かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

手打そば 田奈部に行ってきた。

 

自分はそば好きである。気がついたら週に三回くらい自然とそばを食べるくらいに。

またそばのエントリはわりと多く、そばを題材にした本すら読んだりしている。

なので手打そば 田奈部にはとても興味があった。

 

手打そば 田奈部はVRChat界隈では知名度が高い。

どうも現実の飲食店がVR技術発信しているのが珍しいらしい。
界隈の技術者や有名人はここでオフ会をしたり、飲食レポートをTwitterに流すようだ。

なかなか高級店らしく、おいしいと評判らしい。

ならばということで、食べに行ってみた。本当においしいのか?と。

 

お店の中はきれいで、明かりも柔らかく落ち着く。

注文したメニューはたまごとじそば。それと季節のご飯。

そういえば、そば屋でついご飯ものを頼んでしまうのはなぜだろう。

カレー、カツ丼、日替わり。ついついセットで頼みたくなる。

そば以外の味も楽しみたくなる。

本業ではないにしろ、どんな組み合わせで楽しませてくれるのかわくわくするからだ。

 

VRChat界隈ではお決まりのセットらしきものがあるらしい。

でも自分は有名人でもないし、知り合いでもない。頼みづらかった。

それに今日はただのそば好きの人間として食べに来ただけだ。

なにより自分の好きなものを食べたい。そのほうが蕎麦屋さんも嬉しいだろう。

 

周囲を観察する。平日になんとなしに来てきたから、みな落ち着いている。

ご年配の方がお昼を楽しそうに歓談しながら食べている。普通の蕎麦屋だ。

思ったよりも若い人たちが騒いでいるなんてことはない。

遠目でそういうのをこっそり見るのも好きなのだが、これはこれでいい。

お忍びでそばを楽しむなら平日の昼だなと思った。休日は混雑するに違いない。

 

たまごとじそばが来るまではお茶を飲む。このお茶がとてもおいしい。

聞いてみたところそば茶のようだ。じんわりあたたかく、薄くない。

しっかりと奥のほうにそばの味がする。それでいてしつこくない。

お茶を一杯飲み終えてしまったところでたまごとじそばが来た。

申し訳ないがおかわりをもらってしまう。これはまたおかわりしちゃうなと思った。

 

たまごとじそばを見る。写真はなんとなく撮らない。普段から撮る習慣もない。

ブログの記事にするなら文章で表現したいというのもある。

 

さて、そばだ。あたたかそうだ。色合いが落ち着いている。

驚いたのは、柑橘系の匂いがほのかにすること。見ると果物の皮が入っている。

柚子が入っているらしい。たまごのうえにはのりがある。

季節のご飯はしょうが。それにつけもの。シンプルな組み合わせだ。

気になったのでご飯を食べるが、さっぱりとした味付け。

それでいて食べ飽きない。つけものと一緒に食べるととても美味しい。

 

肝心のそばだ。一口食べてみる。そばの硬さ、濃さみたいなのがどれくらいか感じる。

温かいそばだったからか、食べやすい柔らかさ。しっかりとしただしの効いたつゆ。

そして麺。そばの野生の感じを主張しすぎない、雑じゃない丁寧な味だ。

書いてたらもう一度食べたくなってきた。

 

ずるずるとすする。やっぱりそばはうまい。

たまごが気になってくる。たまごはやさしい甘さがあっていい。

が、さらにのりまでついてくる。のりとたまごは相性が抜群だ。

 

たまごかけごはんはそのままでもうまい。

だが、のりまであると気分がさらによくなるのと同じだ。

だしの効いたいいつゆ、たまご、のり。そして美味いそば。

最高の組み合わせじゃないか。初めてきたのに大当たりを引くとは運がいい。

いや、そばが本当においしいから全部あたりってことなのか。ともかく嬉しい。

 

そして引き立つ、ゆず。これがしょっぱさ、後味のじっとりとした重みを打ち消す。

がつんとたまご、のり、そば、つゆを味わい、ゆずがさっぱりと最後を締める。

たまらない。完璧な組み合わせだ。季節のご飯もその旨味をまったく邪魔しない。

この組み合わせの素晴らしさを書くにはどうしたらいいものか。

じーんと感動しながらずるずるそばをすする。

 

ほっと一息ついて、そば茶を飲む。表面がすっきりとしつつも、後味にそばを感じる。

そば湯を飲まずとも、似たような気分になる。うまい。そばづくしだ。

麺がなくなってくると、寂しくなってくる。が、同時に満足感も感じる。

体もポカポカしつつ、ゆずでさっぱりしているから苦しくもならない。いい塩梅だ。

 

全部食べ終えたところでそば茶のおかわりをしつつ、ちょっと女将さんと話す。

満足したお店ではよく店員さんに感謝の気持ちを伝えたくなる。おいしかったですと。

すると女将さんはつゆを全部飲むといいと勧めてくれた。

いいかつおだしを使っているんですと。

なるほど、それなら全部飲んでしまおうと飲んだ。

 

全部飲むとさすがに体がしょっぱくなってしまってどうも苦手なのだが、それがない。

ゆずのさっぱりさが効いているらしい。よくできている。

普段安いそば屋で食べているつゆとはわけが違う。最後の最後までとても満足だった。

帰り道、駅のホームで待っているとき、ああまた食べたいなあと自然と思った。

 

そして大変おいしかったのでそば茶を買って帰った。今でも飲んでいる。