かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

胸の苦しくなるおまけ

 

客足が少ないお店でものを買ったとき、おまけとしていろいろくれる事があると思う。
あれが苦手というか…胸が苦しくなる。切ない。
経営に余裕があって、常連になっておまけしてくれるのは嬉しい。
でも、ちょっとでも…必死さのあるおまけは切ない。
責めるわけじゃなくて、どうにもならなさが。寂しさが。

 

むかし学生だったころ、お弁当屋さんがあった。立地が悪かったせいか人が来ない。
うわさにもあまりならない。
でも自分は店員さんとか店の雰囲気、頑張り具合が見えて好きだった。
ただいかんせん立地が悪く、わざわざその店に行かないと買えなかった。
おまけに学生だから小遣いも少ない。通学とかで行かない以上、頻度は少なかった。

 

ある日、なんとなくでお店に行くと店員さんがぱっと明るくなった。
おやつにと思って買った一つのおにぎりに対して、おまけに3つくれた。
いいからいいからと…。そんなには食べれないのに、どうしてもと押し切られた。

結局家族に食べてもらったが、味はよかった。おいしかった。
ただ切なかった。お金の持っていない学生に、おにぎり1つに3つも…。
いよいよかな…と思って2,3ヶ月後くらいにその店はなくなった。

 

一人がリピーターになってもあの店は救えなかっただろう。
でもちょっとでも味わってほしい、良さを知ってほしい、もっと食べてほしい。
そういう優しさがあったと思う。ただ、苦しかった。
無碍にできない。受け入れるしかない。でも、返すこともできない。

 

今でもおまけをちょっとつけてもらうとき、ふと思い出がよぎる。
弁当屋さんは元気にしているだろうか。
なんだか切なくなる思い出として今も忘れられない。