100人に1人買い物全部無料。そういうキャンペーンのことを正確になんというのかよくわからない。経済学的な言葉や統計学の用語があったら教えてほしい。
このキャンペーンの仕組みは要は全員一律1％引きのところを一人に集中させることで100％割引にしているということだ。
上記のサイトが参考になるのだけど、面白い文章があったので一部引用させてもらう。
100人に1人という客観的な当選比率は、主観的には「15人に1人」が当たるくらいに感じられることになります。
（中略）
100人に1人がタダというキャンペーンが魅力的に見えるもう一つの理由として、「０円効果」があります。 シャンパニエールらは、価格がゼロ（つまりタダ）の魅力度が非常に高いことをいくつかの実験によって明らかにし、この効果を０円効果（zero-price effect）と名付けています。
1%は実は高く感じるという効果と0円、無料という文字の強さに人は誘惑される。
ソーシャルゲーム界隈でよく見るような、そうでもないような。ともあれ面白い。
この仕組みは募金も同じだと思う。1円2円を大量の人が募金することで1、2億円くらい集まることになる。塵も積もれば山となる。ちょっとの協力で大きな力となって人を助けることができる。
税金も原理的にはいっしょだろう。消費税なども同じ。全員から少し頂いて、社会全体に大きな力で持って還元する。一人じゃできないことをみんなで少しだけ助け合って大きな事をなす。公共事業は商業的に成り立たない事が多いとは社会の勉強でならうことだ。みんなが嫌がる、商売にならないことも、少しの協力で実現することができる。
宝くじはどうだろうか。当たったときの幸不幸はさておき、100人に1人無料キャンペーンとやっていることは実質変わらない。違いはおまけとしてあたるのか、主体的に当てようと費用を払うのか。
それよりも面白いのは宝くじは実は国の公共事業なことだ。
Wikipediaを見ればよいのだが、宝くじの売上はそもそも自治体の財源になる。
当せん金支払い分と事務経費を差し引いた残りである宝くじの収益金は、発売元の都道府県と政令指定都市の収入となる。
2008年度の宝くじ売り上げは1兆419億円[19]で、内訳は当せん金45.7%、経費14.2%、自治体の収益金40.1%であった。
- いわゆる宝くじは、その売上金をもって、地方財政に当てるための資金として確保することが目的とされている。（第1条）
つまり自治体に税金を納める代わりに、ある程度キャッシュバックを受けることができるただの機能である。ふるさと納税だとかよりもある意味でシンプルじゃないだろうか。
公共事業への投資に似ているといえば似ている。釣り餌なのだ。
宝くじの極小の確率につられ、結局は自治体の予算になる。税金となんら変わりない。
まあ賭博だし、人間の心理を誘導しているよろしくないものではあるのだが、公共事業に限り良しとする。日本もなかなかおもしろい落とし所に設定したよなあと思う。
全員にキャッシュバックしていたら1円程度にしかならないものも、集中させればすごいことになる。ちりつも効果は結構好きだ。こういった効果に名前が正式な名前やなにかおもしろい本があれば教えてほしい。
ちなみに個人的には宝くじはあまり好きではない。
何億円あたったとき謎の電話やらなにやらが殺到するとか都市伝説があるから。
たしかにお金はあったほうがいいけど、身の丈にあわないものを得るとろくなことにならない。家族や周囲の人達にも迷惑をかけることになる。
もう一つ思うのは、何億円というのも個人からすると途方も無い。けど会社から見るとはした金であるということ。1億2億なんて会社からするとあっという間に溶ける金。
なにか大きい事業をしようとしたらあっという間に無くなる金だよなと思う。
大きい金額のように思えて、溶けやすい金でもあるよな、と。
ちゃんと社会的に大きいことをした人には数億なんて当たり前に手に入る。
それで謎の勧誘電話とかはおそらくこないだろうなと思う。身の丈にあってるから。
人はそれぞれ身の丈の生活があるので、いきなり逸脱すると厄介なものを呼び寄せるのだと思う。宝くじの項で幸不幸と書いたのはそこらへんが大きい。
なるべくなら身の丈をちょっとずつあげて自分の実力で稼げるようになったほうがいい。まあ自分はゲームとおいしいごはんをそこそこ食べて、たまに旅行するくらいで満足しているのでお金に対して執着が全然ない。今後もたぶんないだろうなと思う。給料も上がらないだろう。宝くじも必要ない。そんな感じだ。
