NetflixでHELLO WORLDを見た。サジェストでおすすめされていたので、なんとなく。
結果としては大当たり、すごく面白かった。
全編3Dモデルで作られているのだが、だんだんストーリーに引き込まれて気にならなくなる。クオリティも高いので違和感はほとんどない。
以下はネタバレ込で語っていく。
ストーリーとして面白かったのは主人公たる二人の持っている属性。
学生時代の自分は奪われる・自信がない・勇気がない人間・利他的。
先生としての自分は自信家・他人から奪うことに躊躇がない・利己的。
この利他的vs利己的な対立が中盤から終盤にかけてのテーマになるのが面白い。
ヒロインも「あなたじゃない」というのは本人たちがやってきた行動の違いからだろう。
そして主人公は物語の中で成長していく。
自分で選択して、自信をつけ、奪われたものを取り戻す。
一方、先生としての自分は誤りを受け入れる。受容する。そして、道を譲る。
利己的から利他的に変化する。
この二人の心理変化が核になっていて見ていて気持ちがいい。
ヒロインも舞台としてのシミュレーターも、特殊能力もただの飾りだ。
本当の焦点はやはり主人公の二人の変化そのもので、わかりやすい。
ストーリーにはいくつか難しい点がある。
例えば今の自分たち、アニメを見ている自分の生きている世界がシミュレーションで構築されたかどうかは我々はおそらく知ることができない。が、果たしてシミュレーションの中でさらにシミュレーションを行うことができるのか?
無限の計算能力を持ってして、無限の計算能力をもつシミュレーションを内包し続けることができるのか?これは直感的に無理そうだが、なんかすごいPC技術があったら可能かもしれない。
リアルタイム性について疑問にも思うが、シミュレーション世界と現実世界の時間が1億分の一とかならば余裕で可能だろう。まあそうなると恐竜時代から進歩するまでずいぶん時間がかかりそうだが。
そういった問題も考えられるが…まあ物語としては考察しても意味がない。そこが大事じゃない。大事なのは主人公たちがそれぞれに持っている想いが叶うかどうか。お互いの願いは対立しているが、それでもぶつかりあい、成長し、受け入れられる未来にたどり着けるか。
そういう視点から見ると本当に、実に良いストーリーだった。とてもおすすめ。