プログラミングは人の役に立つ道具づくりだと思う。
便利な道具は、人に優しい。柔軟に受け入れてくれる。
かつて自分が作ったものは、開発上の都合を押し付けていた。
面倒だったから。
例えば入力フォーム。一文字でも間違ったり、語尾に空白があったらエラー。
ある程度決まった値を入れるものだった。
推定して選択肢を出して選んでもらうとか、空白除去などもできたはず。
けれど面倒だし、人間が少し苦労すればいいと思っていた。
当時の自分は「プログラムより人間のほうが賢い、柔軟だ」と考えていた。
だから「プログラムに合わせて人間が適応すればいい」と。
これは周囲を見ていて思ったことだ。
散々使いづらい社内システムも慣れればなんとかなる。
小さな、よくわからない位置にあるボタン。順番が逆な入力欄。
読み込みがとっても遅いシステム、100件以上表示できない検索システム。
そういったものも、人間側が適応して動かしているのを見てきた。
だったら多少プログラミング側が楽してもいいだろうと。
当時は急いでいて、時間がなかった。そう言い訳もまあできる状態ではあった。
今見てみると、もう酷い。
いつの間にか自分が作ったものは多数の人が利用することになっていたらしい。
使い方、凡ミスを避ける方法などがまとめられているのを見て、犯した罪を感じた。
周りがどうあれ、作るときは人にやさしく。使いやすいものを。
ミスをなるべくカバーして、メンテナンスもしやすく。