かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

Cyberpunk 2077 の感想

 

いつでも絵になる男

Cyberpunk2077をクリアした。
オープンワールドでサブミッションが非常に多く、80時間くらいはかかった。

 

バグはそこそこあり、戦闘の難易度も高くセーブロードの手間が多くて大変だった。
RTX3080を積んだゲーミングPCでプレイしたのでラグはなく、画質もよくて満足。

ストーリーも面白く、総合的に傑作に違いないと思う。
しかし、手放しに最高!ってわけでもない。ハッピーエンドでもない。

 

ゲーム自体が70GB近くもあり、ストーリーが提起するテーマも濃厚だ。
おそらくプレイした人たちそれぞれで感じるフィーリングは違うだろう。
選択肢によってキャラクターが返す内容も変わるので、全然違った形に感じるためだ。

 

自分が感じたテーマとそれに対しての反応をここでは書こうと思う。

 

生体の機械化はかっこいい?

ストーリーでも機械パーツを体に埋め込んでない人のほうが珍しいとまで言われる。
主人公の相棒?となるシルヴァーハンドも文字通り片腕が銀色の義手だ。

 

プレイしていると面白いのだが、もう義手のほうがかっこいいし便利に思えてくる。
実際にプレイヤーは自分の体を改造できる。生身であるほうが不便なのだ。
アーマードコアのようなマッドさがある。

全身サイボーグ

現実世界だと生身の体に近いような表面の義手・義足が求められると思うが…
サイバーパンク世界だと生身のほうが少なく、いたるところで機械化されてるので
むしろ尖ったデザイン、むき出しの機械のほうが”おしゃれ”に感じる。

ここが面白くて、このゲームには世界観がすごくよく描けている。
プレイヤーにこういう世界ってあるんだなと感じさせてくれる。
これは義手、義足の人たちにとって勇気づけられるのではないかと少し思う。

 

ナイトシティでは珍しい正義漢・リバーウォードは義眼だ。

プレイヤーに関わる傭兵・医者・荒くれもの・敵…みなどこか機械化されている。
ネームドだから印象深くするためというのはあるだろうが、過酷な街を生き延びるには普通じゃいられないというのもあるだろう。ただ、彼・彼女たちが非常に魅力的で、だからこそ機械化もまたかっこいいと感じさせてくれる。

 

人間の魂すらも売り物になる街

主人公の相棒となるジョニー。彼は記憶の電子データ化され、主人公・Vにインストールされ、頭の中での共同生活がはじまる。

シルヴァーハンドは果たして人間か、それともただの電子データか。
それを肉体に書き戻したとき、もとの人間になりうるのか。

 

ゲーム中での扱いはなんとなくだが、個人として扱うのではなく、性質や便利な人格として扱われている気がする。もはや魂ですらモノ扱いなのだ。人間かそうじゃないかなんてどうでもいい。

 

これはサイバーパンク世界に蔓延している病気のような志向だろう。
テクノロジーが個人を踏みにじった世界だ。

 

 

便利だからそれでいい、生きてくためには仕方ないといろんなものを切り捨てている。
それが当たり前になり、どこか近未来なのに退廃した、なんとなく文化が滅びていく、閉塞しているような感じ。

ナイトシティの生活とは真逆の生活もある

倫理的なものを投げ捨てて、企業の利益、個人の便利さのために魂まで売られる。

あまりにも企業が巨大になりすぎて、個人は生きるので精一杯。なにも考えられない。
富裕層は金を更に稼ぐために弾圧を強め、倫理観や法律などを無視していく。

 

あらゆるタブーを踏み越えてしまって暴走してしまった時代の物語なんだろう。

魂なんてどうでもいい。個人の権利、自由なんてどうでもいい。
便利に使える人間、忠誠心を持つ精神、怯えて従う無知な奴隷。
それらを集めて実験し、さらなる富・発展・権力を得る。

倫理観を踏み越えてしまった文化・社会の暴走は果たして止められるのか。

 

 

これはちょっとだけ現代とも紐付けられると思う。荒唐無稽なわけじゃない。
Googleなどの巨大企業が個人情報を積極的に収集している。
これをどんどん許可したらどうなるだろう?Googleが協賛金とかをばらまいたら?

生活は便利になる。犯罪者の傾向分析にも使えるかもしれない。犯罪予防にもなる。
だが、個人の自由は間違いなく踏みにじられる。
面接の履歴書を出す前に人格に問題があるとGoogleで分析されている可能性がある。

 

今の時代は一応、個人が企業をコントロールできている…建付けだろう。

Cookieによる情報収集には同意ボタンを押さなきゃならないし、検索エンジンから忘れられる権利なんてものもある。個人が企業に対して「そんなものを許した覚えはない」と裁判を起こすこともできる。

けど便利だから、利益があるとどんどんガードをゆるくしていくと、サイバーパンク世界のような末期めいた世界が訪れてしまうのかもしれない。

 

技術の進歩で人間の価値は高まるか、暴落するか

個人の人格・肉体データを保存できるようになったらたしかに便利だろう。
明日交通事故にあっても、セーブデータをロードするように生き返ることができる。
永遠の命だ。保険商品としてこんなに素晴らしいことはない。

 

サイバーパンク世界で描いているのは、そうなれば人間の価値が暴落するということだ。
交通事故は無制限に増え、警察は対応を諦め、金を払う人間だけが救われる。
いたずらで誰かの人格・肉体データを消したり、ハッキングで身代金を要求される。
企業のミスでデータが消えたとき、責任がとれるだろうか。いや、もみ消すだけだ。

 

書いてて思ったが、これは思ったよりも深刻な問いかけだ。
技術の進歩は人間の価値を高めてくれるのか?それとも暴落させるのか。

 

昨今のお絵かきAIの発展でもそうだが…どうなんだろう。

より生産的なことに時間を使える、人間の創造性をさらに高い次元の領域で発揮できるようになるのか。

それともただ職を失い、ますます貧富の差が開いていくだけなのか。

 

余談:人格破綻者との付き合い方

ゲームの進行としてジョニーの好感度が実は大事なのだが、自分は選択肢をミスったらしい。それが、全部ジョニーを甘やかすとダメらしいのだ。

ははぁ、お人好しすぎると甘えてしまうわけだ。なるほど。

適度に突き放して距離感を取っておかないと堕落したり、ろくでなし度が上がるわけだ。勉強になった。…そういうゲームってわけじゃないと思うし、スタッフ的にも意図したわけではないと思うが。

ジョニーという扱いづらいやつを表現するための手段だと思うのだが、まあ…作中の評判通りずっといっしょにいるのは絶対ムリなやつとして扱うのが一番なんだろう。

最低最悪大嫌いが普通の人の扱いなので、ろくでなしでさいてー程度に扱うのが適切らしい。面倒ばかりかけてくる、憎めない友人にまでなるのは”やめとけ”ということか。

 

余談:設定がゲームを救う

Cyberpunk2077というゲーム自体はバグが多い。UIがバグったり、マップが変なところ指すようになったり、ミッションがバグったり…

けど、ゲーム上の設定として主人公のVが見ている視覚情報がUIになっている。
そしてVはシステム的な不具合に見舞われている…という設定もある。

つまりゲームがいくらバグっても設定的には「ありうる」。
そもそもジョニーの幻覚がしょっちゅう見えてるわけで、ゲーム内のバグくらいどうってことない。それが面白いなあと思う。

普通ゲームのバグは没入感を下げるし、イライラする要素でもあると思う。

だが、このゲームは異常事態がストーリーとして多発する。なので慣れちゃうのだ。
もしもUIがバグったら「ハッキングされてるか、やはり正規品でないテックは不具合も多いな…」と考えるのがサイバーパンク流だろう。