かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

Noitaは死んだら最初からになるから面白い

 

死にゲー

Noitaという呪文を使ってダンジョンを攻略する2Dゲームをプレイした。
まあこれだけの説明だとふーんで済むのだが、特徴はその難易度にある。

 

激ムズ死にゲー。セーブなし(中断セーブはある)。
死んだら全部1からやりなおし(中断セーブはもちろん消える)。
引き継ぎなし。HPはわずか。
敵の攻撃力および命中精度高め。
事故死多数。自爆等頻発。
回復アイテムほぼなし。(通常プレイにおいて回復する手段がごくわずか)

 

こんな超絶難易度のゲームがなぜ人気があるのか。
Noitaから自分が感じた面白さを3つ書こうと思う。
「化学反応の楽しさ」「呪文の組み合わせのワクワク感」「全部消えるのも楽しい」

 

化学反応の楽しさ

Noitaは様々な液体が出てくる。水、血、オイル、猛毒ヘドロ、スライム…
これらに対して火をつける、凍らせる、中和する…などを引き起こすことができる。
オイルに火をつければ炎上し、煙が発生。長時間煙に入っていると酸欠で死亡する。
魔法文化らしいポーションも存在し、触れるとテレポートしたり、攻撃力があがったりするものがある。

 

いわゆる属性の相性だ。火は水に弱く…のような。
ただし通常プレイで一切説明はない。チュートリアルもない。

知識が一切ないとそもそも火や毒を水で鎮火、中和しようなんて考えられないだろう。
ダンジョンの中で”たまたま”そういう現象をみて、観察力の良い人ならひょっとして…と気づくかもしれないレベルだ。


自分は2,30回死んだあと、Wikiを見てはじめて毒や酸は水で中和可能なことを知った。もちろんこうした効果は敵にも有効で、うまく活用して倒しやすくすることも可能だ。
地形に対しても有効なので酸を使って地面を溶かしつつ、敵も巻き込むこともできる。

 

慣れてくるとダンジョン攻略においてコツが掴めるようになる。

まずは見ること。Mapを見て、敵、地面、危険物を確認。退避経路も考えておく。
次に地面の効果などを見る。毒、酸などがあれば中和できるように準備する。
で、厄介な危険物。オイル缶、爆発物、冷凍ボンベなど。
自分で破壊することも可能だが、敵の流れ弾でも爆発したりするので先に処理するか、巻き込ませるか…。

 

ダンジョンを探索して敵を倒すだけじゃない。
地形そのもの、危険物をどう処理するか考えなければならない。
感覚的には危険物処理を一つ一つ、ちまちまやる感じに近い。
焦って突撃するとHPの少なさ、被ダメージ硬直で一瞬でボコボコにされ死ぬ。
安全な場所を作り出し、一つ一つ敵、危険物、地形を攻略していく慎重さが必要だ。

 

呪文の組み合わせのワクワク感

Noitaは基本的に魔法を使って攻略を進める。
というかまともな攻撃手段は魔法の杖を使った呪文しかない。
この魔法の杖は回数無制限のものと回数制限ありのものに分かれる。
電撃やレーザーを出すものは無制限で、爆弾など地形を大きく変える威力の高いものは回数制限ありだ。

 

呪文は威力が高く、付与される効果が大きいほど自爆の危険性が高まる。
例えば強力な爆弾が間近で爆発すれば死亡は避けられない。
呪文の組み合わせによっては目の前で爆発する自爆コンボを決める羽目になる。(実際よくある)

 

だが敵に向かって追尾+電撃があたったら追加呪文発動+危険な爆弾のように組み合わせれば安全に利用できる。
この組み合わせを考えるのが面白い。
例によってチュートリアルが一切なく、魔法の説明もとても少ない。


使ってみるしかわからないのだ。組み合わせた結果もやってみないとわからない。
なので強力な呪文を組み合わせ、ときに自爆した経験が大事になる。
だんだん死んだ経験を積み重ねていくと、どんな呪文が汎用性が高いか、組み合わせると便利かわかってくる。

 

それが面白い。ドミニオンのようなボードゲームに似ている。

 

全部消えるのも面白い

Noitaはゲームオーバーになると最初からすべてやり直しだ。
頑張って作った最強の魔法の杖も、アイテムも全部なくなる。
頑張って攻略したダンジョンも、毎回ランダム生成される。道もわからなくなる。
最初はこの仕様に絶望していた。こんな難易度は無理だと。

 

だが呪文のカスタマイズ性がドミニオンに似てると感じると楽になった。
ドミニオンもいくら自分が思う最強のデッキを作ってもあっさり負けることもある。
そして最初からになる。なにも残らない。でも面白い。
ボードゲームは強くてニューゲームがほぼない。一期一会。
基本的にカードの効果を組み合わせる発想が物を言うゲームだ。運要素も多い。

Noitaも同じだ。呪文を組み合わせ、敵や地形の対処方法を学び、運の良さを祈る。
ボードゲームライクだと考えれば面白い。普段のゲームに慣れているから難しいが。


すぐに死に、最初からやり直すことを続けるのは試行の回数を増やすことと同義だ。
そして試行の回数が増えれば多くの呪文に触れることができ、組み合わせをたくさん試せるようになる。
どの呪文がよくて、どの呪文がハズレか。そういうドロップに対する判断ができるようになると面白くなってくる。

 

おわりに

買ってから3、4日で30時間程度プレイした。ドハマリの部類である。
最初は最強の杖を作って地形などを無視して大破壊してクリアしようとしていたのだが、それは無理だと悟った。ド派手な魔法は自爆しやすいのである。

コントロールが効き、死ににくく、ちまちま見敵必殺できる杖がよい。地形を見極め、有利な場所を作り、一体ずつ安定して処理することがクリアによい。


動画とかでド派手な杖作ったものが流れてきたりするけれど、誘惑に負けてはいけない。大事なのは生存なのである。派手な杖を作っても生き残れなければ意味がない。そういうシビアで現実的なゲームデザインを感じた。

たまーにそういうド派手な杖を作ると楽しいのだが、そういう杖は後半にならないと手に入らず、そこでド派手なものを作って盛大に自爆するとさすがに天井を仰いでしばらく放心し、今日はもうやめよう……あと一回やったら。みたいな感じになる。

最後にNoitaで有名なゲームの紹介文を。まさしくこのとおりである。

「ノイタとは、Noitaと書いて「お前が楽しい魔法の組み合わせで死ね」と読むのではないでしょうか」

dic.nicovideo.jp