仕事をするときは、だいたいのところ人と接することになる。
要件があるとき話しかけられる。雑談のときもあるが、だいたいは用事がある。
困っているとき、怒っているとき、謝りたいとき。
いろんな場面と状況があるけれど、できれば笑ってほしい。
そう思うから、話を聞いて落ち着いてもらう。
そして一つクスリと笑ってもらう努力をする。
困っている人、なにかミスをして謝る人には効果がある。
ふざけた笑いじゃなくて、受け入れたうえでほっと一息ついてもらう。
日常茶飯事ですよ、朝飯前ですよ、軽く考えましょう。
大事件だったとしてもまずは一つ笑いを見たい。深刻であればあるほどだ。
深刻さは心に大きなダメージをもたらす。周囲の空気にもよくない。
だからほんの少しだけ。でもそれだけでずいぶん違うと思う。
受け入れる心の余裕ができると思う。
どこかで読んだが、アウシュビッツで生き残った人たちが共通していたこと。
それは過酷で苦しい状況でも未来をきちんと見据えていたこと。
そしてほんの少しでも笑える精神的な余裕を持っていたこと。
過酷すぎるし特殊なケースだが、大切なことだと思う。
社会に対する風刺画の考え方も似ていると聞いた。
閉塞感があり、絶望が蔓延する中でもっとも強いのは笑いの力なんだとか。
皮肉で下品かもしれないが、ちょっとした風刺こそが本質でもあり、力にもなる。
笑顔もなく、無言で絶えず緊張感ばかりじゃまともではいられない。
余裕がない状態で深刻な問題に直面するのは避けたい。
真剣に取り組みすぎると、視野が狭くなる。
なにより世の中の問題はだいたいたいしたことじゃない。基本的には、だ。
たとえ深刻な問題だったとしても、誰かが徹底的に悪いことは本当に少ない。
犯罪を犯していない限りは周囲にもその責任があることが多い。
時間が積み重なって、いずれだれかがババを引く運命になっていることだってある。
だから、そういう考えだから運が悪かったですねと一言笑って済ませる。
笑い事じゃないですよとクスリと笑ってもらいたい。気に病まないでほしい。
仕事はだいたいは選べるし、人生においてもそこまで重要じゃない。
だからこそ、笑って仕事ができると良いと思う。
ほんの少しでもいい。そして、自分のもとに来る人が笑顔ならますますいい。
自分に頼みやすかったり、親しみやすければいい。
周囲の人にもほんの少し緩んだ空気が流れればいいなと思う。
だからほんのちょっとの笑いを絶やさないように努力している。
ちょっとでも笑えない仕事なんてしたくはないからだ。