かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

フォトグラメトリをVRで撮影するともはや本物

 

ぱっと見た感じただの現地に行って撮った写真(VRChat: Daikokuyu By 龍 lilea)

#大黒湯VR 北千住のキングオブ銭湯「大黒湯」が惜しまれつつも閉店、そして解体へ 歴史あるこの銭湯を遺したく、フォトグラメトリにより3Dデジタルアーカイブしました。 3650枚の写真から生成。 銭湯で憩いのひと時をどうぞ 。

たまたまVRChatでワールドめぐりをしていたら、こんなワールドに出会った。
そこで撮ったのが一番上のスクリーンショット。ぱっと遠目で見ると本物の写真ではなかろうか。フォトグラメトリで作成されているから、実際の写真から作成された3Dモデルなので、本物らしいというか本物に違いはないのだが。

とはいえ遠目で見れば本物そのものだし、それらが3D、VR空間で立体としてきれいに見えるのはやはり何度見ても素晴らしく感じる。

 

非常に面白いのは、現実で撮った写真は天候・時間の経過をだすのが難しいということだ。撮った瞬間で空間が固定されるようなものだ。太陽光の傾きの変化とかを出すのはちょっとむずかしい。

こういった分野は今後AdobeがAIなどを利用してとんでもないレベルのものを作ってくれるだろうなと思う。Adobeはゲームなどのテクスチャ、表面や布・素材の作成に使われる3DペインターソフトであるSubstance Painterを買収している。で、しかも写真から表面の画像を作り出し、3Dに貼り付けられるなんてのも作っている。

 

今はまだ一般的にフォトグラメトリで作成されたものはどこか歪みがちだ。とくに細いものは非常に苦手である。これはカメラの解像度というべきか、人間の手のブレの影響が大きいと言うべきか。測定の分解能の問題でもある。だが、こうしたものについてAIによる推定や補正をかけることで、より綺麗な立体へと修正可能だと思う。もちろん人間が手作業で直しても良いのだが、それには膨大な苦労がかかるだろうから。

 

まあ、多少歪んでいるとは言え思い出に浸るには十分すぎるほど十分だ。世の中の人はGoogleMapを見て、在りし日の思い出にひたることもあると思う。だが、フォトグラメトリによる3Dモデルはそれらを遥かに凌駕する。個人でもiPhone12Pro,13Proを持っていれば手軽に作れてしまうのだ。

病気になって家に長期で戻れない人も、これを使えばいつでも自宅に戻れる。災害などに備えて自宅を思い出として保存するのも絶対に悪くない選択肢だ。さらに、普段から家具の新しいものを置くときにどう見えるかなど、それらを活用する方法も多い。

 

いやー素晴らしいものを見ると、これから先の技術の発展に心が躍る。細かい歪みとかそういうのはあとからどうにでもなる。大事なのはコア。核の部分だ。この技術は空間の保存を完全に行えているし、人間が思い出の空間でVR上で過ごすことを可能にしている。本当に素晴らしい。

容量が拡大し、VR機器の性能が上がれば街ごとVR化もできるかもしれない。在りし日の思い出の街を散策するアクティビティがあってもいい。昭和の世界を堪能するVRとか。今後に期待したい。

 

思うに、僕ら人間はおもったよりもリアリティを必要としないのではないかと思う。
はるか昔にはNintedo64で超リアルなんて言ってたわけだし。
自分は不気味の谷とかそういったものを完全に超えていると感じている。違和感はほぼない。むしろほどほどに歪んでいるからこそ、安心して過ごせる部分もあるかもしれない。ホントに完璧に再現されたら、たぶんリアルすぎて…少し怖いと思う。