かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

記憶に残らない優しさっていいよね。

 

きっと覚えてないだろうけど、ありがとう

昔キツイ状況の時にそっと「気にすることないよ」と声をかけられた。たったそれだけなのに泣きそうになった。あまり普段喋らない人だったのに自分を気にかけてくれたことが嬉しかった。

 

おそらく本人はもう覚えていないだろう。でも自分は今でもずっと覚えていて、ふと辛くなった時の心の支えになっている。もう十年以上も前のことなのに。本人にとってはなんでもない、本当に些細なことだったのかもしれないけれど自分にとっては大事な思い出のようになっている。

 

昔読んだ本に周囲への見えない心配りを大切にしてみましょうという文章があったのを覚えている。例えば手洗い場で手を洗うとき、周囲に水がはねてしまっているのを見て気配りで拭くことができるとよいですねといったことが書かれていた気がする。忙しいときや心に余裕がないときはそういったことに配慮すらできない。

 

だが忙しいときでも手洗いには必ず行くのが人間だからたまに、言葉を思い出すことがある。そんなとき本を書いた著者が「心を忘れていませんか?」と見えない優しさで諭してくれているような気がする。とっくに本の名前も内容も思い出せないけれど、そういった言葉だけは今も心の中にあってやっぱり支えてもらっている。

 

 そんな風に世の中で誰かが与えてくれた善意なんかが巡り巡っていること、そして巡らせた本人がそれを忘れている。けれどどこか優しい気持ちになれるような。どれはきっとどこかに溶け込んだ優しさなんじゃないか。そう思うとちょっと暖かい気持ちになれる。

 

おわりに

 このブログもいつか誰かの役になっていたなら嬉しい。書いている時は特に役立つことを考えてはいないのだけれども、それでも誰かの役に立てていてくれたら。それは自分からは見えないし、きっとそれを知ることはできないだろうけど。それでも自分がちょっとだけ世の中にたくさん巡っている善意に加われたらいいなあと思っている。