悩みの絡まり
うまく伝えられない気持ちというのは歌詞や小説なんかでよく取り扱われる題材だと思う。うまく書けないというのは何かを書く人にはついて回る宿命だろう。自分は伝えたい内容がなければ書けないと思っている。書くことだけが目的化すると伝えたい気持ちが無くても書こうとしてしまうから困る。
うまく伝えられない気持ちというのは自分でも整理がついていない状況を指すと思う。今の自分がまさしくそうだからだ。急激な環境の変化や人間関係、そして自分の疲労が重なったりすると自分の気持ちがどうなっているのか診断できなくなる。そういう時、何を書いたらいいのかと悩むことが多い。
こうした自分の状況を見つめてみたとき思うのは、すごくよく絡まってしまったコードのようだと思う。それは目的のものを取り出す手順がわからなくなってしまっているということだ。ただ絡まったコードばかり見ていても解決はしない。そこに絡まったコードがあるのはわかるのだが、それだけだ。
絡まったコードが大量に自分の中にあるような気持ちだろうか。いったいなぜ絡まったコードがこんなに大量にあって、それでこのコードいったいなんなのか、何につながっているのかまったくわからないのだ。それが大量にあってどれも手のつけようもなく感じてしまう。
Speedcabling ChampionShip
だが一本ずつむりやりにでも解きほぐすしかない。昔、ものすっごい絡まったケーブルをほどく大会の映像を見たことがある。調べてみたらYoutubeにたぶんかつて見た動画があった。
動画の内容をちょっと言うと、左側の男性はとにかくめちゃくちゃにでも引っ張ってほぐしていくタイプ。右側の女性は一つ一つ丹念に見てほぐしていくタイプ。どちらが早いのかは非常に興味深い。最終的にはめちゃめちゃにでも引っ張ったほうが早かった。(もしかしたら何か法則があってやってるかもしれないけど…)
これが自分にとってはちょっと衝撃だったのを覚えている。理路整然と解きほぐしたほうが早いと思っていたのだ。そりゃあ鍛えれば早くなるのかもしれないが、一般にはむしろとにかく引っ張ったほうが早いのかもしれない。ともかくとして映像と題材のインパクトは大きかった。
これが心理的なもの、悩み、こんがらがったときに実は役立つのではないか?と思っている。つまりはめちゃくちゃでもとにかく引っ張って吐き出してしまえばいつかは解けてしまうのではないだろうか。そうしてほどいた後でなにが出てきたのか、整理してしまえばいい。
しかし動画の勢いと見てみてなんだか妙にすっきりするのは自分だけだろうか。もうあんなに絡まったコードなんて見るのすらうんざりするほどなのに、最終的にぽーんと解けるのを見ると自分のわだかまりまでちょっとほどけたような気分になる。
自分が何に悩んでいるかわからないとか、何がしたかったのか、もしくは複雑すぎて頭がパニックになっているときには頭の中であの男性のめちゃくちゃな解き方がほんの少し助けになるかもしれない。