かやのみ日記帳

日々感じたことをつれづれと書いています。

地図にもない世界

 

BUMP OF CHICKENのとっておきの唄という曲がとても好きだ。

気分が沈んだとき、元気がないとき、歌いたいとき。

成長するにつれ、その深い歌詞がどんどん好きになった。

 

歌のいいところは、曲に沿って歌うことで自分が言ったことになること。

自分が口に出して、自分の意志で言う。

これが好きなんだと気持ちをこめて。

 

元気が無いときはついネガティブな言葉が頭の中に浮かぶ。

どうせ自分なんて。そういった言葉を振り払うのは難しい。

でも歌を聴く、歌うことで少し上書きできて元気が出るときもある。

そういう曲に出会えるのは本当に幸運だと思う。

 

歌うのは下手だけれど、それでも歌うのは好きだ。

人に聴かせるためじゃなく、自分を勇気づけたり元気を出すための歌。

それが自分にとっての「とっておきの唄」だ。

 

歌詞はゆっくりでいいから、という言葉で始まる。

親しい友人でも本当に笑って泣けるような関係というのは難しい。

人前で泣くなんてっていうプライドもあるし、遠慮だってある。

そういったストレートだけど純粋な言葉がいいなあと思う。

気取った言葉でもなく、本当に素直な言葉のままというのがいい。

 

BUMP OF CHICKENの曲には擬人化もあり、そういうのを当てはめるのもいい。

夢の飼い主では夢、ランプでは自分の情熱。

オンリーロンリーグローリーでは自分の心。

歌詞は解釈の幅が広くて、新しく当てはめるとまた違った世界が見える。

 

なんでもない日でも記念日でいい。

記念日じゃなくたってたくさん思い出を残そう。

一日一日を大切にしようという気持ちが好きだ。

 

いつだってどこだって君らしい君がいればそこは地図にもない場所。

地図にはなんでも書いてあって説明がたくさんある。

最近じゃスマホでレビューサイトとかがあって旅行に最適とか書かれている。

世界中どこにでもありとあらゆる人が似たように過ごしている。

地図に載っていない場所なんてあるのだろうか?

 

それに対してデジタルと言うか、情報化されていない、一般化されないもの。

自分自身にとって思い出の場所とか、特別な場所というのはあると思う。

それはきっと地図には載っていない、これからも載ることのないものだろう。

 

誰でも見かけほど強くない。

そして自分で思うよりも泣き虫だから。

ここはつらいときに歌えない。じわっとこみあげてくる。

歌詞が優しい。

 

絶対に一人で大丈夫なんて言わせないと続く。

勝手だけれどこの歌自体に助けられている。

こういう曲があるということに救われる。

 

半端な困ったら連絡してとかそういう言葉よりも救われる。

つらいとき、これを聴きながら一緒にこっそり歌うと優しさが伝わってくる気がする。

たとえ一人でもこの歌は本当につらい心にしみいる。

 

この歌の中で不安の募る夜は思い出してほしいとある。

その通り、自分はつらいときこの歌を聴いて元気を出して生きてきた。

なんでもない日も素敵な一日だったと思えるように努力してきた。

自分にとって毎日が本当に笑って泣けるような人生にしたい。

この曲を聴くと救われるし、元気が出る。
今後もたくさんお世話になるだろうなと思う。

 

もう一つ。この歌が時代を経て、自分にとっての意味が変わってきた。

地図にもない世界というのは元は概念的な意味だっただろう。

でも、これからの世界は本当に地図にもない世界が次々と生まれるはずだ。

 

そう思うのは、やっぱりVRの世界を知ったからだ。

VRで過ごす場所は地図にはない。

仮想だったとしても、そこで過ごす時間はいつだってリアルだ。

 

今、自分はVRの世界をほんの少し作れるようになった。

借り物かもしれないが、自分が思う、自分がほしい世界だ。

そして地図にもない世界で、みんなが笑って泣けるといいなと思う。