かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

TeamLabプラネッツに行ってきた

 

いんすたばえ。

planets.teamlab.art

実はいくぞ!という気持ちではなかった。
たまたま東京モノレールに乗ってて看板に書いてあったから行ってみただけだ。

で、看板には2022年末に終わるとあったので、終わる前に行くことにした。

 

ちなみに好評なようで2023年末まで延長されていた。
Wikipediaをみたらオープン当初は2020年秋までだったらしく、
毎年延長しているらしい。心配して損した。

 

ともあれ、TeamLabプラネッツのびっくりポイントだが…入場料が高い。
なんとびっくり入場料3,200円である。Steamのインディーゲームよりお高い。
日本科学未来館の きみとロボット 特別展 は2,100円だから、さらに高い。

 

最初は値段にうげー!となったが、終わったあとにはこりゃ3200円の価値があるなとすごく納得していた。それだけの価値というか、施設に金がかかっていると思った。

たぶんだが田舎でやってれば2000円程度で済んだかもしれない。土地代と設備代が入場料に響いている気がする。が、それはそれとして大量に人が来ているようで儲かってますな、と思ったりもする。

 

さて、感想を書いていこう。
まずは…最初はデジタル技術を使った展示作品だと思っていた。
いわゆる美術的な…絵画の部分をデジタルに差し替えたものだ。
従来の2D的な絵画を置き換えたもの、彫刻作品を3D化したもの。
もっと現代アート的でも…地面にプロジェクションマッピングする程度だと思っていた。

 

だが、まず入場案内の時点で度肝を抜かれた。なんと土足厳禁だったのである!
入り口でまず靴を脱ぎ、ロッカーに靴を入れて、しかも靴下も脱ぐことになった。
わーお。こりゃなんかとんでもないことが起きるぞ、と思った。

 

で、まっさきに普通じゃない展示であることが一瞬でわかる。
ああ、なるほどこういうところで3200円の価値があるのね…というサービスっぷりだ。
あんまり書きすぎるとネタバレになるので書かないが。

 

この施設は”体験型アート”と説明されていた。今まで自分が体験してきた”体験型”というやつは例えば像にふれることができるとか、自分の影をかざすと映像が変化するとかその程度だった。自分が行動することで、表現されているものが変わる。

 

ところがこの施設は全く違う。自分が強制的に作品の中でもがくハメになる。
体験しないという選択肢は存在しないのだ!先に進むには体験しなきゃならない。
そこでなんていうか…悟りじゃないが、気づくことになる。
ああ、なるほど。そういや自分の体で世界を見るとか感じるってこういうことかと。

 

普通の美術館では体験することを予め自分たちで準備することができる。
刺激は視界から。目でゆっくりと自分のペースで見ることになる。
表面のでこぼこ、凹凸、素材感…それらを自分の目でゆっくり鑑賞する。
それはある意味で低刺激な観察だ。自分で感受性を高めて、読み解く必要がある。

 

一方でTeamLabの展示では…もうダイレクトに思い出させる。
自分の体の感覚を一気に思い出させる。そして、こういうのもありなんだと教えてくれる。もっと自由でいいということを思い出せる。童心に帰る思いだ。

 

もしかすると身体感覚という中に芸術を埋め込んだ作品なのかもしれない。
芸術の中に感覚を想起させようとしたんじゃない。
ダイレクトに伝わるものの中に、芸術の要素を加え、味わい深くした。

 

ある休みの日に山に行って、川を見て、写真を撮り、新鮮な空気を吸い込み…
安全な場所なら足をいれて楽しんだりもできるだろう。だが、それだけじゃ自然なだけだ。芸術には少しだけ遠い。もちろんそのままでも”芸術的”かもしれないが。

 

そういった自然で感じられる要素を抽出して、その上で芸術的要素をデジタル的に組み込んだ、そういう作品だと思った。

 

3200円をふんだんに、気前よく使ってくれるいい作品たちだった。
出し惜しみはなかった。むしろ利用者から3200円をもらって、こんなにど派手に芸術作品を作れるとは、と驚く。いいお金の使い方だと思う。あっぱれだった。