NovelAIはお手軽な?美少女製造機として名を馳せているが、日本語でも小説が書けると知った。GenjiとかいうAIエンジンで日本語で書ける。ということでせっかくだから触ってみた。
まずまっさらなメモ帳みたいなテキスト欄がでてくる。まずは一行書けということらしい。お決まりなものを書いてみる。
ある朝目覚めると、
虫になっていたとでも続くのか、テンプレ的に返すのか。AIの力を試してみた。
するとこう続いた。
ベッドから起き上がれなくなっていた。
「あれ……?」
記憶を掘り返す。
おー面白い。なにやら身体が動かないようだ。なにがあったんだろう。
興味をひかれる。なかなかおもしろい書き出しだ。AIから反応があるのが面白い。
では、ボーイ・ミーツ・ガール。女の子を出してみよう。出会いだ。
夢の中で誰かと会った覚えがある、暗い目をした女の子だった。
なにやら事情がありそうな女の子を出そう。物語が膨らむに違いない。AIにバトンを渡す。すると…
誰かが側にいる。「おはようございます……?」
声は出ない。口を開くのも一苦労。
それでもなんとか挨拶をすることができた。
女の人は、「おはようございます、お嬢さま」と言って、微笑んだ。
ほほー。面白い。というかちゃんと日本語を作っていてすごい。なにで学んだのか。
そして当初想定していたのと違う展開に!主人公の性別変わってる!
いや、一行目から男とは言ってないのでミスリードではあるのだが…お嬢様。
関係性が膨らみそうだ。どういうこと?自分がわくわくしてきた。AIに聞いてみよう。
お嬢様?自分は男だったはず・・・?
しかし、その表情はどこか懐かしさを感じさせるものだった。
身体が重い。なにか大事なことを忘れている気がする。
でも、どうしてだろう、今はそれよりももっと大事なことがあるような。
ふーむ、AIくんはどうやら話を先に進めたいらしい。ふむふむ。
ここまでやってみて、TRPGのような気がしてきた。自分がプレイヤーとして、AIに対してこの先どうするか聞く、リアクションを期待するような。本当に相談相手で、いっしょに作ってるみたいな感じで面白い。
どうやら確認しなきゃいけないようだ。自分の身に何が起きたのか。
「あの、あなたはいったい、どなたですか」
「私は、ミコト・イロハ。貴族アズール家の長女です」
どこやねーん!!だれやねーーん!!面白い。面白いけど突拍子もなさすぎるなー。
貴族で長女っていう情報いる?よくわからないな…。それに時代背景も謎になってきた。今流行りの異世界ものだろうか。
朝起きたら性転換していて、メイド???らしき人物がいるスタート。なるほど。
こてこてのような気もするが、これをAIが書いてくれたんだから面白い。やるなあ。
で、適当に話を続けていると(AIに続きどうなるのって聞いてる感じで)真実らしきものにちょっと触れる。
「お嬢さまは、私たちの国では、おとぎ話のヒロインなのです」
そう言う彼女の瞳は、どこか悲しく光っているようだった。
「お嬢さまは、とても優しくて、そして強くて、誰かのためなら何でもできるんですよ。私たちの国の物語に出てくる、主人公のお話ですから」
「なにかの予言?」
「いいえ。ただ、あなたは、物語の主人公になったのです」
ミコトは、寂しそうな顔をした。
「私たちは、あなたの味方でしたのに、あなたは、物語の主人公になってしまった」
そそるなあ。たぶん夢だと思ってたけど記憶がなくて、いつのまにかやらかしたことを精算するような話になりそうだ。おとぎ話とはなんなのか。どんな結末を迎えるのか。
なにげに性転換した理由も示されているようで、ほほーと思ってしまう。偶然か?
周囲の反対を押し切って決断したらしく、これで彼女も知古であることがわかったし、別な国(たぶん異世界だろうな)の繋がりもわかった。面白い。
伝えたいことは?
ただ、ここらへんでわかったことがある。
着地点は自分で作らなきゃいけないのだ。この先どうなるのか、気になってるだけじゃだめなのだ。自分が何を書きたいのか、それがないと意味がない。
この物語を続けていって、いったい何が描けるんだろう?自分はなにを示したいのか。
なんとなく本質的な創作とはなにか、というのをちょっと味わった気がする。
AIはアイディアを提示してくれる。返事をしてくれて、提案してくれるような。
けど、最終的に自分がどこに行きたいか、なにをさせたいか、何を描きたいか。
それがわかってないとダメなんだなと、気づいた。
描いているうちにわかってくる可能性もあるけれど、だらだら長い道のりになってしまう。相手は機械だから無限に付き合ってくれるわけだが…
昔、さいとうなおきさん(Youtubeで初心者向けお絵かき講座をやってる)の動画に出ていた内容を思い出す。
『絵はプレゼントである』がピンとくる人はデザイナーで、『絵は祈りである』がピンとくる人はアーティスト。だと思っています🍀
— さいとう なおき🍀 (@_NaokiSaito) 2021年10月16日
絵を描くなら、目的をはっきりさせること。
もし相手を喜ばせる目的ならちゃんとプレゼントするために描こう、と。
ただきれいな絵を目指そうとしても苦労する。
誰かのため、見てくれる人のためを思うのなら、そのように。
例えばVtuberのファンアートとか、きれいに描いて見てほしい、そう思うならたくさん観察して、自分が好きなところ、魅力的なところを表現する必要があることがわかる。
ファンの人、本人にどう喜んでほしいのか、自分の何にこだわりを持って、相手に届けたいのか。そういうことを述べていたと思う。
AIで画像をぱっぱと生成するのはいい。きれいな画像がでてきてびっくりする。
けど、それでなにがいいのか。自分のTwitterを賑わせるため?AIのすごさを実感するため?もっとすごいAIを作って稼ぎたい?ただただきれいな絵がみたいだけ?
自分たちは絵を見てどう思うんだろう、なにを受け取ってるんだろう。
そして、何かを作るとき人にどう伝わっているんだろう、伝えようとしてるんだろう。
結局、AI単体が生き残ったところで人類が滅びたらなにも意味がない。
AIを使ってなにをするか、なにを伝えたいか。