かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

納得するまでは迷い悩む

 


今日になってようやく3Dモデリングの建築系への悩みが解決した気がする。
このところ自作で作る3Dの建築が全然はかどらなかった。
全部うまくいかない、なんとなく気が乗らないとか、ディティールが足りない。
なにをしたらいいのか、自分に何が足りないのかわからない。

 

長い間そんな状態が続いていたように思う。
で、長い間ってどれくらいだろう?と思ってさかのぼってみたら3月、4月あたりなので実は2ヶ月くらいしか経ってない。
たった2ヶ月だ。でも自分にとっては終わりが見えない時間だった。
正直なところこれ以上ワールド作成をやめようかと思っていた。

 

でも今日ふとなんとなーく納得できた。
いろんな本を読んだり悩んだり、試作したりかなり苦しかったけど納得できたことがある。
自分がほしかったのは「手の内にあるという感覚」だった。
すごい曖昧なんだけれども、こうとしかいいようがない。
だいたいのことに見通しがつく、未知なことがほとんどない、アテがつくような感覚。

 

まあ大げさというか、ものすごい能力とかじゃ全然ない。
もっとすごーく簡単に言えば「作るのに不安がない」それだけのことだ。
最初のうちはわからないことだらけだからこそ、開き直って作れる。
作れば作るほどわかることが増えるから、不安が不安じゃなくなる。不安なことすらわからない。

 

だんだん作っていくと、ものを見る目がよくなる。解像度があがるとも言われる。
細かい部分について気になり始める。
実は自分がわかっていたつもりで、わかっていなかったことばかりだと気づく。
複雑なものがたくさんあって、作業量もかなりあって、方法論もいっぱいある。
打ちのめされてしまう。
そして「なにもわからない」状態になる。

 

自分がかなり悩んでいたのはクオリティには知識がいるということだ。
リアリティを高めるには、質が高いものを作るには、知らないといけない。
なにが「それらしい」のか。現実ではどう作っているのか。
なぜ現実ではそのように作られたのか。制約条件はなんなのか。

 

やってけばキリがない。自分はいったい何を目指していたんだろう。
どこまでクオリティを突き詰めればいいんだろう。なにをつくればいいんだろう?

 

例えば本気で建物を作るんだったら構造計算もしなきゃいけないし、配線だとか換気とか考えないといけない。
そこまで3Dモデリングで求められるだろうか?考慮すべきだろうか。
だが、やれば間違いなくリアリティは高まるだろう。建築パース的に正しく作るというのもありといえばありだ。


自分はなんのためになにを学ぶんだろう。
ということでようやく原点に戻ってきた。自分は不安をなくしたかったんだと思う。
つまりクオリティが必要になったら、上げられるようにしておきたい。
自分のクオリティがどのラインにあるのかを知っておきたい。
そして必要になったらどういう調べ方をするとクオリティをあげられるのか。
どこまでで妥協するのか、どこで満足させるのか。どこらへんが本物らしいのか。
自分なりに理屈を知った上で、納得して運用できるようにしたかった。

 

今回わかったこととしては、建物はやはりそこまで複雑じゃないってことだ。
建物それ自体、構造それ自体は制約として構造計算だとかコストだとかが大きい。
構造自体でデザイン性を発揮させるのは非常に、非常に稀だし頑張るべきではない。
それよりも内部についてどのように作るかがやっぱり大事だろう。

 

とはいえ、基礎となる空間づくりの勘所、リアリティの箇所なんかはわかったような気がする。
このわかったというのはあくまで自分自身の納得だ。テストなんかで取る点数じゃない。
人に説明できるものでもないし、完璧じゃないことはわかってる。
自分で納得できているから不安なく作れる。だいたいの見積もりができるということだ。

 

だいたいなのだが、まあ書いてみればもんのすっごく当たり前で恥ずかしい。
建物の基本的に見なきゃいけない箇所のリストみたいなのがわかった気がする。
天井なら、裏に配線や換気ダクトなどを仕込むのか、むき出しか折り上げとか考える。
で、天井の縁に廻り縁があるかどうか、窓、壁とか考える。
ここいらで構造が気になってきて、ラーメン構造だとかそういうのを見る。
床材がどうなっているか、巾木があるか。
屋根だとか部屋割、階段もあるけど、基本はこれだけだろう。
軒先、日当たり、水回り、排水、雨樋、庭…そういうのは応用編だ。


あとは全部家財とかそういうものだ。自分的にはこれで安心って感じである。
未知の不安に苛まれていただけだった。もっと知らない謎の何かがあると。
言葉にしてもリストにしてもかんたんなんだけど、自分で知らなきゃと思って、自分で納得することは別なことだと思う。手の内に入る、腹落ちするには時間がかかる。

 

自分はものづくりで思想だとか、大方針とか背景的なものだとか、そういうのをすごく重視する。
そういったところに自分で納得ができていないと、まっったくはかどらない。
仕事でもまったくそれは変わらない。ガンガン確かめていく。
時間はかかるけれど、それによって別解などを導けることもある。

 

プログラムを組むときもだいたいの見積もりができることが安心につながる。
業務ロジックをやるAPIを新規で組むなら、じゃあサーバーがあれで、要件的にこれを組んで…
言語がこれならあっちのOSSのライブラリを使って書き換えて、テスト組んで…。
だいたい知ってて、かかる時間や難易度がわかっていて、作業タスクが組める。
そういうものをモデリングに対しても欲しくなった。

 

まだまだ課題はあるのだけれども、もう作れない、そういう気持ちからはようやく抜け出せたと思う。
結構しんどい期間だったけれどなんとかなってよかった。
が、どうせ…またこういうドツボループみたいなのが待ち構えているんじゃないかなと思う。
頑張って乗り越えていくしかない。なので次は反省を活かしたり、乗り越えられると自信持ってやっていきたい。