あの日をもう一度…
この間、駅ナカを通っていると知らないアニメかゲームの看板があった。それを見てついていけない自分を寂しく感じ、ふと2000年代のアニメ界隈の雰囲気をもう一度味わいたいなあと思った。放送日が待ちきれないわくわく、自分も一員であると感じることができたあの雰囲気。
そう考え、それはクレヨンしんちゃんのイエスタデイ・ワンスモアだなと苦笑いした。こうして大人になってからイエスタデイ・ワンスモアがやりたかったことがわかるし、自分もそれに憧れてしまう。
劇中では20世紀の懐かしいニオイなるものを持ち出して全国にばらまくという計画だったが、懐かしいニオイとか雰囲気、空気感は確かに思い出の中にあったなと思う。
そうしてつらつら歩いていると、ふとTwitterのことが思い浮かんだ。そしてSNSのデータやブログ記事は情報の無駄遣いだとか言う人々のことも浮かんだ。
思うに今、現在のTwitterとかSNSとかブログ記事とか…すべては無駄ではないのだ。すべて感情とか時代の潮流を示す貴重なデータなのだ。そして…怖いことを思いついた。VRなどで我々はイエスタデイ・ワンスモアを再現できるのではないか?
今ではGoogleMapで過去の地形データを見ることができる。あの時あの場所では自分の家があった…そういったデータが現代では着実に保存されていっているのだ。アニメの実況データやニュース、個人のブログだって無料で保存されているのだ。
これらを現実のように…イエスタデイ・ワンスモアなブラウザとPCを使い、VRなどをかぶり自分の生活らしくできれば完全な世界になるんじゃないだろうか。そこにAIの予測を入れれば完璧な過去の仮想現実が誕生するだろう。それも自分の意のままになる、いつまでもそのままの、自分だけの完璧な空間だ。自分のリアクションを受け入れ、世界もそれに応じて変わるならまるで現実そのものみたいじゃないか。
それは幸せなことなのかわからない。けれどもそういった世界が必要な人もいつかきっとどこかにいるのではないかと思う。そして欲しがる人がいれば実現しそうなものである。
なぜか団地を完全再現してしまう人もいるし、過去はこうだったであろうという歴史を再現した完璧な3DCGや文化財の電子保存なんてのも需要としてあるだろう。そう思うと、未来では2018年に完全にイエスタデイ・ワンスモアできるのかもしれない。