かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

ヨルシカの夜行が好きな話

 

www.youtube.com

最初に聞いたときはいまいちだなあと思った。なんか突然盛り上がりっぽく音量が上がるけど、いまいち盛り上がってないのに無理やりだなとか。全体的にのっぺりとした曲調で微妙だなと思った。

 

ただYoutubeで適当に流しているとたまーに聞くことになり、ふといいなあと思えるようになった。それからずっと好きだ。

 

のっぺりした曲調は、スッキリしない感じになり、いい味だしてる気がする。
切ない感じというか、なにも終えられなかった感じ。
大人になれなかった、過去にケリがつけられずにずっとひきずっている思い出。


叶わないこと、どうしようもなく時間が過ぎてゆくこと。
夏が終わってしまうこと、その結果年がまた一つ増えてしまう…そんな諦め。
きれいな夏じゃなくて、じくじくとした苦しさ。
テストが解けなくて、時間になってとりあげられて、時間があればなんて見苦しくて言えなくて、成績もぱっとせず、ぐしゃぐしゃにして捨てた思い出がずっと消えないような感じ。

 

そんな気持ちをきれいな音と声で表現しているような、ほんの少しだけ風が暖かさから冷たさに変わることで、ああ、夏が終わったんだなあっていうのに似せてるんじゃないか。取り戻せないんだなあっていうのがある気がする。

サビが全体的に重い感じがして、それ以外は薄く吹いていくような感じ。その対比がいい曲だなと思う。寂しさの表現がうまいと思う。

夏ってきれいなことばっかりじゃないっていう曲はいいな。打ち上げ花火みたりするよりも、終わっちゃった夏たちを思いながら過ごすっていうのもいいんじゃないだろうか。

 

えぐい汚さ、苦しさじゃなくて、呆然としているというか、ああ、そうなんだよなあ…って納得してしまった悲しさ、寂しさみたいなのがいい。

本当に言いたいことは、夏が終わっちゃうんだね、大人になっちゃったんだね、ああ、僕はここに残るんだな。それだけなのに、きれいな言葉、難しい言葉ばっかり飾られてそっと本音のような寂しい言葉が最後につぶやくように歌われるのが、美しくて好き。

悲しさに激昂したり理不尽だって受け入れなかったりしなかった子供のころから、大人になると苦しくてもつらくても、そうなんだなって受け入れられるだけの体の成長が起きてしまうのだと思う。


それはしょうがないことで、子供の頃のほうが体が未熟でホルモンバランスだとかいろいろで精神が強く揺さぶられていたのだと思う。でも感じるのは、子供の頃よりも擦れたなあ、受け入れられるようになっちゃったな、感動が薄くなっちゃったな、みたいなこと。

成熟といえば聞こえはいいけど、大人の寂しさっていうのはあると思う。いいことでもあるし、悲しいことでもあるような、割り切れなさが成長っていうのにはあるのだろう。歌を聞きながらそんなことを思う。やっぱりいい曲だなあ。