かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

世界は相対的である

Unityで真似してみた。

Netflixで配信されているArt of Designという番組を見た。これが大当たり。
たまたまSeason2から見たのだが、一発目がオラファー・エリアソンだった。
実は番組を見るまで名前は知らなかったのだが、そのアートは知っていた。

 

olafureliasson.net

このハッとする、シンプルだけど奥深いデザインされたアート。
ただ一直線に外周を走っている柔らかい光だが、人がいると水平線は不連続になる。
人の影が水平線に浮かび上がる、その発想がすごい。シンプルで幻想的だ。

こちらも面白い。人工的な照明に白い壁と不自然なものが、自然の上に成り立っているような作品。本当なら自然のほうが異物のはずなのに、そうは感じさせない。
人がいかに大地を大切に思っているかを感じさせるような、巨大な作品だ。

 

凄いなーと思いつつ、特に作者も調べてなかった。思想を知る機会もないだろうと思って。ところが調べると日本で2020年に個展も開催していたようだ。早く知ってれば…

 

ともあれ、Netflixで彼はまず序盤から面白いことをやってくれる。
光とはなにか、光によって周りの環境がどう変化するか。その変化を我々はどう受け止めるのか。それによって我々はどう変化するのか?

どうやら彼は光を扱うアーティストのようだ。永遠に沈まない夕焼け、見る人によって異なる虹、壮大な動く影…そこには視点がある。

 

番組の最後に言っていたのが、「世界は相対的なんだ」ということ。これが実は本質なのではないかと思う。我々は絶対的に世界を見ていると錯覚し続けている。要は同じものをみんなで見ていると思っているが、ささいなことですら違うものを見ている。

 

例えば彼の作品に”虹”がある。虹は実は眼に入るまでに光が散乱したものが見えている。これは他の角度から見れば全く異なる虹になる。つまり隣の人が同じ虹を見れている保証はない。

また人間が見なくなれば、虹もまた消える。虹が成立するのは人が観測するから。(厳密に言いだすとつまらない)彼が作品で言いたいのはそういうことだ。人がいて、作品を見る。その作品は人が見ていないと成立しないし、意味がない。だが、見たものはそれぞれ唯一無二であり、誰も同じものを見ていない。

 

たかが虹、なんとなくきれいだなで終わってしまうこともあるだろう。だが、そこにテーマ性をもたせるとこんなにも奥深い。この奥深さは世界を相対的に見て、それを表現しようとする試みからだろう。

アートが世界の見方を変えるとは言いすぎなように思えて、そうでもないのかもしれない。まさしく世界の違った見え方、捉え方を教えてくれるからだ。