なんでこんなものを書こうと思ったのか。誰が得するのか。
そんなことは置いておく。ともかく自分が感動したのだ。だから書く。
たまごあんかけは本当においしい。出汁が良いとそりゃもう本当にいい。
あんかけは冷めにくい。おいしさがいつまでも残り続ける。
これを不思議に思って自然科学コンクールで発表した中学生もいる。
きちんとした研究もさることながら、審査評も味がある。
あんかけが好きな人が研究して、それを好きな人が評価する。
今後としてあんかけにすると麺が伸びにくくなるのかというのもある。
どうなんだろう?個人的にはちょっとだけ伸びにくくなるのかと思う。
あんかけにはいろいろ種類があるがたまごあんかけは美味しい。
だが、なんでもいいわけじゃない。卵ばかり主張するあんかけは好きではない。
逆に味が薄すぎてもよくない。その絶妙な加減の中で出汁が主張しているのがいい。
じわりじわりと体が温まりつつ、出汁の加減を舌で楽しむ。
強く感じすぎず、さりとて弱すぎず。味わう楽しさがある。
超巨大お肉とか相当濃いラーメンとか。そういうものもダイレクトでいい。
ただ、案外強い味というのは強さになれると飽きてしまう。
こういう味なのかとわかる、体が強制的に理解させられる。もういいよと言い出す。
全体が同じ味になっているというべきか、塗りつぶされた味になりがちだ。
だが、小さいがきちんと主張する味。
そのしっかりとした味を見つけるのには夢中になる。
体も探り当てようと必死になるのか、次の新しい刺激にわくわくする。
味が小さいとあちこち観察しようと体のほうが主体的に感じようとするのか。
もしかすると体が持つ本来の味を調べる機能がよく働くのかもしれない。
じっくり楽しみたくなる。そういう料理は本当にいい。
温かいという中にも様々な種類がある。
ファンヒーターから直接感じる火の温かさ。
側で木がパチパチ燃えて少しひりつく温かさ。
遠赤外線とか体の内側がじりじりするゆっくりとした温かさ。
どこまでも沈み込み、抜け出せない深いじんわりとしたこたつの温かさ。
同じように料理にもいろんな温かさがある。同じような味にも種類は無限にある。
それを感じつつ食べる。体に起きる感覚を確かめる。
そういう時間がたまに過ごせると、ああ生きてるっていいなと思うのだ。