VRChatでスクリーンショットを撮って、一日の記録として残したり、Twitterで身内に共有するためにアップロードしたりする。
けど、Twitterでは自分のしみじみと「いいなあ…」と思ったものを伝えるには不十分だ。特にこのブログの最初に載せたものなんかは、ブログとして一記事書かないと気が済まない。それくらい素敵で、素晴らしい美しさを感じた。
Scope というワールドは霧につつまれた少し近未来な都市。雨が降っていて、水たまりがところどころある。その水たまりに雨の波紋が写っているのを撮ったものだ。
なにが自分を感動させたのか。シンプルな美しさだ。シンプルな現象を重ねることで、深い美しさが、表現したいものが伝わってくる、そういう感動だ。
シンプルに伝わるもので最たるものは、影絵だろう。白と黒。
人の輪郭、動きをシンプルに、ダイレクトに伝えられる。
デジタル表現として、影絵を作ることは簡単だ。キャラクターと背景を分けて白黒にしてしまえばいい。簡単だが、その良さを伝えるにはキャラクターの動き、躍動感、輪郭の強調など多岐にわたって工夫をこらす必要がある。
そこまで凝らなかったとしても、一種の演出として影絵を使うことは多くあると思う。
はっとする演出として影絵は強い。白と黒の強烈なコントラストで、作者の伝えたいものを強調できる。
同じようにこの水面の波紋は実はよくみるとシンプルに出来ている…ように思われる。(初心者の推測ではあるのだが)
おそらくは降っている雨と発生している波紋は一致していないと思う。それは正しい。計算が大変だし、たくさん降っていれば気にならない。
一番いいなと思ったのは、リフレクションが非常に見事に美しく等間隔な水面を照らし出しているところ。これがたまらない。
この波の端、盛り上がっている部分に横に長く伸びる反射光の赤…美しい。
おそらく波紋自体は独自またはどこかにあるシェーダーかなにかの生成物なのだろう。
この反射光の美しさはUnity、ゲームエンジンが長年頑張って作成してきた反射光の計算によるものだと思う。これが本当にいい。
なんといったらいいか、こういった反射光は簡単に使える。UnityでReflectionProbeを利用すればあっという間だ。
けれど、その簡単に作れる美しさのもとになっているのは、現実世界を非常に頑張って模倣した、何十年も頑張って培われた技術の総結集なのだ。
もしもここに反射光がなければこれほど素晴らしく美しいスクリーンショットにはならない。計算が適当でもだめだ。
VRChatにきて、Unityで自分で作るようになって、以来ずっとずっと光の美しさに惚れ惚れしている。そして、この光の美しさは”万人”が作れる。パソコンがあれば無料でだ。開かれた美しさだ。本当に素晴らしい。
ゲームを作るなんてことをしなくてもいい。ただ、光の美しさを自分で検証するためにUnityをいじってもいい。それに気づけたことは、VRChatをはじめてよかったことの一つだ。
なんていうか…ゲームのスクリーンショットの光景、雨の波紋を模したアート、ノーマルマップとパーティクルとシェーダーによる構成物…そういう見方だけじゃつまらない。
雨をUnityというゲームエンジンの長年の積み重ねによって出来た反射光の美しさとVRChatという無料ゲームプラットフォーム、なんの説明もなく美しいものがそこにあること。なんかこう…一つ一つが素晴らしい、奇跡だなと思ってしまう。
現実の模倣は途方もなく、とてつもなく、不可能なほど難しい。
けれども人類は諦めなかったし、今後も諦めないだろう。
詳しくない自分や初心者からすれば、この光は、この波紋はとてつもないリアリティを持っている。やっぱすごいよな、2022年。この年代に生まれてホント最高だ、だってこれらが無料なんだもん。そんなことも思う。