かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

Don't Look Back In Anger

 

語りたくなる後遺症

gothedistance.hatenadiary.jp

ついつい気になって読んでしまったけど、読むのはよろしくない。

 

過去に炎上案件を受けて、相当なダメージを負ったことがある。
学ぶものはなにもないし、自分にできることはなにもなかった。
今だから冷静に言える。

 

まあ過去は過去だ。終わった話だ。でも、何年も過酷だった過去を忘れられない。
ついこういった記事を読むと火がついてしまう。
他人の苦労話を聞いたりすると「自分も自分も」となってしまう。
自分の受けた仕打ちを話さないとガス抜きできないとすら思ってしまう。

 

まだ許せてないんだなあと思う。数年じゃダメで、数十年必要なのか。
けど、そろそろ人の話題や記事に反応して怒りを燃やすのをやめたい。
そう思えるのは、仕事で自分と似た人間と接したからである。

 

普段は明るい人なのだが、なにかのスイッチが入ってしまうと闇が吹き出す。
止まらない。今の不満も過去の不満も全部混ぜて、一人の世界が始まってしまう。

 

そういう姿を見て、自分もこうなってしまってるのかと気づいた。
今、当時よりも年齢を重ねたからか仕事で接する人も増えた。
教えを請われることもそこそこある。そこで自分の過去をつい…語りたくなる。

 

でもぐっとこらえなければならない。自分の経験を語る必要はない。
知らなくていい情報だと思う、自分の怒りなど。隠しきれない。
感情を顕にされても困惑されるだけだ。一般情報くらいでいい。
困っていたら実際に助け舟を出せばいいだけだろう。
過去を振り返って、伝えようとして呼び起こされる感情のほうがダメージが大きい。

あれからしばらく経っているから、ちょっと大人になったかもしれない。
仕事で感情を混ぜてもいいことがあまりない。ネガティブさは特に。
淡々とこなしたほうが、コンスタントにいい仕事ができるから。
感情のブレ、体調のブレ。そういったもののほうが厄介だと最近は思う。

 

Don't Look Back In Anger。
藤本タツキの読み切り漫画「ルックバック」で知ったがいい曲だ。
過去を怒りで振り返ってはいけない。

そっと感情にとらわれず、流せるようになったら一人前だろうか。
語らずに、自分にダメージを与えずに。

忘れるとか、痛みを堪えるとか、そういうことじゃなくて。
怒りで振り返らないようにする。できたらいいな。

 

これからは仕事でも自分のつらかった過去を振り返るのはやめようと思う。
特別な気がしてしまうのだけど、それが役に立つわけじゃない。
こういうのは生き残ったものが手に入れてしまうものかもしれない。

 

サバイバーズギルトとは似ているかもしれない。
気分良く仕事ができたことを何度も語ることはない。特別ではないから。
だが心理的外傷を強く受けた、人がそれほど経験しないだろうダメージについて。
特別視してしまうけど、ある程度は仕方ないかもしれない。

受けた痛みを”よくあること”なんて納得、誰もできないだろうから。
けど特別視はきっと過去に固執してしまう。
よくあることじゃないことを人はずっと抱えてしまうから。

けど、数年経ったら。時間が経ったら受け入れて認めるしかない。
よくあることだ。自分の許せない気持ちを、そっと緩めるしかない。


働きすぎない、逃げ道を作る、そういうスキルは身についた。
けど、その過程はもう誰にも言わなくていい。スタンスが明確になっていればいい。
きっとだれも興味ない。なんとなくで聞いてることだろうから。

 

いつまでも後遺症に囚われてはいけないな、と思った。