最近、ネットでの検索にBingAIを利用している。ChatGPT4の亜種だ。
なにか調べるとき、Googleよりも先にBingAIで聞けないか考えている。
特に業務用途で威力を発揮している。
BingAI、ChatGPTのなにがいいか?
それは広告がないこと。
Googleで検索するのをやめて一番楽になったのは、広告を見なくて済むこと。
楽天だとか不快な美容の広告とか、つきまとってくるゲームの広告…
そういうのを見ずに、そこそこまとまった答えが文章で返ってくる。素晴らしい。
正直ChatGPT、BingAIのレスポンスは遅い。たまに間違うし、あまり融通がきかない。
そう思うけどネットでざーっと検索して、大量の広告を見て…よりは楽だ。
なによりダイレクトにやりたいことをまとめてくれるアシスタントとして有能である。
自分の使い方の例
例えばダウンロードフォルダの整理がしたいとしよう。わりと面倒な作業だ。
Windowsのコマンドプロンプトを使うとして、コマンドを調べるのはめんどくさい。
オプションがいっぱいあるし、情報が古かったり逆に多くありすぎたりする。
BingAIに聞いてみると、きれいにコマンドを出してくれる。ここでオプションのことを知る必要はない。ただ実行してみて、うまくいけばいい。
で、実行結果を見てみると日付が横に出るといいなあと思った。ダウンロード日付順にして見てみたい。じゃあ聞いてみよう。
先ほどとはコマンドが違うわけなのだが、これもすごく正しく動く!素晴らしい。
オプションをやっぱり調べる必要はなく、ただ実行すれば望みの結果かすぐわかる。
これを自分の手で調べて、一個ずつ実行して…なんてやるのは結構たいへんだ。
体力がいるわけだが、BingAI様々である。
で、実行してみると日付がソートされてない。ばらばらだ…つまり、改良してもらう。
これでなかなか望み通りの結果が得られた。けど、本当にやりたいのはたぶんファイルの削除だ。3ヶ月前くらいのものはもういらない。それだけ表示するようにしてみよう。
これはPowershellでやったほうがいいと提案される。コード的にも正しい。ただただ「〇〇したいな~」と会話を続けるだけで望みのものが出来上がっていくのは本当に素晴らしい。
なにができて、なにができないのか、底を知りたい
一見してChatGPT、BingAIは万能のように感じる。けど、ミスも当然する。
このAIはいったいなにができるのか、どう使うべきなのか相当難しい。
インターネット上で面白いなと思った表現は、サイコロの集合体。
可能性空間を限定する行為を忘れない
深津:この子は人間のように見えて、単なるサイコロの集合体なので。
徳力:サイコロの集合体ね。失礼なことを言っている気持ちになってしまいました。
深津:なので、僕らもこの子に対して人間として話しかけるのではなくて、サイコロの目が、6がいっぱい出そうな感じの坂を、言葉に翻訳するとこんな感じかな、と想像しながらプロンプトを出すイメージですかね。
徳力:何をイメージしたらうまくやれるかは、人によって違うと思いますけど。
深津:会話をしているのではなくて、会話というかたちをもってしてAIが持つ無限の空間の可能性を破壊していって、限定的なところだけでサイコロが回るようにする。
徳力:可能性を、空間を破壊していってね。みなさん、ここらへん伝わりますかね。僕はかなりわかってきました。
この会話が少ししっくりきている。ChatGPTは(あまりよくわからないが)連想するAIなんだそうだ。「空が」ときたら「青い」がくる。 A だったら次は B がくるみたいな。
1+1= としたら 確率的には 2 がでやすい。だが、AIの学習データの中にはひねくれた 10(2進数計算) や 田んぼの田 がある。そういった出力を得るためには入力を工夫する必要があるわけだ。(ちなみに自分は出せそうもない)
なにに使うべきなのか
ChatGPT,BingAIは考えているように見えて、考えていない。
出しているのは限定された状況・入力における平均的に連想可能な答えなのだろう。
これはプログラミング的には有利なのかもしれない。改修の履歴が追いやすいから。
最初に小さく作って、継ぎ足し継ぎ足ししていくのがだいたいのプログラミングだ。
だから、Aをやって、Bを追加して、Cを変更して…というのをやりやすい。
今のところ自分は調べるのが面倒なプログラミングの些細なことを質問してまとめてもらっている。自分でやろうと思えばできるし、検証も容易なことだ。実行すれば答えはわかる。
それ以外となるとまだなにができるか考えられていない。
例えばBingAI,ChatGPTの弱点として日本語の学習度は英語と比べかなり低い。これは仕方のないことで日本人が日本語で書くものよりも、全世界の人が英語で各量のほうが圧倒的に多いからだ。
うまくやると 日本語->英語変換 -> 英語で回答検討-> 英語回答生成 -> 日本語変換 似できると思うが、いまのところちょっと精度がよくない。安定する方法を探す必要がありそうだ。
また仕組み、仕様上の”うまくいったか、いってないか”を識別するのが非常に難しい。つまり、AIにとって入力が適切だったかの検証が難しい。プログラミングなら答えがあってるかあってないかですぐわかる。
だが、ほかの用途では検証が難しい。たぶん回答の自信度スコアなどをだせばわかるのかもしれないが…それでも本当かは疑問が残る。
まとまりのない話だが…
はてなブックマークのコメントに「これからChatGPTはますます進化するから今学習するのは無駄に感じられる」というものがあったと思う。これに対して、自分はNoといいたい。
理由は、進化の系譜を追いたいから。どこがかつて不得意で、どこが得意だったのか。
どういう補強をしたからうまくいくようになったのか。どんな派生サービスが生まれていくのか…
ChatGPTを利用していく上で、ビジネスとして、利用者として視点を多く持ちたい。
不得意でユーザも不便していると感じれば、そのうち新しいサービスや改良がなされる。大事なのは、それを察知して、どう解決していくか。誰かが進化させるのを待つのではなく、いっしょに考えたい。見ていきたい。
思考停止して待ってるだけじゃ、ずっと待っている人間になってしまう。
そうじゃなくて、こうできないか、ああできないか…悩んだ上で進化を待ちたい。
ああ、そういう手段があったのかと自分が挑戦したあとで知るのはいい。
挑まずに、考えずに「へ~~」となるだけじゃ、本当に脳が退化してしまう。
これからもっと応用例が増える、もちろん問題にもたくさん直面するだろう。
そういった問題を自分でも発見したり、探したり、検討したり…
これは大きなチャンスだと感じている。
ビジネス上としても、個人の興味関心としても。時代の変化そのものな気がする。
だからこそ、自分でいっぱい触って、今すぐ勉強して可能性を調査してみたい。
たとえそれが2週間後に使い物にならなくなっても問題ない。無力感も感じない。
なんだろう、感覚としては全世界で謎解き脱出ゲームをよーいどんでやってる感じだろうか?楽しんで、わいわい走ってるなかに混ざりたい。別に自分で解けなくても他人が解いてもいい。なるほど~と納得できるし、次の問題にわくわくしたい。
次の問題もいっぱい悩んで、応用例を探して、わいわいやりたい。