かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

アイディアとコンセプト

 

仕事でよくアイディアを求められることが増えた。
例えばもっと作業を効率化する方法は~とか。もっと満足度を上げる方法だとか。
小さいものもあれば、非常に大きいスケールでの悩みもある。

 

人間そんなに簡単に良いアイディアなんて出てこない。

「とにかく考えてきて」「なにかないの」「もっと良いのはないの」
「ありきたりだね」「それはうまくいかないと思う」「楽しくなさそう」

アイディアを出しても、平凡だったり苦し紛れだと受け入れられない。

 

経営層が求めることは、ある意味で当然だけど利益を上げること。
その元となるのは、アイディアなのだろう。ビジネスの種だったり、方針だったり。
あらゆることにアイディアを求められてる気がして、疲れている。

 

「なんでもアイディアだして」に対しての対策を自分なりに考えたのだが、
コンセプトが重要ではないかと思っている。

アイディアというのは戦術で方法、コンセプトは戦略で方針。
大きな方針だとか、判断基準を明確化することが大事ではないか。

 

やること、やりたいこと。やらないこと、やりたくないこと。
いろんな考え方の軸があり、それを決めないとアイディアに統一性がなくなる。
とにかく手当たり次第にやってあたるまでやる…というのは疲れる。

 

例えばお客様に喜んでもらうという軸があり、どう喜んでほしいのか、だれに喜んでほしいのか、どう喜んでほしいのか、どんなときに…

軸に沿ったアイディアを出していくことで考える負担は減らせないかと思ったり。

 

アイディアを出す、コンセプトを考えることはビジネスの根幹なのだと思う。

今後もたくさんアイディアを求められる時代は変わらなそう。
むしろ酷くなりそうので、諦めてアイディア・コンセプト生成装置として働くしかないと思っている。

 

その一方で、自分を追い込みすぎないように考えておきたいこともある。
それは、あるものを別なものに流用するって実は大変難しいってこと。

 

メルカリとかが例だと思うけど、フリーマーケット業を主としていて
他業種になんとか手を広げられないかと考えること。

これがなかなかうまくいかない、当たる事業がとても少ない。

 

飲食業が、例えばホテル事業とかやろうとしてもたぶん難しい。

「お客様へのおもてなし」という軸で頑張っても難しい。
「満足のいく食事」という軸でもやはり難しそう。

うまくいくなら、多くの飲食業がやってるはずだけどそういった例はたぶん少ない。

 

一見既存の事業の技術を使って展開できそうなものだが、うまくいかない。
「プロダクトアウト」のような自分たちの強みを生かした商品・サービス開発。

自分たちの工場とかを流用できればコスト削減できてうまくいきそうだが…
その業界で生き残っている既存の会社よりも差別化できていなかったり、
求められているものが根本的に違うのかもしれない。

 

IT業界はソフトウェアのようなある意味実態を持たない、仮想的なものを売る。
そうすると、いろんなものに応用ができるように思える。
もちろんWindowsLinuxのようなOSは、いろんな業種に役立つ。

ITで働くエンジニアは共通化・汎用化を好む。
いろんなもので使えたほうが便利だから。便利なことはいいことだから。

 

けれど、サービスはどうもそんな単純な話ではないらしい。
技術的に汎用性が高かったとしても、サービスが汎用的であっては競争に勝てない。

 

社内の飲み会と忘年会、お客様の接待では微妙に満足させる方向性が違う。

お土産も親族向けと役員の方向けなどでは、やはり細かな違いがある。
例えば役員の奥さん向けに満足のいくものを渡したほうが喜ばれるとか。

あらゆるお客さんに満足される居酒屋はたぶん作れないし、コストで負けるだろう。
だれにでも喜ばれるお土産は作れないし、特化したものに負けるだろう。

 

あらゆる施策において、ちょっとずつ求められる専門知が異なる。
アイディアを出してなんとかする、というのは想像より難しいことではないか。

人生あらゆることにアイディアはかかわることだけど、
それゆえ奥深く、非常に難しい。けど、多くの人に求められていることでもある。