ふと飯屋で食べていたとき、壁に「返却口」の影が強く出ていたのが印象に残った。
これはおそらく設定ミス。というか誰も気にしてなかったのかもしれないが…
原因は照明の位置が返却口の看板の真下にきてなくて、壁側近くのほうに寄って設置されていたから。これが非常にもったいない。
店内照明が凝っていて、壁も美しくなるように照明デザインされていたのに、返却口がみょーに影を強く落としている。もしかすると返却口はあとで付け足されたのかもしれない。
これについて、壁に浮き出てしまった影を光でキャンセルできるのかが気になった。
頭の中ではたぶんできるだろうと思っている。光の上書きだ。けど…なんか不思議だ。
よーく考えるとなんか変な気がする。果たして本当だろうか?自信がなくなった。
簡単にお手元で実験する方法もあるだろう。部屋の天井の照明がある。
その真下に自分の手をおく。机や床の上には影ができる。これに対してスマホの光を横から当てれば地面や机の上を鮮明に見ることができる。手のひらの影は容易にキャンセルされる。
当たり前なんだが、Unityで試してみたかった。で、扉絵のある通り、無事キャンセルできたわけだ。めでたしめでたし…
と思いつつ、ひっかかってたのは…その影ってどういう意味があったのか、みたいな感じのこと。まあ光を遮っていただけで、影というのは”落ちる”ものではない。描画されるものじゃない。光が届かないから発生する領域のことだ。
一方でUnityは実は影は描画されるものなのだ。影とは焼き付けるもの、後から付け足されるものなのだ。現実と全く違うのはここだ。
(詳しい人向けに一応お断りがきをいれておくけど、ここではBakeについてだけ。Realtimeは置いておいてほしい)
現実で太陽光による影は”光が届かない”ことで発生する。一方でUnityの影は”焼き付ける命令”で発生する。実は後追いで無理やりつけているのだ。
これはUnityの各オブジェクトの表面の状態をプレビューできるものだ。
それぞれの物体は2D上に展開され、光の計算をされた上で影・光が上書きされる。
立方体は上の6個の四角形で表される。展開されるからだ。
で、壁となっているものは一枚で大きくどどんと表示されている。
この表面には影が強く焼き付けられている。書き込まれているのだ。
こうした影に対して更に強い光で上書きをしていることになる。
現実では届かなかった光の領域に新しい光を当てることになる。
この2つは大きく違う。
それがなんか面白い差のように感じ、そして技術的な意味での引っ掛かりに感じたのだ。
これになんかこー現実での罪とか栄光の裏の…みたいな意味付けと光のもみ消しみたいな表現が混ぜ込めたら面白いだろうなとも思った。
あと、技術的には光はリアルタイムだと現実とたぶん同じことは可能だ。またプロジェクションの機能もあるので、やっぱり似たことはできる。けどまあ、これはこれで面白いと思うので…という感じ。
まあ疑問解消ついでにいいアイディアのような刺激が得られてよかった。
飯を食べてるだけでもなかなかどうして発見があるものだ。