かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

レビューとは対話である

 

4月、新しい年度のはじまり。新卒の話題がTwitterのタイムラインに流れてきた。

このツイート、まさしく一言一句同じものを食らったことがある。

 

この対応について、自分は「意地悪」だと思う。
良い悪いじゃなくて、いじわるだなと。

 

自分の場合、突如としてレビュー依頼がどんな立場の人から来てもOKする。
忙しくない場合はしっかりと読むし、忙しい場合はさらっと見るか、後回しにしますねと一声かける。

レビューに際して「ここ読んでほしい」「誤字脱字がないか気になる」「構成がわかりやすいか確認してほしい」…なんて注文がなくても全然大丈夫だ。全部見るから。

 

レビューというのは一方的なものではまったくない。チェックマークを入れる仕事じゃない。作った人との対話だと思っている。だからこそ、いきなり「なに確認したらいいの?」と返すのではなく「わかりました、ちょっと読んでみますね」と返すとコミュニケーションがスムーズになる。

新卒や不慣れな人のレビュー依頼はだいたいは「助けてください」の合図でもあると思う。正しいかわからなく、どんな文化があるかもわからず、レビュー相手の人柄すらもわからないはずだ。そこを無碍に「お前の注文は足りない」と言うのはかわいそうだ。

 

自分にとってプログラムでも発表資料でも読むことはそこまで苦じゃない。文章が好きだし、プログラムも読んでて楽しい。まあ…素晴らしく冗長で絡み合った数十個のコンセントケーブルを解きほぐすようなプログラムはかなりつらいけど。

 

ともあれ読むだけなら全然構わない。やはり自分とは書き方が全然違うわけで、すごく勉強にもなる。その上で書き手の意図を確認することができるのだから、楽しい。例えば一見無駄に見える記述があったとき

「ここって冗長に見えますが、なにか理由があったのでしょうか」と聞けば「良い書き方がわからなかった」「実は他の部分で使ったもののコピー」「別な箇所で使うときにこう書いておくと便利」「いにしえのまじない」

などなど理由は必ずついてくる。なるほどなあ、と思ってコメント、対話のログを残しておく。そうすることで、他の人が新しくレビューをするとき、直そうとしたときに手間を削減できる。

 

なんというか人への仕事の頼み方について「なに確認したらいいの」なんて聞く必要ないと思う。だってレビューはレビュアーがしっかり見ればいいだけだから。一方で、自分がレビューを頼むときはまた別の話…なんだが自分はそこまで丁寧にレビュー依頼を投げた覚えがない。

今の部署ではレビューについて部署全員で統一的な議論をして、どうあるべきかを話し合ったからである。で、レビューについての評価方法、通し方についてもドキュメントに残してある。

なので全員レビューは当然あるものだと思っているし、見るべき場所、コメントの重要性もわかっているのだ。なので一言レビューお願いします、で済むのである。そもそも何を見るべきか全員わかっている。そういう組織や仕組みであるべきだ。個人の頼み方の技量には依存するべきではない。

 

ベテランであろうと不慣れな人であろうと、仕事の依頼、助けを必要とする人にはきちんと丁寧に返事を返す。受け入れる態度を示す。たまにひっどい上から目線でぽいっと仕事を投げてくる人もいるけれど、それに対しては自分だけじゃなく所属組織全体に被害が及ぶ。周りの人にもきちんと相談した上できちんと態度を示す、それだけだ。

基本は不慣れな人には意図を汲み取って接すると良いと思う。新卒の人は多くの場合、単に不慣れで緊張しているだけだ。慣れればできるようになる、そう信じるのが長い目で良いのではないか。ちくちく気になるところを指摘してたら神経がすり減るだけである。

 

もし自然ととげとげな返事をしているなら、休んだほうが良い。自分の側に問題がある。…自分も4,5回ぐらい同じミスを見たときはさすがに疲れて、とげとげを出したことがある。反省しているし、謝った。自分のほうが経験があるとはいえ、疲れたらパフォーマンスはでない。正しい対応もできなくなる。そういう振り返りも大事だと思う。