酔わない檸檬堂というノンアルコールのレモンサワーが出たので買ってみた。
これがなかなかおいしい。酔うのが好きではないが、お酒の味は嫌いじゃない自分にはぴったりだと思った。おいしいし、酔ってる雰囲気はするが酔わない。プラセボだ。
酔わないわけだから、いくら飲んでもいい。毎日飲んでもいいはずだ。
そんな感じで仕事終わりに一杯飲んでみると、なかなか気分がよかった。これがお酒を飲んでいる人の習慣か。プラセボで気分がいいし、新しい趣味としていいかもなと思っていた。
3日目くらいからだろうか、どうもプラセボの酔いがさめてしまった。脳が「あれ？アルコール飲んでると思ってたけど、どうも酔ってないぞ？」と気づいてしまったようだ。ちょっとテンションが上っている精神的な自分と肉体的にはまったく冷静な自分。それが妙にすっきりわかってしまうのである。酔ってないからこそ、自分の体調に気づきやすいというか。
それから今日もノンアルコールの檸檬堂を飲んでいたわけだが、あんまり塩梅がよくない。悪酔いとまでは言わないが、すっかり魔法がさめてしまったかのようだ。自分のストレスをノンアルコールにぶつけたかっただけだった。
たぶんお酒そのものを楽しめないのなら、ノンアルコールもアルコールも飲まないほうがいい。祝い事のときに飲む酒はおいしいわけだが、ストレスのはけ口に飲む酒は逃避だ。ノンアルコールだから言い訳もしやすかったけど、虚しいだけだった気がする。
というわけでノンアルコールも飲むのをやめようと思う。薄々気づいてはいた。買って酔って気分がいいふりをしたかった。が、よくない飲み方なのでやめる。
結局めでたいときにでも普通にアルコールを飲むくらいでとどめたほうがよさそうだ。中途半端にノンアルコールを嗜んで、うまくやっている雰囲気に浸ることはできない。
まあノンアルコールが悪いわけじゃない。味もおいしい。酔わないし、楽しめる飲料だ。けど、飲むほうが良い動機で飲めないのなら、飲まないほうがいい。少なくとも自分は自滅的な飲み方をしてしまったので、こりてやめようと思う。
