かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

〆切本は締め切りに追われる人に勇気をくれるかもしれない。

 

全ての締め切りに追われる人へ

〆切本

〆切本

 

もうこの表紙だけで全てを物語っているような面白すぎる本だ。内容は著名な作家たちが締め切りに間に合わなかった時に、どのような文章を書いていたかを満載にした本である。タイトルの拝啓〆切に遅れそうです、というのは担当者への手紙でまさかあの大先生が…!?という驚愕に襲われ、その内容のあまりの庶民っぷりやしょーもなさに笑い、親近感がとってもわく。

 

あまりにも文章を書けないから、なぜ書けないのかを書くということをするのが文章家らしい。その文章もさすがプロという感じでどこか哀愁を漂わせているのがニクイ。ちなみに同情する余地もない作家もいるのだけれど、文章でちょっと申し開きをしているのがやけにうまい。読者の同情を買う能力は随一だ。おそらく作家業で読者がどのように感じるかを熟知しているからこそ、たとえ仕事じゃなくてもさらさらと書けるのかもしれない。一部では漫画家の漫画も載っていて、締め切りに追われる人々の様々な痴態が載せられている。

 

わりと厚みがある本であっさりとした読み心地を期待していたのだけれど、中身は結構重厚な感じ。特段解説も多くはなく、淡々と作家たちの言い訳を載せているのが逆にちょっと冷え冷えとした担当者の視線を感じさせるのがなんともいえない。まあ作家が何を言おうが先生早く書いてくださいと叩き出すのが担当者の役目だからか。もうちょっとギャグっぽいテイストかと思いきや、真面目路線だったのは少し残念。

 

おわりに

現時点で大変〆切に追われているので自分もちゃんと読んで戒めとして本棚に置いておくといいかもしれない。一度は人類締め切りに追われるからこそ、この本は読みやすい。