かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

Huluのお詫びは二か月後?最初から一ヵ月無料券をメールで配布しとけばよかったのでは?

 

リニューアルから時間がたって

kayanomi.hatenablog.com

Huluがリニューアルした後、突如として今までの視聴環境で見ることができなくなるというユーザからしてみたら”ただの不具合”が実は”サービスとして正しい在り方”と説明されて大炎上してからもう一ヵ月が経った。

 

多くのユーザがHuluに失望して解約→別なサービスへという道を選択せざるを得なかったと思う。けれどもHuluとしてはなんとしても顧客流出は避けたいというのが本音だろう。そこで対策として一通のお詫びメールが来ていたことに今更ながら気づいた。

 

さて、このお詫びメール利用者にとってはわりと重要な情報が書かれていた。それはお詫びもかねてサービス利用に支障があったと感じ、申告があったお客様にギフト券などをお送りするというもの。いわゆるソーシャルゲームの詫び石みたいなものである。けれども、この配布時期がいかにも遅い。とっても遅い。どうしてこんなに遅いのかと思うほど、遅い。大企業だからどうとかではなく、サービスをする企業として遅い。

 

お詫びメールの内容

とりあえず到着したメールの内容を引用する。

また、今回のリニューアルで多くのお客様にご迷惑をおかけしたお詫びといたしまして、Huluを1ヶ月間視聴できる「Huluチケット(1ヶ月分/1,007円)」または「Amazonギフト券(1,000円分)」または「iTunesコード(1,000円分)」をご提供させていただきたく存じます。
詳細につきましては、以下にてご案内させていただきます

 こちらは素直にHuluチケットだけでもよいとは思うのだけれど、Amazonギフト券iTunesコードの提供まで手掛けるのはちょっとすごい。事実上の返金という気もする。

 

■対象となるお客様
5月17日(水) 午前0時00分から5月31日(水) 午後11時59分の期間にHulu会員であったお客様で、視聴に際し不自由をお感じになったお客様を対象とさせていただきます。
※上記期間の有料会員様と無料トライアル中の会員様を対象とさせていただきます。
※現時点で退会されている方で上記期間中にHulu会員であった方も対象とさせていただきます。
※既に退会済みの方に関しては、データ抽出の関係上、6月中旬にメールでご連絡する予定です。

これも問題ない。つまりリニューアル後に視聴していた全ユーザを対象ということで、ユーザ側からの申告により返金すという形。ちょっと首を捻るのは退会済みユーザの扱い。データ抽出の関係…。退会済みユーザは削除でもしていたのだろうか?このメールは6/1に来ていたのでとりあえず既存ユーザに向けてのお詫び兼流出防止といったところか。同時に送ればいいのに。

 

■実施方法 
Huluサイト内に「申し込み専用ページ」を新設して受付を行いますが、ページ開設に時間を要するため、受付は7月中旬頃を予定しております。 詳細につきましては、後日あらためてご案内させていただきます。

よくわからないのがこれ。申し込み専用ページを作るのに時間がかかるので7月中旬からご案内とのこと。そんなに時間がかかるのか。ユーザをこれだけ待たせてお詫びというのはちょっと対応としては鈍いのでは?と思わないでもない。よくないユーザが二重に申し込んだりするのを防止したいのかもしれないけれど、それにしたってちょっと遅くないだろうかと思う。

 

むしろ申し込み専用ページなんて作らずに期間中に利用したユーザにHulu視聴一ヵ月券を自動で配布したほうがずっと早くお詫びになっていたのではないだろうか。メールの特別キャンペーンのように扱ったほうが申込ページを新たに作って、管理して…という手間よりもずっと楽な気がするのだけれど。

 

 7月中旬  申し込み専用ページ開設
 7月中旬から下旬   受付期間
チケット等をお送りするメールアドレスの登録をお願いいたします
 7月下旬  受付締め切り
 8月上旬  ご登録いただいたメールアドレスにチケット等を送付

で、今後のスケジュールということでなんと不具合があったという報告から一か月後に払い戻しという、まあお役所対応みたいな感じである。5/17あたりからだいたい2.5か月くらいの長いスパンだ。なかなかじっくりとした対応のように思える。

 

こういう対応を見てるとちょっと邪推してしまう。つまり怒ったユーザとかもうHuluとかかわりたくないと思っているユーザ、めんどくさいことが嫌いなユーザというのはこういった申し込みをしない。だから返金額が10%~20%くらい減るんじゃないか。そういったことをちょっと考えてるんじゃないか?なんて思ったりする。

 

こういうのはキャッシュバックキャンペーンみたいなのもので、申し込みは来年でしかもこちらからは通知しないので忘れたらあげないよ?みたいな小賢しさをちょっと感じないでもない。

 

そこまでひねくれた見方をするのもどうかと思うけど、ユーザがサービスに対して悪い感情を抱いていると、その一つ一つの挙動を刺々しく見るようになってしまう。坊主憎けりゃなんとやら。もう少しスマートな対応はできなかったものか。

 

おわりに

まあユーザにきちんと返金し、なおかつその返金パターンをいくつか用意するというのは素晴らしい対応にも見えるのだけれども、サービスの障害対応としてその遅さが命取りなんじゃないかとちょっと思う。

 

通常怒り狂ったユーザや失望したユーザに対しては迅速な対応が求められる。それはお詫び文やもちろんサービスへの対応もあるのだけれども、実際に形としてお詫びをするならなるべく早めに、なおかつ自社サービス内で完結できるものを代替として渡すというのがオーソドックスだと思う。

 

この場合早めにHuluの一ヵ月無料券を配ったほうがユーザの心象的にはよかったはずなのになあと思う。例えばだけどリニューアルに期待していたユーザが一ヵ月券を購入していた場合、その一ヵ月券はまったく使い物にならずに契約終了になってしまう。そうなると失望したまま二か月待って、その後自分で申し込んで、改めましてもう一度Huluをお願いしますとなる。これじゃあまりにもサービスに対してユーザが期待が持てない

 

このお詫びの遅さ、Amazonギフト券やiTuneコードの配布は確かに疑似的に現金返還のような対応で企業としては正しいのだけれども、それでHuluというサービスに対するユーザの心はまったく離れていくだけだよねと。そこは怒れる客が現金で返せと怒鳴ってもサービスをきちんと運営するという心でもってしたたかに対応してもよいと思う。もちろん二度と起こさないことを誓ったうえでだ。

 

つまりこの対応はいったい誰のためのものなのか、よくわからないのだ。誰もあんまり得しないお詫び。不利益を被ったユーザはせいぜいプラスマイナスゼロになるだけ。既存ユーザにとってもお金が返ってくることは嬉しいだろうが、それで本当にサービスに対する信頼回復や期待感につながるとは思えない。

 

一ヵ月無料券を全員に配り、失ってしまった一ヵ月という時間に対して、私たちHuluのサービスにもう一度チャンスをください、使っていただいて最高の時間を過ごしてください、みたいな姿勢があればこそ既存ユーザも新規のユーザもついてくるのではないか。

 

…とまあここまで書いて、そんなユーザへの視点が欠けているからHDCP対応で見れなくなるユーザに対する配慮などがまったくできないままこのような炎上劇に発展したのだろう。つまりお詫びでも全然ユーザのほうなんか見ちゃいないのだ。これじゃこれからも期待なんかできっこないよなあ、なんて思ってしまう。

 

対応が始まるのは7月上旬ということで、そこでも申し込みが渋滞して炎上とか対象ユーザをわざわざ絞り込むとか意味不明なアンケートフォームで炎上なんてことがないことを祈りたいものである。