自分の好きな生き方
はいふり(ハイスクール・フリート)一話で艦長に指名された岬明乃ことミケちゃんは不安を口にする。自分が艦長にふさわしくない、もっとふさわしい人も大勢いると。それに対して教官は明乃の思い描く艦長像を聞く。そしてそうなればいいわと去っていく。
このシーン、何気ないしさらっと流れてしまうのだけれども最高に良い。教官はまず質問にはあんまり答えてない。けれどもそれ以上のものをかっこよく返しているのがすごいなあ、濃縮されたシーンだなと思う。
艦長とは指名されたからなるものではなく、自分の思い描く最高の艦長になってゆくプロセスこそが大切なのだと説いているのだ。それは教員として正しい道の示し方だと思う。だれしも勇気もないし最初から経験もない。それでも選ばれたからには…もしくは選んだのなら自分を信じて進むしかない。
一話の最初のこの言葉がハイスクール・フリートの話の展開を通じて描かれていく。岬明乃は確かに決断力があり艦長としての適性がある。なによりも仲間に慕われるし十分な才能を持っているように見える。
だが話の通り親友を優先するあまり仲間をそっちのけにしてしまうし、副長との仲がちょっとこじれてしまうシーンもあった。だが、そこから自分が仲間を待つ立場になったときに仲間の気持ちをわかることができるようになった。
そして信じてくれる仲間のために正しく行動できるようになった。艦長と副長の連携もきれいになり指揮系統が正されていった。いい話だ。
とまあハイスクール・フリートは最高の物語なのだが、大事なのは自分の望む人生を自分で決めて生きてゆくということだ。才能とかそういう問題ではなく、自分が望む役割を精一杯生きること。それを自分はつい忘れてしまう。
よくやってしまうのは時間がない、忙しい、勉強が足りない、怖い、チャンスがない、安定しないなどなど。よくある不安と言い訳ばかりだ。結局いまのままが居心地がいい。そういうところがあるのかもしれない。
けれども望むことは悪いことじゃないし、自分の人生は自分で決めなきゃいけない。受け身のままじゃ何も変わらない。それどころか悪いことにもなっていく。なにもしなければ現状維持ができるほど現実は甘くない。それをわかっているはずなのに冷たくなるまでぬるま湯にいたくなるときがある。
それでも人生、自分の好きなように生きてゆくべきなんだろう。それは自分勝手なことじゃない。そうじゃなくて教官からみたいに叱られるべきなのだ。自分の好きな人生を生きなさいと。自分の理想の自分になれるよう努力しなさいと。いつの間にか諦めがちになってしまうが、自分を叱りつけないといけないのだろう。
最近自分の人生に自信が持てず、おまけに苦しんでいるのでこういうことを書いておきたかった。自分が何が好きなのか、どういう生き方をしたいのか。憧れているのか。それに対してそう生きろと叱られたとき、自分はなんと返せばいいんだろう。そんなふうに思う。