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かやのみ日記帳

読書の感想や思想を毎日書いています!

研究室の教授との付き合い方を変えてうまくいった話。教授を共同研究者に引きずり込む。

 

anond.hatelabo.jp


たまたま見かけたところから、上記の「生きる目的とは」にたどり着いて自分とすごく似ているなと思って書いた。自分も大学にいたころ、研究室に配属されてからは発声練習にお世話になった。ためになるけど、自分の弱いところをぐさぐさ刺されてウワァー!となる。さすが教授。教授という人種は的確に急所をえぐる技術を持ってるなと感じた。

 

 

このままでは卒業できないと言われてしまった

私は研究室に入って絶望した。やっていることの難易度が高すぎる。研究室の説明会の頃から果てしなく難しく、授業ではやっていないような高度な内容をバンバン使い、優れた先輩方がひしめく魔境だった。かなり真面目な人が多く、ちょっとのことではへこたれない。教授からのものすごく手厳しい指摘、罵声ではと思うほどのものを浴びてもケロッとしている。いやしてないけど、お酒飲んで愚痴ってさっぱり忘れたり機嫌悪かったんだろーなと解釈してたりと人間が素晴らしくできていた。

 

自分は授業を適度に受けつつ、そこまで熱心に学んだこともない。また研究室でやっている内容に詳しいわけでもなかった。ただ教授の教え方が上手かったのと、先輩方の頭の良さにスゲー!ああなりたい!と思って入った。自分も頭良くなりたいな~とゆるく入ったのが運の尽きだったのかもしれない。

 

自分も上記エントリと同じように非常に恥ずかしいが、難易度の高いテーマを選んで玉砕した。木っ端みじんに砕けた。一番長く研究をして、真面目に取り組んだが、一番出来が悪かったのが自分の研究だった。

next49.hatenadiary.jp

だいたい上記エントリの悪循環そのままを綺麗に実行した。

聞くのが恥ずかしいというよりも勉強が足りておらず、研究に進めない。研究を慌てて進めると知識が不足して何をやってるかわからない。そうすると時間が過ぎていき、無駄にあがいて…という負のループである。至極真面目に1から10までやらないと、気が済まなかった。だが10までやれるほど頭がよくなかった。とても中途半端でストレスが溜まっていき、自壊した。

 

このままでは卒業できないと教授から通牒された。全て終わったと思った。

 

完璧に自滅したのだが、そこから復活した。というか後がないという火事場の馬鹿力を発揮した。この野郎、絶対卒業してやるぞチクショウという気持ちである。ここまで見当違いで無駄な努力をしたが、ここから取り返してやる!見当違いの努力ができるなら、軌道修正して同じ程度がんばればどうにかなる!

 

つまり自分の失敗は努力が足りなかったわけでもなく、頭が悪かったわけでもない。というか頭が悪いのはしょうがない。それよりも、研究のやり方、報告、相談の仕方、努力の方向音痴だったのが全ての元凶だと責任を押し付けて復活した

 

だいたい頭が悪くても卒業できる奴は卒業できる。自分は平均的な成績を3年間はとってきた。単位だって足りている。だったら卒業してもいいはずだ。平均的な成績をとった人間の大多数は平均的に卒業論文を仕上げ卒業できる。だったら自分にもできてよいはずだ。そんな感じで必死に自分を鼓舞した。

 

教授からの最後通牒は自分の心臓を少し止めたが、よく考えれば”このままでは”だ軌道修正が必要だぞ、という意味で伝えたんじゃないか?そして、これからお前本気でやらないと間に合わんぞ?という最後のやさしさのはずだ。それを信じて謝ろう。この際教授をとことん利用して、絶対卒業してやる。恥なんか知るか、卒業したら二度と会わんぞ!そうして全力で教授と向かい合って研究をやっていく決意をした。

 

教授に本気で張り付いて助けてもらう

その後、本気で教授の部屋に謝りに行き、心を入れ替えます、今までは教授の意見を聞かずに暴走列車してましたスイマセン等を言い、土下座しようかなと思っていたが、謝ってみると不思議と先生は許してくれた。許してくれたというよりは、非常に苦々しい表情でまあやるなら止めないよ…ぐらいの気持ちだったが。教授も信じていいか半々だったんだろう。

 

とにかく卒業に必要なテーマにすることを二人で相談して決めた。発表までのスケジュールを逆算し、区切りを設け、頻繁な相談、報告をすることを確約した。結果がすぐにでも出ようもんなら、どこにいても報告に行きますがよろしいですか、というぐらい前のめりになることを決めた。

 

先輩方も頼りになる。細かいことなどは先輩のほうが熟知している。しかし研究の方針や目標、疑問点などは教授に聞いたほうが絶対良い。なぜなら年季が違うからだ。例え博士課程にいたとしても一線級でずっと研究を見てきた教授の意見よりも重くはない。

 

先輩方の意見は貴重なものとして参考にしつつ、あくまで卒業を認める門番の声を一番に大切にした。先輩方がOKといっても卒業はできないのだ。逆に教授が首を縦に振れば卒業はできる。なあなあに慰め合ってても卒業はできないと戒めた。

 

教授の時間は有効に、そして全力で奪い合うもの

それから猛烈に研究を始め、教授の時間をひっきりなしに奪うようになって初めていろいろなことに気づけた。

 

教授はあまりにも忙しく、そしていろいろ忘れる。当たり前だが、忘れる。自分にとって研究は一つだが、教授にとっては過去、現在、生徒の分も含めると数十は当たり前だ。

 

研究室の生徒はそれぞれ研究を行っていて、それぞれ進捗報告はある。それに加え教務の仕事もある。みんなが教授の時間を欲している。貴重なのだ。だからこそ奪い合わなければならない。そこを遠慮すると卒業が遠のく。

 

自分が一番ピンチなら、なりふり構わず奪ったほうがいい。教授だって一番ピンチの人間の世話は欠かせない。来年度居座られると面倒だからだ。今年の面倒ごとは今年に片付けたほうがいい。

 

そして教授からなるべく頻繁に、そして軽く奪うことが互いにとって重要だと知った。日ごろから簡単に進捗報告をしていれば、それだけ一回分の報告は短く簡潔で済む。そして教授の記憶も忘れにくいし、何より憶えててくれる。時には教授から顔を伺いに来てくれる時だってある!これは本当にうれしかった。そして教授も安心していた。そういえば昨日あれやるって聞いたけど、調子はどう?なんて聞いてくれる。自分も安心して報告ができる。これが研究のあるべき姿だと知った。

 

正直、定期の進捗報告なんて待ってちゃダメだ。あんなのは発表練習とかに過ぎない。毎日でも報告するべきだった。結果が出れば大喜びで駆け込んだってよかったかもしれない。遠慮しすぎた。時間の奪い合いに負けていた。

 

教授は思ったより容赦なく忘れてしまう。一週間前の記憶なんてありはしない。唖然とするが、完璧に忘れ去られると思っていい。だからこそ定期の進捗報告では前回からの説明を綿密にしておかないとボコボコにされたり、教授自身が言ったことと矛盾することもある。これは本当にめちゃくちゃある。これを防ぐのに有効なのは、もう細かく報告してしまうことだ。場合によってはメールを送り付けるだけでもいい。前回の資料と今回の資料をくっつけたり、短く前回の資料をまとめたりと必死で記憶の御膳立てが必要だ。その際教授から言われたことを添えるべし、だ。

 

憶えられないなら絶対録音してでも記録する。自分は実際に記録していてめちゃくちゃ助かった。ホントぽろっとアイディアが出て勝手に興奮されて爽快と去ってしまうからだ。マジで困る。あとで聞いたら怒られるかもしれないし、もしかすると忘れてることすらある。教授の時間を奪ったら、それを絶対に逃さないことだ。拾ったものは全て持ち帰るまでが報告である。

 

相当ピンチで教授が助けてくれるなら、きっと良い方向に向かうはずだ。自主的に監視される心構えを持つと教授もコイツは隠し立てしないし、進捗も見え透いていてわかりやすいと安心される。場合によってはちょっと助けてやろうという心も出してくれる。

 

卒業研究で学んだこと

大ピンチになって研究を一からやり直して気づいたのは、教授を共同研究者にきちんと仕立て上げることだ。自分の研究をきちんと自分で見てもらうこと。御膳立てすることだ。そして互いにとって大事であり、同じ目標に進んでいるんだという意識を持つこと。

 

決してやらされて、報告させられるような立場にしないこと。もちろん教授のほうが立場が上だが、極端に下ではいけない。尊敬しつつ、互いに信頼関係を築いて進めることが大切だと知った。そしてそれは細かい進捗報告や相談によって築ける。

 

さいごに

私は案外どうにかなって卒業できた。教授のバックアップでどうにかなった、というよりも方向を細かく修正され、教授自身が安心して指導できたのが大きかったのではないかと思う。自分も安心してスケジュールを立てて、きっちりそれを遂行できた。

 

当初の難易度からはずいぶん下がったけど、それでもいい発表ができて教授も少し満足そうだった。質疑応答でも毎回教授に会っていたためかスラスラ答えられて自分でも驚いた。

 

自分が失敗して得たものは非常に大きかったけど、迷惑をかけた分もすごく大きかったし、なによりもったいなかった。教授からもそこを惜しまれてしまい非常に申し訳なく感じた。

 

教授ともう少し向かい合って戦えばよかったなあというのが自分の後悔である。大学時代最後の最後でもったいないことをしてしまった。

 

教授を雇おうとすれば尋常じゃなく高くつく。だからこそ大学生はぜひ有効活用してほしい。大学教授を有効に使えるのは大学生の特権かもしれない。