かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

自分が本を買うきっかけや基準と本棚の継承という考えについて。

 

自分で選んだのではなく人に惹かれて買った本が多い

スゴイ人や圧倒的な知識を持った人の素晴らしい記事を読んだりすると、こんな人に少しでも近づけないかなと思う。この人の言葉は一体どこで身につけたものなんだろう。斬新な切り口の考え方はどのように学べば生まれてくるのか。この人の背景になっている知識群を自分も身に着けてみたい。その知識を自分でしっかりと取り込めた時に見えてくる景色はどんなものなんだろう。自分の考え方がどのように広がっていくのかワクワクする。

だからその人がオススメしている本や人生に影響を与えた本を紹介していたりすると自分も読みたくなる。また感銘を受けた本について詳しく調べて、その著者の書いている本を集めて共通の考え方を探したり自分でまとめてみたりする。その人がさらにオススメしている本や参考図書を見て更に深く知ろうとする。こんなことを繰り返しているとどこまでも人の歴史が繋がっているんだな…と思う。

気に入った本屋さんのPOPや陳列もあまり意識はしないけれど店員さんのセンスやお店の方針が反映されている。だから何度も立ち寄ってみて自分にオススメしてくれる新作を楽しみにしている。…そういえば本のコンシェルジュはみたかぎりメジャーじゃない。本を買うときは基本的に目的があって買いにくることが多いからだろうか。それともコンシェルジュという案内人よりも自分で信頼している人のオススメのほうが心地いいからだろうか。

 

自分の本棚は誰かの本棚の継承を重ねて作られたものだろうか

こんなことをつらつらと思ったのは、本棚の整理をして気づいたことがあったからだ。毎回掃除をするたび本の配置をコロコロ変えているのだけれど、今回は買ったきっかけや本の派生を意識して並べてみた。やってみるとわりと面白かった。他人から見ればまったく意味の分からない本棚に見えて、自分からは筋が通っている本棚になった。自分の本の購入履歴、興味派生順とでも言えばいいのか。

そうして出来上がった本棚を見ると、ある著者の影響が濃厚に出ているブロックがあったり、人がオススメしたところ、その時の流行、新しく学ぼうとした形跡などが見て取れた。自分は自分の意志で本を選んで買っている気がしていたけれど、実際には他人のオススメや他人が辿った道を自分も辿りたくて買ったものが多かった。

 

自分が感銘を受けた本の著者の考え方をもっと知りたくて、その著者の本を買い集める。そうして考え方の背景が掴めるようになると、その考えが生まれるきっかけになった歴史にも目が行く。その歴史を紐解くヒントになるのは巻末の参考図書のはずだ。参考図書を買い集めてみて、本棚に置いていくと新しい本棚が出来上がる。自分が手に入れた知識の本棚だ。その本棚はあたかも著書の本棚の継承のように思えないだろうか。

自分が得た経験や知識を編み込んで作るものが本だとするなら、もっと大きいくくりで自分が手に入れた本を本棚に収容することはなんだか新しい本棚を作ること、本棚を継承していると考えるとちょっとロマンチックじゃないだろうか。本が身近にあふれている家で育った人は本当に家族の本棚を継承しているのかもしれない。

 

おわりに

この本棚の継承という考え方は”本棚を見るとその人のことがわかる”という迷信じみたことがベースになっている。あまりいい表現ではないかもしれない。しかし多くの人は親しい人でも本棚を見られるのが恥ずかしいと感じるはずだ。それは自分の趣味趣向や考え方の癖などが見抜かれてしまうと思ってしまうからだろう。自分のことがばれてしまうという気持ちがあるからだ。だから本棚というのはある意味自分の持っている知識の保存庫のように扱われてもおかしくないはずだ。

本棚が自分の考えや視点を形作っているものと考えて、そして著者と新しく出会ってより深めていくことでその著者の本棚を継承するという考えはなかなか面白いのではないだろうか。自分にとって本棚というテーマは非常に興味深いものなので、今後もう少し深く掘り下げて書いていきたいと思う。