そういう時普通はバーナム効果を疑わず、むしろ自分の血液型や性格を疑ってしまう人が多い。のんびりとした話だ。

ちなみにバーナム効果の名前もとになった「P.T.バーナム」は世界にとんでもないほどの衝撃を与えた嘘つきのレジェンドみたいな人間である。ちなみにバーナムは冷酷な明言をいくつも残しており「世間は騙されたがる(There is one born every minute. )」とかうろおぼえだが「頭のおめでたい奴はいくらでも生まれてくる」なんて言葉もあった気がする。つまり世の中で騙される人間は一向に減らないから、だまして金を稼ぐのに困ることはない、という非常にシニカルな言葉だ。他にも「ジャンボ」を発明したのもこの男である。

 

いろんな自分を見つけるために

ともあれエゴグラムによる性格診断を受けてみた。別にこの性格診断を批判するために受けたわけではない。ただ、ちょっと解釈がぶれるとどうなるかというのを試したかっただけだ。

最初にあまり悩まず受けたときの診断結果がこちら。

性格
責任感の希薄なタイプで、責任の所在を何時もあいまいにしたがり、使命感と云うものも、余り持ち合わせていません。社会生活に付いては、現状認識が常に不正確で情に弱く、他人にだまされ易い性格です。他人の顔色や、噂が非常に気になる性格で、イイ子になろうとする傾向が強い人です。創造力は結構有るのですが、持久力、判断力、分析力、共に欠けている為に、大して実用的な物は生み出し難い傾向が有ります

あまりにも酷評である。対して実用的なものは生み出しづらいととボロクソだ。好奇心が強いだけで何も身にならないというわけだ。こんな結果を真剣に受け止めるとショックを受けてしまう人も多いだろう。とはいえ質問の内容には別な答え方があると思う。

 3 自分の損得を考えて行動する方ですか。

こんな質問があるが、いったいどの場面を想像したらいいのだろう?例えば友人との付き合いでは損得は普通考えない。だが好きなものを買いたいときは損得を考えるはずだ。自分のプライベートとお仕事では考え方が異なる。どちらの答えもありうるのだ。そうやって”どちらでもない”を選ばずにある場面においては正しい自分の答えを選択していく。

 

二回目の結果はこんな感じだ。

性格
出た所勝負で環境に振り廻されるタイプです。多情多感で、情が深い生活です。自由奔放な感情の持ち主で居乍ら、他人に良く思われ様とする傾向が強く、現実に対する分析判断、適応能力が低い事とも相俟って、目先の出来事の対応に始終振り廻され続けます。

職業適性
才能が無ければ駄目な話ですが、画家、音楽家、陶芸家、書家、軟派文学者など芸術分野には広く適性が有る様に思います。その他一般的な仕事としては、庶務、単純事務、労働者など。不向きな職業としては、ジャーナリスト、学者、実業家、政治家など合理的で冷静な分析判断を要する職業。

出たとこ勝負、目先のことに左右されると評価は低い。また恒例の芸術家がでた。 

さらにちょっとパラメータをいじってみるとこんな感じで褒められてしまう。

対人関係
大変、結構だと思います。取り立ててアドバイスする事も有りません。

要するにこのテストで判断される”いい人間”として回答するといい人間の結果が得られるわけだ。なんとなくここまでやっていて気付く人もいると思うが、人間の性格はわりとコロコロ変化する。一定ではない。状況ごとに自分の役割は変わっていく。ある時は先生のように、違う場面では親密に。そもそも人間の性格や性向ではなく、人生のコアプロジェクトで人を判断しましょうという話もある。そういった話のまとめは以下の記事にちょこっと書いた。

kayanomi.hatenablog.com

 

おわりに

心理テストで測れるのはどうあがいても一面だけだ。そしてその質問に答えているのは”自分”。だとすれば自分から見える、もしくは自分が把握していると信じている性格でしかない。客観性が実はまるでないのだ。自分が思っているよりも熱く負けず嫌いだと友人に指摘されることだってあるだろう。自分自身のことが一番よくわからないなんてこともよくある話だ。

あまり診断結果や職業適性で一喜一憂せずに、自分の性格の一面として軽く受け止めるぐらいがちょうどいいのかもしれない。